ぼっけえ、きょうてえ…川の中州に双子の遊郭島…岡山市「中島遊郭」 

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かつて遊郭があった岡山市の中島地区は、旭川の中州地帯に船を二艘並ぶように細長い島状の土地が広がっている。地図で見ると分り易いがかなり特殊な土地であるには違いない。なぜこの土地が遊郭として選ばれたのか、そして現在も本来危険なはずの川の中州が人の暮らす住宅地になっているのか気になる。

島の南端を東西に貫いて架かっている新京橋の上から中島地区を眺めると、まるで船の上に集落があるかのような風景を眺められる。

橋の上から土手を見た感じではガッチリ護岸工事をやっている訳でもなく、昔のままのようだ。これ、大雨とか台風の時にはどうなるんだろうね。結構スリリングな風景なんですが。あまつさえ土手の上に足場を築いて家のバルコニーが増築されている箇所もある。

一応ここ中島地区は岡山県と岡山市の名義で風致地区と記されたこのような看板が置かれている。建物を建てたり土地を造成したり、まあとにかく土地をいじるような事があれば市役所の許可を取れという事らしい。

ちょっとスラムめいた元遊郭に「風致地区」の響きは不釣り合いな感じがしなくもないが、ここのすぐ上流には岡山市随一の観光地である後楽園や岡山城もございます。都市の光と闇が旭川という川の上と下に隣り合っている訳です。

上流側の島の先端に回ると古い土手の石組みが見られる。遊郭が現役だった頃からずっとこんな感じだったんだろうな。土手の上で何も知らなさそうな地元の子供らが無邪気に遊びまわっていた。

島の一部はそれなりにコンクリート護岸と嵩上げがしてあってちょっとくらいの増水には耐えられるようになっている。だから古い遊郭の建物もしっかり残っているのだろうが。

新京橋の下に降りて西中島町に入ると橋の真下が児童公園になっていた。

橋から降りるスロープは車も通れる程の幅があるが、かなり急に作られている。ただでさえ狭い土地に作ったらそりゃこうなるか。ここからじゃ出入りしづらいだろうし片側にしか出れないし凄く不便。

橋のスロープに隣接する果物屋の壁には手書きのイラストが…アイラブバナナ、やけにバナナをプッシュしまくる荒井青果。

「あくまでバナナですから。」とバナナのアピールがやけにくどい。

岡山と言えば桃太郎だろうと周りに言われてもウチはバナナだからという反発なのか。しまいにはアンパンマンまで現れましたよ。ボーノ!ってなんでイタリア語。

児童公園脇の「公会堂」と書かれた小屋にはこのような看板が貼りつけられていた訳だが、やっぱり何か問題があるようですね。中島問題とは一体いかなるものだろうか。川の中州は危ないから早く立ち退けお前らと市役所から迫られて、住民が嫌がってるというよくある構図かしらね。

中島遊郭は昭和33年にすっかり店じまいとなり妓楼が転業して料理屋になったりもして頑張っていたらしいが、それも潰れてしまい、以後は寂れるに任せるばかりだったようだ。

この地区の廃屋の多さから見ても、遅かれ早かれ消えてしまう運命にある土地なのかも知れない。遊郭の成れの果てはみんな儚いよね。

民家の軒先に「ここは犬のウンコさせる所ではありません 注意」

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。

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