金毘羅参りの玄関口だった丸亀の二大駅前遊郭!「福島町遊郭・西平山町遊郭」を訪ねる 

香川県

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香川県丸亀市は江戸時代に金毘羅参りの中継地点として大いに栄えた街で、高松を差し置いて四国一の港町だった。その丸亀港の目前に広がる福島町は精進落としの遊郭があった。現在も艶めかしいカフエー建築や妓楼の数々を見る事が出来る。

駅前から少し北側に歩くと丸亀港がある。どんよりとした曇り空で時折小雨が降るような天気だったが、もともと遊郭があったなんて土地柄を考えると、この方が逆に風情があって良いかも知れない。昔はここから金毘羅参りに行き来する参拝者が大勢居たのだ。

港に仰々しくそびえる太助灯籠は丸亀港のシンボルマーク。江戸時代の天保年間に作られた青銅製の灯籠は古くからの金毘羅参りの信仰心の厚さを感じさせる。ここを寄港の目印として、またここから金毘羅参り・丸亀街道の起点として琴平までの間を旅していた。

それで、現在でも港の真ん前から古い旅館がいくつも軒を連ねている。西平山町にも多くの旅館やホテルが軒を連ね往時の街の名残りを留めているのだ。

港のすぐ前にある三吉旅館。重厚な屋根瓦や1階部分の細格子などが特徴的。

西平山町の一角、旧問屋町には海鼠壁の立派な土蔵も残っている。金毘羅参りに留まらず貿易港としての名残りも見られる訳だ。

港に面した路地には明らかに元妓楼の特徴を残した木造建築が残っている。旅館として営業していたと思われるが、現在は使ってなさそうな感じがする。これだけ情緒豊かな建物なのに、なんだか勿体無い。

そんな元旅館の二階部分。遠目には大丈夫そうに見えても、やはり近づいて観察するとあちこち朽ちているのが分かる。静かに死を迎えるかのごとく…

勝手口だった所もベニヤ板でベッタリ塞がれているので中に立ち入る事も出来ない。

西平山町の旅館街、骨付鳥どころかどうにも閑古鳥っぽい雰囲気だがまだまだ現役で営業している旅館も少なからず存在する。

丸亀港から出ていたフェリーも以前は本州方面(水島港)とを行き来していた船便があったものの、本四連絡橋に食われて廃止されてしまい、現在は離島に向かうフェリーがメインらしい。そりゃ寂れる罠。

しこたま錆びついた旅館の看板に歴史を感じる。四国一の港とも言われていたらしい丸亀港の街並みも現在は寂れた地方都市の一風景に留まっている。

西平山町界隈、ちらほら旅館がある以外はここもごく普通の住宅地と化しているが、やはり時折元遊郭を思わせるタイル貼りが目に入る。駅前の一寸島神社周辺の壮絶な廃墟状態と比べるとインパクトは薄れるが、街の成り行きは同系統だろう。

あと、少し離れて駅に近い側の路地に入るとやたらレトロモダンな店構えの看板建築、堀家時計店の建物が目に入る。昭和初期に建てられたもので国登録有形文化財。元々は町医者が入居していたらしい。



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