オンボロバラック市場が再開発計画で見納め間近…沖縄一朝が早い「農連市場」再訪

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那覇市 樋川

早朝過ぎてあんまり見られるものも無かったので、また昼過ぎくらいにふらりとやってきた。もうだいたい店じまいした後で、早朝に来た時と比べても雰囲気的にはそんなに違いが無かった。ボロッボロで、今にも真ん中からベキッと割れそうな天井を危なっかしげに眺めながら歩く。

那覇市 樋川

前々から言われていた事なのだが、この農連市場は2015年には無くなる見通しになっている。「農連市場地区防災街区整備事業」が2014年5月に県の許可を受けており、2018年中の完成予定である。見納めの時は刻々と近づいているのだ。

那覇市 樋川

60年の年月、戦後すぐから農連市場を支え続けてきた巨大な柱には人々の生活の痕跡がこれでもかという程残っていた。なぜ沖縄のオジイオバアは電話帳をメモするのにメモ帳を使わずに壁とか柱にすぐ個人情報を書き込んでしまうのか不思議だ。

那覇市 樋川

農連市場の中にある老舗の「花城食堂」も健在。市場のオバー御用達だが、このすこぶるレトロな店構えから観光客も食べに来る事も多い。だが再開発後の家賃が高騰するのと店主が高齢との理由で、こちらも営業終了する見通しが強い。

那覇市 樋川

その隣の、洋服とか食器とか雑貨とかめちゃくちゃガラクタ状態で並べている謎の店舗も、ノリは東南アジアのどこぞの怪しい市場そのものでありクオリティが高い。

那覇市 樋川

2011年に初めて農連市場を訪れて、今回(2013年春)で二回目だったが、オンボロバラック市場にも若干の変化があった。まず市場の中央を流れるガーブ川に架かる人道橋の一つが老朽化で腐り始め、渡れなくなってしまった事。まるごと封鎖されていた。

那覇市 樋川

人道橋の板張りが相当黒ずみだしていて、腐って脆くなったようだ。「補修の予算の目処が立たないため」という理由で、そのまま封鎖。那覇市の懐事情が厳しいんでしょうか。まあ、再開発計画でどのみちガラっと変わるので、それまでの我慢なんだろうな。

那覇市 樋川

農連市場の利用者はよっぽどマナーが悪いのかドロボーばかりなのかよく分かりませんが店主の怒りをあちこちで見る事ができる。ファミマカフェのカップのポイ捨てゴミをガムテープで繋ぎ合わせて「同一人のしわざです 投げすて!」と張り紙が添えられている。

那覇市 樋川

「チリの投げすて 犯罪ですよ」の警告文も。沖縄ではゴミの事を「チリ」と呼ぶのがデフォになっている。農連市場はただの市場ではなく沖縄の地域性が丸出しの空間なのである。

那覇市 樋川

農連市場周辺の再開発計画では市場が建っている場所に限らず、周囲の区画もごっそり解体されて無くなる事になっている…ってことは、市場の向かいにあるこの面白怪しい自販機も無くなるのだろうか。

那覇市 樋川

「甘い物色々出ます」のミステリー自販機、1つ50円で販売中。恐る恐る買ってみたんですが、こんなものが出ました。アメリカ製「Super Chill」のレモンライムソーダ。案の定、業務スーパーとかで安く売ってそうな代物だな…

那覇市 樋川

着実に「沖縄の昭和」も消えかかろうとしているのをこの二年間の違いで感じさせられた訳ですが、農連市場を見たいならなるべく今年中に沖縄へどうぞ。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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