宇都宮に続いて栃木県第二の都市である「小山市」を訪れた。小山は栃木県南部の中心都市であるが、両毛線や水戸線の始発駅でもあり群馬や茨城とも繋がりがある。そして東京からは東北新幹線で直通、在来線でも都心へ1時間半程で出れる事もあって微妙にベッドタウンとして東京に通勤している人もいるらしいがそれはちょっと無理がある。
そんな小山駅へ湘南新宿ライン直通電車で到着。新幹線の駅舎もあるので無駄に立派でございます。上野から1時間20分、大宮からならわずか40分で来れる。近い近い。
小山の街と言えば昔は「小山ゆうえんち」だったそうだが遊園地も潰れてしまい街の中心は車社会のせいで郊外にシフト、抜け殻となった中心市街地は徐々に風俗店や如何わしい店が進出しているという北関東ならではの特徴を例外なく示している。
小山駅西口を出てとぼとぼと駅周辺をうろついてみる事にした。駅前には100円ショップに怪しいピンク系店舗の看板、一等地にはサラ金ビル…と、一般的な北関東の郊外都市の風景と共通している。
小山市役所や小山ゆうえんち、それに小山の母なる川である思川も全て西口。したがってこの辺が街の中心のはずだが、人通りも少なくでかい空き地が目立っていた。
空き地にボンと突っ立っている看板に目をやるとそれは小山市が設置した「小山駅西地区街なか居住推進事業」の告知看板だった。群馬東部と栃木南部を跨いだ両毛地区は特にモータリゼーションの激しい土地で、中心市街地の空洞化の深刻さがこのような看板からも伝わってくるようだ。
駅西口にも「ロブレ」という再開発ビルと、なぜか大阪西成の花園町に本拠地があるスーパーイズミヤが関東進出攻勢に勢いを掛けて入居したショッピングモールなどが入っているが、一部は見ての通りテナントが入らずもぬけの殻となっている光景。
いつぞやの大阪で見たフェスティバルゲートの最期を見ているかのようだ。1994年にこのような再開発ビルを完成させたようだが、裏目に出ている模様。
歯抜けになった中心市街地の各所にコインパーキングが並んでいるという典型的な北関東スタイルの街並みが小山でも見られる。
再開発ゾーンは何とも寒々しい限りだが、裏手の路地に入ると昔ながらの年季の入った小料理屋が住宅街に紛れて残っている。
路地を抜けると小さな街のパチンコ屋がひょっこり現れる。パチンコ屋業界もスーパーと同じく大型化郊外化と弱肉強食の波で、このような中心市街地の零細規模のパチンコ屋は絶滅危惧種である。
駅前から北側にある城山町の住宅地に入ると、パチンコ屋だけかと思ったら旅館に質屋に居酒屋横丁と、どこから見たような店舗構成の街並みが残る。これは風俗街によくありがちな店舗構成である。
こう見えても城山町付近はソッチ系の店が住宅地のそこかしこに紛れていて一種異様な雰囲気がある。また後でじっくり探索するとして、再度駅前に戻る事にする。