この建物も2階建てのよくある飲食街だけど連なる店舗の看板の数々と波トタン板のサビ具合がキテます。2階建てなのに看板建築っぽく建物自体を大きく見せようとしている所がこれまた健気である。
角の「サッポロラーメン・エゾあかしや」が建物により一層のくたびれ感…いや、アクセントを与えている。
右から左へ舐め回すように見てますけど全体的に昭和レベル高いです。一部廃墟化している感じはするが、今にも脇の「道頓堀」と書いてる階段からヤクザな兄貴が降りてきて因縁付けてきそうな貫禄がある。
そんなヤクザがガニマタ歩きでガンガン降りてきそうな階段がこちらになります。それにしてもなんで「道頓堀」なのか。別にそんなドブ川流れてませんけどねこのへん。
恐る恐るヤクザな階段を登り二階通路へ。経年劣化が酷く天井板がぶよぶよにひん曲がって一部崩落を始めているというオンボロっぷり。雪国の建物管理って大変ね。ここにあるスナックの経営者もきちんとショバ代払えてるんでしょうか。
またしても昭和丸出しなセンスの店舗看板群がそそられる。スナック博多。青森から博多は遠いよな…道頓堀なのに博多と来られて余計頭がこんがらがってきたのでとっとと階段を降りる事にした。
道頓堀もあれば有楽街もあるというよりどりみどり状態。同じ青森県の基地の街である、むつ市田名部も人口規模の割にドハデだったけど、三沢もなかなか凄いですよね。
三沢の盛り場で一番雰囲気が素敵だったのがここか。その名も「狸小路」。札幌狸小路を知っていると♪ポンポコ・サッポロと口ずさみたくなるものだが、所謂立ちんぼの事を「狸」と揶揄していたのが札幌狸小路の由来でもある。三沢の狸小路はいかなるものか…怪しさ度数的には期待できる。
うへえ…期待通り、狸に化かされそうな怪しい雰囲気が…濃密な路地裏飲食街であります。まだ時間が早くて開いてる店がないのがアレですが、昭和の貧しさを思わせる狭小店舗兼住宅がてんでんばらばらに密集するのがここの特徴。
そのままずんずん路地を突っ切っていく。路地の奥に「空港」がありました。この空港から一体どこに飛んでいくのかちょっと分かりかねる。
廃墟と化した「食堂きがるや」。果たして店が廃業して何年目になるのだろうか。建物全体がホラーめいてきており全然気軽じゃない。
「二十才未満立入禁止」のプレートがまた香ばしい。これまで見てきた飲食街とは違い、どうも二階に生活している感じがするお宅もある。青森駅近くの第三新興街にタイマン張れそうなテンションだな…
狸小路の突き当たり付近にある共同便所は小便器が非常にオープンな状態で晒されていた。冬場には雪見酒ならぬ雪見スタンディングオショーベンが楽しめる。乙であります。
そして狸小路の奥は他の飲食街とも複雑に繋がっていて一つの路地裏横丁迷宮が形成されている。もう、ときめかずにはいられない。
狸小路から中央街への抜け道。「ぬけられます」の看板はない。
抜けきった所でこの看板。「飲食店連鎖街」ときましたよ。連鎖街という言葉の響きがまた独特で、八戸や仙台あたりにもこういう名前の路地裏横丁ありましたよね。
ここから振り返ってもまた素晴らしい。やっぱり基地の街って期待通りに凄かった。来てよかった三沢の街…次は必ず泊まりで来ます。