【現存せず】九州最後の秘宝館!佐賀県嬉野市「嬉野観光秘宝館」最期の姿

佐賀県

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1階の展示が終わるとさらに2階に上がる階段の両側にもびっしりと掲げられている日本全国古今東西の性にまつわる資料のコーナーも見逃せない。大概おふざけ気分が何割か混じりつつ秘宝館に入るものだがこれには思わず大マジになってしまった。四十八手はともかく日本各地の性信仰や性祭、神社などにある陰陽石について古い写真が惜しげも無く展示されている。

200円の追加料金を払わないと中に入れないはずの特別展示コーナーもゲートが壊れたまま入り放題になっていた。貞操帯やらアソコの型を取ったものやらがあったり色々とエログロになってます。

これだけ素晴らしい資料が豊富にあるというのに客が来なくなって閉鎖の危機とは惜しいにも程がある。これがアムステルダムの飾り窓地帯にでもあれば大流行りだろうに。

そして嬉野観光秘宝館の目玉の一つ「ビバ・シネマワールド」!これは世界中の有名な映画のワンシーンからエロの要素をふんだんに取り入れた動く人形が名演技を披露するスリリングなコーナーなのだ。

で、これが有名な映画のワンシーンか。ちょっと違うような気がするぞ。ベッドの上で男女が飛んでいる。鳥だ…飛行機だ、いや、スーパーマン?

違った「スーハーマン」だった。「性技の使者」は馬鹿馬鹿しいBGMと共に宙を舞う。家じゃ奥さんに愛想つかされてばかりのお父さん達だって夜だけでもヒーローになりたいものですね。

こちらはアラビアのローレンスならぬ「アラビアのエロレンス」。ラクダの上でまぐわってます。説明は必要ありませんね。周辺の細かい演出が笑える。

そしてどこかで見た事のあるカンフー映画のヒーロー、あの人をモチーフにした人形もございます。でも鍛錬の足りないところが一ヶ所あるようです。

有名な映画のタイトルをもじった看板の間抜けたセンスもいちいち秀逸。日本のAVの題名をつける人のセンスもこんな感じだよな、「燃えよマラゴン」。天国のブルース・リーもこれには苦笑い。

なお展示物のスイッチはこちらのオッパイになります。どうぞ指でしっかり押してから御覧ください。

見るもの多すぎで色々端折るけど最後は「嬉野茶摘み娘」でフィニッシュ。嬉野はお茶の名産地でございます。さっきから腹筋緩みっぱなしなんですが…どうしよう。

いよいよ嬉野観光秘宝館の大御所たる展示「ハーレム・エロチカアラカルト」へやってきました。説明にはこうある。「水と光が溢れるハーレムの大浴場に戯れる、王様と美女達が奇想天外で絢爛豪華な場面を展開します。ゆっくりご覧下さい」

そこには高さ三階建て程の巨大な吹き抜けに想像を絶する光景が広がっていた…これが嬉野観光秘宝館が誇る「愛性エキゾジムファンタジックなエロティシズム」なのか!!

まあ一言で申せば色んな所で色んな人がクルクル回ったりしながらまぐわってる訳であるが…これだけの「水と光が溢れるハーレムの大浴場」を一日数人しか来ない客の為にスタンバイして動かしているというのがなんともバブリーである。

この迫力は現地で是非体感して欲しい。なおこのハーレムコーナーだけで7000万円もの巨費を投じたと説明板には書かれていた。現代の日本でこれだけの事をやれる施設は今後生まれる可能性はあるのだろうか。そりゃエロなしでは経済も停滞するわな。本気で馬鹿をやれる心の余裕が欲しい。

先日の海外出張で我々取材班はアムステルダムやベルリン等ヨーロッパ各地の秘宝館を見て回ったが、そこでは殆ど必ず日本の春画や性の資料が文化的価値の高いものとして大々的に展示されていた。その日本から今まさに一つのサブカルチャーが失われようとしているのだ。

そんな嬉野観光秘宝館も2014年3月に完全閉館。跡地は解体されてしまったようです。これで九州から秘宝館は全て無くなった事になる。


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