沖縄市・嘉手納弾薬庫地区にある謎の無法地帯フリーマーケット「ベトナム通り」 

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沖縄県 沖縄市

米軍基地キャンプシールズの敷地内では毎週土日の午前中に地元民によってフリーマーケットが開催される。しかしそれは2ヶ所存在していて、もう1ヶ所の会場は基地のフェンスを出た先の約1キロ離れた場所にある。こっちのフリーマーケットは知る人ぞ知る的なマニアックなもので、その光景が「おおよそ日本らしくない、まるでベトナム辺りの未開の集落のよう」だという事か知らんがその様子から「ベトナム通り」「ブラックマーケット」「白川のフリーマーケット」など複数の名称で呼ばれているのである。

パッと見何もなさそうな雑木林が生い茂る車道だが、この道を突き進むと怪しい露店が立ち並ぶ一画が確実に存在しているのだ。

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周囲を見渡すとほぼ手付かずの原野とも呼べる状態の草むらがひたすら続いている。なぜ街から遠く離れたこんな場所にフリーマーケットが発生するのか、内地の人間から見ると不思議に思うだろう。

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この一帯は実の所、米軍が保有している土地「嘉手納弾薬庫地区」の一部になっているらしい。しかし遊休地となっている為、米軍と沖縄市との協議の上で一般に開放されている。日本とアメリカ両者の都合上、宙に浮いたままのエアポケット的な空間で、事実上誰でも好き勝手に店を出せる解放区になっている。

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で、しばらくそんな何もない道を走っていると、いつしか狭い道にびっしりと地元民が車を停めて好き勝手に店を広げている光景が現れる。一体何なんだここは…と驚かざるを得ないが、露店の数だけ客もやってくるようで、ただでさえ狭い車道に車がひっきりなしに行き来して渋滞に巻き込まれてしまう。初心者ドライバーならパニックになる事必至。

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フリーマーケットの列を一旦抜けて、その北側の倉敷ダム方面に通ずる車道沿いに車を停めて再度様子を見に行く事にした。フリーマーケット自体も1キロ以上道なりに続いている上、買い物客の縦列駐車も300メートル程続いている。土地勘が無ければここに来るだけでも往生こくだろう。

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買い物客の車は東南植物楽園(一時休園)側から分岐して市街地に通ずる道路から行き来しているようだ。T字路あたりがフリーマーケットの始点となっていて、そこからキャンプシールズ側の1キロ余りの部分に闇市のような露店がずらりと並ぶ。

ちなみにT字路付近には何軒か屋台料理を売る店舗が出ている。買い物の行き帰りに小腹を空かせた客を狙っているのか。

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そしていよいよフリーマーケット会場へ足を踏み入れる。見た目の雰囲気は確かに日本らしくない。だがこの風景はナイチャーであるはずの我々取材班にとっても非常にデジャヴなのである。どこかに似ていると思ったら西成の泥棒市にクリソツだった。

しかしここは労働者の楽園・釜ヶ崎に非ず、南国沖縄。底抜けにフリーダムな空気がどことなく漂っている。

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基本的にどこで誰が店を構えて何を売ろうと自由らしいので、来てみなければ何が売られているか分からない。それが家財道具だったりする場合が多いが、ここの露店なんかどこぞの工場で使っていたクレーンフックなど意味不明な品が混じっている。おいおい誰が使うんだよそんなもん。

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T字路付近は比較的工業用製品が沢山売られていた。沖縄人はこんなものまでフリマに売って使い回すのか、と感心せざるを得ない。それも経済事情が本土とは比べ物にならない程厳しかった沖縄ならではの知恵なのであるが…

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測量機器らしきものからチェーンソーまでいかつい現場仕事の道具に紛れてなぜかペット用ケージまでもが置かれている。売れるものは何でも売る。これがフリマの鉄則。

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まるで夜逃げの後の家財道具の処分販売コーナーのようなテンションだ。自分の家で使っていたものもあればどこかで拾ってきたものも混じっているだろうが、細かい事は気にしない。

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確実に数年で使わなくなる子供用の自転車の座席とかベビー用品がらみのものは確かにフリーマーケットでは重宝する。

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衣料品やバッグといった身につけるもの系も非常に豊富過ぎて非の打ち所がない。それだけ大量な物品が大勢の売り主によって陳列されていて上手く売れる訳もないはずだが、だからと言って大損こく訳でもない。出店料も取られないし暇潰しにもなる。

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中には米軍払い下げ品と思しき軍服やら迷彩服を売る露店の姿も珍しくない。お客が来なくてもなんくるないさーといった表情で手持ちの本を読み耽る店主。

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こちらも軍服だらけの露店。一体これだけのものをどこで仕入れるのか不思議でしょうがない。こんな感じのフリーマーケットが1キロ以上に渡って途切れなく続いているのがコザのキャンプシールズ裏「ベトナム通り」の日常風景だ。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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