商店街の本屋の角から路地に入るとそこは案の定盛り場的な一角になっていて路地に対して斜めに建っているスナックビルがある。にわかに漂う戦後のドサクサ臭。
まるで宝くじ売場かよと思うネーミング「みなとドリームセンター」の看板。入口から見るとやっぱりスナック街でしかありませんでした。ドリームというか寂れた街の現実を突き付けられてるような印象。
その先にも狭い路地に長屋の飲み屋街が奥に伸びていて、激しい昭和臭がこびりついている。居酒屋の他にも喫茶店とかラーメン屋の看板も見られる。
津久見自体小さな町なのでここが昔どうだったという資料も乏しいのだが、駅前のドサクサ的風景は戦後の赤線でもあったのではなかろうかと邪推したくなるほどの佇まいだ。
小粒でもピリリと辛い山椒のような路地裏風景です。津久見はノーマークだったがこの街並みはなかなかのものだ。
この飲み屋街がある一画だけが街路や建物がまっすぐになっておらず不自然に斜めを向いている。それは何かを意図して設計されたものなのか…とっくに寂れているので昔どうだったか知る術もないですがね。
商店街から路地を眺めると建物に遮られて確かに奥の方まで見通せない事が多い訳である。本当に気になりますねえ。そそられます。
飲食店街としても微妙な状態に思えるがそれでも焼肉屋だけはやけに多い気がするのだ。やっぱり労働者向けなんでしょうかね。
ここもなかなか乙な路地裏風景。凄まじくオンボロな家屋の鉄製バルコニーは錆が酷く床の網が破けてしまっている。やはり既に廃墟だろうか。
路地裏横丁の出口には何だかタイガース臭い感じのする黄色い壁の居酒屋「とらの子」。やっぱり阪神ファンだったりするんでしょうか。大分ってよく九州の中の関西だとか言われたりしますけど。
いよいよ路地裏横丁のある駅前を離れて最も気になる「セメント町」の方へ歩いて行く事にする。駅前から国道を並行して商店街の残骸が延々と続いている訳だが相変わらず潰れた店舗跡が目立っている。美容室が二軒も並んでますね。
さらに建物一面トタンで覆い隠している怪しさ満点の飲食店の残骸までもが…ここが何かの店だった頃はどういう使われ方をされてきたのだろう。二軒並んで同じようにトタンで覆っているのでますます怪しい。
ここも飲食店兼住居の成れの果てと思しき建物。玄関周りは雑草だらけで荒れた感じが否めない。冷蔵庫まで不法投棄されてしまっていた。
そんなスナックバーの玄関ドア。お猪口と徳利を手にお腹いっぱいの狸さんが満足気な表情を浮かべてます。店の名前は「たぬき」でよかったでしょうか。既に廃墟のようで残念である。
近くを走る国道217号線沿いからは津久見の港が一望できる。まさしく漁業とセメントの街である事を一目で示すかのように手前には漁船が係留され、沖の方にはセメント関連工場の設備が立ち並んでいるのが見える。
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