東武宇都宮駅前の宮園町にはこれが花街の名残りなのか?と思わせるような場末のオンボロ飲食街が残っていた。既にどう見ても廃墟でしかない。あまつさえ建物の半分は蔦に覆われてしまい建物の地肌を完全に隠してしまっている。
わずかに1軒だけ「いざかや北じょう」という店が現役でやっているくらいで、他は全て終わコン状態。
ほぼ廃墟なのをいいことにどこぞの探偵事務所やカード現金化業者の張り紙がベタベタと建物の外壁を占拠していた。今にも店の玄関口ですら蔦で覆われてしまい見る影もない。
横っ面に回り込むと、看板だけ残したバーの玄関もすっかり蔦が張り巡らされていた。建物裏側はトタン張りになったそのまんまバラック建築である事が分かる。住居兼店舗だったのだろうが、明らかに生活している気配は感じられない。
裏側はコインパーキングとなっているため、ブルートタンで隠された以外の2階部分の様子がよく観察出来る。もういつ取り壊されてもおかしくない勢いだが、それでも残されているのは、何か抜き差しならない事情があるのだろうかね。
一部には取り壊された建物の構造物がそのまま残っている場所もある。タイル張りの壁を見るとこれは風呂場だったのだろうか。
その廃墟の前は広々と空き地のコインパーキングになってしまっていた。随分見通し良すぎだなあオイ。住所で見ると「宮園町」の区画は東武宇都宮駅とこの辺の廃墟ゾーンのわずかな部分しかない。番地も1~8番のみ。実に怪しい一画だ。
駐車所の向こうには、カトリック松が峰教会に負けじと立派な門構えを見せるソープの店舗が一軒。江野町に10軒くらいこのテの店が固まっているが、一軒だけが宮園町で営業中。ともかくこの界隈はそういう場所なんですね。
何かの廃墟を転用したガレージのような構造物も残っている。雑草が伸び放題になっている様子を見ても、かなりの期間放置されている感じがする。
東武宇都宮駅東自転車駐輪場の南側もオンボロ酒場バラックが何軒か残っている。
風情のある門構えの「ニューOL」と「くさやきゅう」の2軒が入居するビル、黄色と赤の裸電球に囲まれ、ファサード上部が手前に反り返った特徴ある形の玄関口でそそられる。見た目だと何の店なのかさっぱり分からないですが…
傍らには従業員募集の看板が。20歳から40歳までオッケー。結構守備範囲広そうだね。「月収100万円以上の方います」の文言がさりげなく金銭欲を煽る。もっとも、それがいつの話なのかは明記されていない。
向かいの飲食店、建物の間に挟まれてスナックが隠れていた。突き当たりの建物はさっきのガレージに改装された廃墟の成れの果て。
わずかばかり住宅になっている所もあるが、殆どがソッチ関係の店か空き地となる。隣の「福栄」は料亭か何かだったのだろうか。紹介制の店、と書かれている。
飲み屋やスナックに紛れて「ミニホテル」と看板を掲げる怪しい店もある。いわゆるレンタルルームみたいなもんですかね。一時利用でも火災のリスクとか考えるとおっかない気もして使うの躊躇いそうになりますけども。
やはり江野町の「しゃぼん玉通り」に近いとこういう事になってしまうんでしょう。オリオン通りがさっぱりダメな所を見ても、そういう店しか需要が出ないところが北関東の中心市街地共通の悩みである。
夜はひと際怪しくネオンを輝かせている東武宇都宮駅前の「ミニホテル」。北関東の夜の街は少しばかり東京とは違った特徴があるようだ。
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