高知が誇る唯一無二のセルフビルド建築「沢田マンション」に泊まってきた 

<3ページ目を読む

5階まで登ると沢田マンション家主のアトリエ…じゃなくて資材置場に辿り着く。創造主亡き後マンションの増築は行われていないが今でも部分的な修理や改築はご子孫が行われているそうだ。あと入居者は部屋の改築を自分らでやってもOKらしい。フリーダムな精神は未だに息づいている。

そして気になるのが建築現場にあるそれとよく似た裸同然のエレベーターの存在。大丈夫なのかこれ…と早速心配に見えてしまうのだが…

このエレベーターも当然手づくり。ベンチと手摺が置かれているが周囲は大雑把な鉄格子で覆われているだけ。未だに現役で、ボタンを押すとちゃんと上下する。それも危険のないようにゆーっくり動く。

資材置場の隣は家主の沢田さん家。ウィークリー利用で申し込みに来る際はここまで足を運ぶ事になる。来るまであれこれ迷って結構大変でした。面白かったけど。

最上階の屋上には真っ赤なクレーンが据え付けられたままになっている。このクレーンも沢田夫妻のオリジナル製品である。マンション増築の為の資材を次々これで屋上に運んでいたが現在は使われていないようだ。

クレーンの土台部分は回転可能な仕様。夫婦手作業で鉄筋を溶接したりあれこれ取ったり付けたりして作ったそうだが、こんな巨大な機械まで全部自作というのが未だに想像つきません…

自作のクレーンがあると思ったらその隣には家庭菜園と鶏小屋まであるというパラダイスっぷり。沢田マンションだけで国家独立しても多分生きていけそうな勢いだと思う。体感自給率100%以上。

ニワトリとか烏骨鶏とかあれこれ住んでおりますよ。やっぱり鶏は捌いて食ったりするのだろうか。

…あ、卵だ(笑)なんという自給自足生活っぷり。羨ましい限りである。

しかし今の時代、食料自給しなくともマンションの真正面にサニーマートとかいう大きなスーパーまで出来てますしね。電気屋もホームセンターもあって徒歩圏内で何でも買い物できる便利な場所となっている。

屋上の家庭菜園は結構広いスペースが取られている。一家の食料をここで自給してそうな気配。マンションまで自分らで作ってしまう程の性分なら家庭菜園を作るくらい屁でもないだろうな。その向こうにある6階部分の住居は家主さんの私邸になります。

この階段から6階部分を結ぶ橋の上もなかなかスリリングである。高所恐怖症にはきついぞこれは。家主さんの自宅のテリトリーだしこれでも平気なのでしょうが。

階段を降りて5階へ。右手に沢田さん家の玄関がある。しかしなんで建物から階段が離れているのか、そのへんのこだわりも独特である。

沢田マンションの屋上から眺める街並み。洋服の青山とヤマダ電機が見えます(笑)探偵ナイトスクープで紹介された頃はこの辺一帯郊外の長閑な田園地帯でしかなかったのだが…随分発展してしまったもんだな。

築40年が過ぎて、建築基準法的には未だにグレーゾーンのままだが「百年もつ」との創造主の言葉通りずっしり重厚な佇まいを残す沢田マンション。高知市では有名物件となっていて若手住人の人気も高く、独特なコミュニティゆえ訪問者も多い。

様々な規制に縛られて没個性的なビルや団地ばかりが立ち並び街をつまらなくしている昨今の日本だが、それにしても建築基準法って何の為に存在するのか小一時間考えさせられた。

ちなみに沢田マンションは事前許可なしで撮影禁止、という事なのでくれぐれお気をつけ下さい。普通の住居でもありますからね。なお沢マンツアーも随時開催中との事ですので訪問の際は家主さんと交渉下さい。


The following two tabs change content below.
新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。

トップへ戻る
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.