凱旋門ビルの真裏に当たる路地に入ると、途端に人通りが消え、微妙に不気味な雰囲気に変わる。やはり夜の街ということだろうか、昼間は街が死んだような佇まいだ。
お日様が出ている時間帯にはそんな寂しい裏通りをとぼとぼ歩いていくと、その道中に「スチワーデスサロン日本空航」と書かれた、かなり年代物のピンサロ店が現れるのだ。ただでさえ某航空会社のインスパイヤ(笑)でクリソツな鶴のマークまであってパクリと言えども開き直りっぷりが爽やか過ぎる。
朴李製品でも開き直って時代が過ぎれば立派なネタ物件と化すもの。近くの仙台空港からは本物の航空会社が飛行機飛ばしてますがそんな事お構いなしである。
あからさまに「男のプレイランド」と書かれた看板を横目に店の入口に続く階段に目をやる。店舗は地下にあるらしい。内側の看板も同様に相当な年代物のようである。いつの時代から営業している店なんだろう。
階段の奥には美女の絵が訪れる男どもを見つめるがごとく掲げられていた。その下には使用済みのおしぼり。何だか生々しい。
上の階にはさらに別の風俗店が入居している模様。かなり昭和を感じさせてくれる雑居ビルだ。
日本空航の向かいがちょうど凱旋門ビルの裏手に当たる所で、ここから凱旋門ビルに入る事もできるようだ。隣には立体駐車場、その名も凱旋門パーキングがある。
こちらも微妙に昭和を感じさせるビニール屋根と、バブル期を感じさせるデザインの店舗案内板が独特の風情を放っている。
その隣のビルも無駄に豪華さをアピールしているかのようだ。白い女性の彫像が2階の庇部分に設置されている。その下は妙に俗っぽい中華料理屋とラーメンののぼり。
路地を抜けて突き当たるとその正面にも飲食店に紛れて怪しいお店が入居している。窓に張り出されたお嬢の写真が実に清々しい。
向かいは割と新しめなキャバクラビルになっていて、容赦なく店の看板が並べられている。どこもかしこも女の子の写真だらけだ。
先程の凱旋門ビルの前の道に出るまではおおよそこんな感じである。さすが東北最大の歓楽街と言うだけの事はあってキャバクラの数も半端なく多い。
凱旋門ビルの回りを一巡してくるとカプセルホテルの建物が角に現れる。その隣にはビジネスホテル。仙台国分町は地元だけでなく、出張サラリーマンの憩いの場でもあるようだ。ちなみに今回は訪れていないが、ここから先、晩翠通りを挟んだ西側の立町一帯はラブホテル街となっていてまた雰囲気が怪しい。
仙台藩領だった江戸時代にこの街にあった薬屋の軒先に置かれていた虎の置物からその名前が付いたという虎屋横丁。南北に走る稲荷小路と並んで、国分町エリアにおける飲食店街の一角を担っている。
同じ雑居ビルに普通の中華料理屋やスナックなどに紛れてマットヘルスが入っていたりとかなり店舗構成が混在しまくっている。こういう怪しい街に限ってやたらピースボートのポスターが多いのはなんででしょう。ついでに隣のビルには韓国料理屋が入っている。
虎屋横丁側でも無料案内所をあちらこちらで目にすることが出来る。
その向かい側にももう一軒無料案内所が。
並んでいる飲食店も店の名前のセンスがわけわかめである。どういう理由でわけあって魅力なのか小一時間問い詰めたいが、その下のヤングの居酒屋も気になる。
虎屋横丁沿いに歩くとやたらめったら目にする女性向けナイト求人情報誌の数々。仙台がブスの産地だと噂されるのは何でだろうかと思いながら手に取ってみたが、結局よく分からなかった。東北全域のナイト求人情報を扱っている雑誌のようだが、掲載されている店は殆ど仙台国分町のものだ。
そしてもちろんホストクラブも存在している。歌舞伎町のように街中ホストクラブだらけという訳ではないが、一応あるにはあるといった程度のものだ。
虎屋横丁から南側に入ると、黄色やら緑やらやたら原色系多用なビルが目に付いて視界が眩しい。凱旋門ビルといい、仙台人はやっぱり派手好きなのか?
緑多用系のビルは2階建ての飲食街だった。かなり年季の入った古いスナックや小料理屋が中心である。
緑のビルは中央部がUの字型に窪んでいて、その中にも店がひしめき合っていて独特の雰囲気だ。
今度は虎屋横丁から北側に外れると、そこにも居酒屋横丁が隠れていて国分町の奥深さを思い知るのだ。割と綺麗目な「国分町一番街」。
場所柄キャバクラと見紛う「花より男子」は接客が女の子というだけの普通の居酒屋だった。3000店舗あるという国分町の飲食店街、実にバラエティに富んでいる。今回の国分町界隈の探索はこのへんで一旦終了。また近いうちに仙台を訪れた時に続きをお伝え出来ればと思う。