東京上野から出ている常磐線は首都圏のJR沿線でも指折りのDQN路線として有名で電車の中でスポーツ新聞を広げてるオッサン率と缶ビールor缶チューハイを飲んでるオッサン率、それに車内でスルメの匂いを充満させ宴会を行うオッサン集団目撃率ナンバーワンという伝説がある。
そんなチバラギ文化の香り漂う常磐線に揺られて東京上野から1時間少しで土浦駅に辿り着く。そこは県都水戸に次ぐ茨城県第二の都市。手前の柏くらいなら何かの拍子で来るきっかけもあるだろうが地元民でもなければここまではなかなか来ないよね…
この駅にも程近い桜町の一帯が北関東屈指の夜の盛り場であるという話は有名である。今回訪れた目的のはそんな桜町界隈を歩く事だ。土浦市の玄関口である土浦駅前は立派にペデストリアンデッキまで整備されていてやたら近代的なのだがやたらひと気がない。
桜町とはどの辺の事だろうか地図を見るが既に土浦駅西口を出た正面から「桜町一丁目」だった。目指す歓楽街は桜町二丁目で駅からやや離れている。駅前には「味ののれん街桜小路」なる呑んだくれ横丁がサラ金が入居する雑居ビルの脇に入口を構えている。
桜小路は駅前飲食街としての体裁を保っていて別段変な様子はない。長距離通勤がデフォルトの常磐線ユーザーのオアシスとして機能しているようだ。土浦辺りならまだまだ東京通勤圏。特急フレッシュひたち号なら土浦から上野まで45分で行けてしまう距離にある。
無難に焼鳥居酒屋なんぞが立ち並ぶ路地裏横丁。この先を抜けていくと…
雑居ビルにのっけからピンサロ店舗が一軒現れるのだ。さすが期待を裏切らない常磐線クオリティ。まあでもこのへんなら軽いジャブみたいなもんですよ。
さらに色街ならではの無料案内所の店舗も現れるという用意の良さ。桜小路は土浦駅から風俗街へのスケベオヤジ軍団の主な動線となっている訳で、ここでお客さんをゲットする寸法な訳だ。
桜小路を抜けるとそこにはアパート風味な佇まいの「ビジネス旅館」が一軒。やはり場所柄連れ込み宿だったりするんでしょうかね。
1泊お一人様3900円で和室には冷暖房テレビ付と看板に書かれている文言がいかにも昭和チックである。
その先はなんだかガラーンとした空き地と駐車場だらけの一画となる。1日停めても600円だかの割安なコインパーキング、妙にキャパシティがでかい訳だが当然桜町の風俗街に用事のあるお客さん御用達となっていそうだ。
桜町の南側には霞ヶ浦に注ぎ込む一級河川桜川が流れておりその手前の駐車場だらけの空き地に囲まれた区画にぽつんとやさぐれたスナック横丁が残されている。グラフィティ派手っすね。
半ば廃墟化しているスナック街の壁一面にこれまたでかいグラフィティが描かれているのだ。さすが茨城ヤンキー文化圏。よく見ると「LOVE&PEACE」って書いてあるのかこれ。
よくある場末の高齢化スナック街というより、まるで不良の溜まり場のようなテンションである。夜はあんまり近づきたくない雰囲気ですね。
目の前を流れる桜川。川の名前の通り、桜の開花時期になると土手沿いに植えられた桜が満開になる訳ですが土浦の桜町は違った意味で徒花が年がら年中満開になっております。それでは「花見」に行きましょうかね。