スケールでか過ぎ、モアイ多過ぎ、フリーダム過ぎる北海道クオリティ「真駒内滝野霊園」

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そのスケールの大きさはもとより、霊園の入口から巨大なモアイ像群が立ち並ぶ異様な光景は酷く現実離れした空間である。それは死後の世界へ旅立った故人との対面の場としてこの世とあの世を結ぶ為の粋な演出にも思える。それにしても豪華過ぎて開いた口が塞がらないんですが…

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どうやらモアイ像だけがここの見所ではないらしい。肝心の墓地はもっと離れた場所にあるはずだが、すぐ近くに広い駐車場が用意されているのでそこまでやって来ると、目の前に変なものが見えている。

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それはどこかで見た事のある巨大な石のサークルである。そうだ、イギリスはソールズベリーにあるはずのストーンヘンジがそっくりそのまま、なんと札幌の町外れにポツンと建っているのだ。あまりに奇妙過ぎる。

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真駒内滝野霊園のストーンヘンジは本場イギリスのものより一回り小さい。それでも充分過ぎるくらい巨大なんですけど。モアイ像群と同じで石の質感から見ても設置されてからそれほど年月は経っていないようだ。

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巨大な一枚岩には石材業者の名前が掘られていた。第十七代高橋彦左エ門。札幌の業者なんだろうが、ネット上で調べても何も出て来なかった。1995年8月の日付が刻まれている。

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そして、巨大な岩のサークルの中央部分にやってくると、そこには石の祭壇がありました。ここで生贄か何かでも捧ぐんでしょうか。本場イギリスのそれとはちょっと趣きが異なる模様。

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そして祭壇の向こうには…なぜか観音様の坐像と両脇に二体の僧侶の立像が祀られていたのである。なぜストーンヘンジに仏像なのか、コンセプトが一貫しておらず意味不明。

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モアイ像に加えてまるまるストーンヘンジ一つ作っちゃうだけでも充分クレイジー過ぎるのだがその向こうにはこれまたご立派な「御霊供養大仏」が鎮座する一角もある。地面も綺麗な石材が敷き詰められていて、ここでもまた滝野霊園の本気を見せつけられる。

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御霊供養大仏は高さ13.5メートル、重量1500トン、57個の石塊が積まれて築かれた坐像である。これも石材の様子から見た目にも新しい。2006年に建造されたばかりのものだ。

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大仏だけでなくその両側に置かれた巨大な物体も異様である。アホみたいに巨大な釣鐘がぶら下がっている。

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さらに向かいには巨大過ぎる太鼓までもが。我々は面白いヤバイとニヤニヤしながら見ている訳であるが、人によっちゃ悪趣味過ぎると解釈される物件であろう。

廃墟一歩手前なバブルの残骸である「ユートピア加賀の郷(現:豊星寺)」や「北の京芦別」の悪趣味さと被る訳だが、こちらは数万柱もの霊が安置されていて毎日参拝者の姿が絶える事のない「生きた」霊園だ。それに従来のゴージャス系珍物件の多くは「バブルの勢い」と説明出来るが、この霊園の場合は当てはまらない。現在進行形でパワーアップしているからだ。

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大仏の背後に黒い柱が一列に並んでいる。いわゆるお題目が刻まれていた。南無妙法蓮華経でも南無阿弥陀仏でも何でも良いようだが仏教以外の要素は皆無である。

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その柱の足元には中国から持ってこられたという「首無し仏像」が2体。傍らにある説明書きによると中国の文化大革命で破壊された仏像らしい。まあ、物騒なお話ですわね。

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そんな真駒内滝野霊園、まだまだ敷地を拡張するらしく大仏の傍らではガッツンガッツンと建設機械なんぞが音を立てて山林を切り崩して土地を作っている真っ最中だった。一体どれだけポテンシャルがあるんだよこの霊園は。内地では考えられない発展ぶりを見せている。

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