加賀百万石バブル遺産の残骸…加賀温泉駅前・旧「ユートピア加賀の郷」が凄くて酷い 

石川県

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観音様の背中から一本のコードが伸びている。あのコードは何なのだろう…と思ったら、どうやら大観音像の内部の電源は地上に置かれた発電機で賄っているらしく、わざわざこんなまどろっこしい電源の取り方をしているのだそうだ。ゴージャスさとは裏腹にジリ貧っぷりが垣間見える。

実はこの大観音像、北陸加賀の雷の多い独特の気候から何度も雷の直撃に遭い、内部の電気系統がやられてしまっているらしい。つくづく悲運の持ち主である。

バブルの成金趣味で作られた黄金の観音像が神のとばっちりを買っているのかどうか定かではないが、高さ73メートルの観音像の「胎内」には入る事が出来るようで非常にラッキーな我々取材班。

内部に足を踏み入れるとそこも容赦なく黄金だらけのゴージャスな世界が広がっているのだ。どれだけ儲け倒したのだろうか、関西土地建物。

胎内を周回する通路の中にはありとあらゆる観音像が安置されていて一つ一つ見て回るのもしんどくなってくる。観音様のデパート、いや、観音様の総合商社と言うべき陳列っぷりに圧倒される。

そして特筆すべきなのが壁一面に貼りつけられた小さなパネルの大群。ただのパネルではない、それぞれ一枚一枚が観音像のレリーフが施された「大観音胎内祈願納仏(観音パネル)」なのだ。

このパネルが胎内全域にびっしり貼りつけられていて総数は分からない。あまりにも夥しい数だが、それでも一枚一枚個人名と願い事が書かれている。1体につき3000円。これだけの数のパネルがあったら、もっと普段から参拝者が居ても不思議ではないはずだが…

胎内を周回する廊下の内側にも観音を祀った部屋が用意されている。誰も訪れる事もない殺風景極まりない空間だが、それでも最低限掃除と手入れだけはしているようだ。

この観音像の両脇のひな壇にも夥しい数のプチ観音像が祀られているのだ。これは「大観音胎内祈願納仏(十二支御守本尊)」。こっちは観音パネルよりお布施が高く1体ご奉安で17000円となる。

さらに大観音像胎内は上へ上へと続く。先ほどから見られる大量の観音パネルが壁一面に殆ど隙間なく埋まっている。

上階もおおよそ似たような作りで胎内を周回する通路に様々な種類の観音像が安置されていた。それにしてもなぜ照明がピンク色なのだ。ここはストリップ小屋ではないだろう。

で、3階から上が胎内の頂上へ登る螺旋階段となっていた。エレベーターなんて都合のいい文明の利器などございません。ここからは階段で地道に頂上を目指すしかない。それでまた大量の観音パネルが壁一面を覆い尽くしている…何人分あるのこれ?

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