1階フロントの一角が意味不明な工芸品コレクション置き場となってしまっていた。どうやら表の看板にあった「ピラミス美術館」ってこれの事を指しているのか?結局分からなかった訳だが、変な木彫りの装飾品やら石の置物類は全て売り物で、買って帰る事が出来るんだそうだ。
他にも変な鉱石類や数珠なんかもずらりと置かれている。瞑想グッズか何かだろうか。だんだん宗教施設っぽくなってきたぞ。
極めつけには電磁波測定器までもが…こんなもんを買って何を調べるのか知らんがスピリチュアル的な何かの役には立つかも知れない。電波ゆんゆんしてきましたね。
かと思いきや、花瓶や食器類なんぞも売られていたりして統一性のない土産物売り場は意味不明。しかも犬のぬいぐるみまで売ってる。1個800円(電池別)だし。
あと、クリスチャンラッセンもどきの大きな絵画の下に売られているのがオーナーの伊藤氏が「ひびこうじ」の名義で書いている小説や書籍の数々。
1973年発行という古い小説「最後の文明人記録」にはじまり、最新作である「翻弄の舟」まで、ひびこうじコレクションがここでは全部揃う!素晴らしいパラダイスっぷり。
さらには謎のピラミッドパワーを凝縮した「パワーカード」(800円)まで…六芒星の中心に「P」のマークは安直過ぎる。持ってると何か良い事があるらしいがこれ以上ポイントカードだらけの財布にカードを詰め込みたくない。
フロントから奥の大浴場へ通じる廊下に入ると黄金のファラオ像が入浴者を出迎えてくれるのである。入浴に行きたいならエジプトではなくアメリカ行きの飛行機に乗りなさいというオヤジギャグはどこにも書かれていない。
他にも奇木や石の置物などがショーケースに陳列されている。さぞコレクション好きなオーナーの性格が現れているようだ。
大浴場前の広場は場末の温泉ホテルにありがちなゲームコーナーやマッサージ椅子、ビールの自販機などが置かれている他、オーナーのコレクションである巨大な木のレリーフや置物が鎮座している。ここの上層階が瞑想用のパワースペース。別途料金を払えば利用可能。
今回はピラミッド温泉に泊まるので、後で客室に案内してもらった。途中には宿泊客用の大食堂なんぞもあるが、壁の上にも謎の木彫りのレリーフが掛かっている。全てオーナーの趣味である。
他が全部満室という事なのか知らんが一番狭い部屋に案内されてしまった。非常に窮屈なんだけど壁紙とかブラインドまで全部黄金色なのだ。こりゃやべえ。
何故全て黄金色なのか、そのわけが部屋の隅にご丁寧に書かれていた。ピラミッド塔から発する「氣のエネルギー」を多量に受け取る為に金色にしております。だって。それはいいが一晩泊まったら埃で喉をやられてしまった。氣のエネルギーよりも、もう少し掃除をしっかりして欲しかった。
あまつさえピラミッド温泉の公式浴衣がこれ。ピラミッド模様のオリジナル仕様。もう笑うしかない。
しかし浴衣には「げんき温泉」と書かれている。ピラミス整心苑なのかピラミッド温泉なのか正式名称が今ひとつあやふやである。
テレビをひねるとチャンネルは地元のとちぎテレビだ。カラオケのど自慢で無駄に緊張しまくる出演者。話し言葉はベタな栃木弁。やはり栃木は関東の中の外国だ。