絶滅危惧種ヤンバルクイナに会いに沖縄本島最北端「国頭村」に行ってきたらこうなった

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沖縄本島北部の山原エリアに足を踏み入れたならば、そこは手付かずの広大な原生林に唯一のルートである国道58号か県道70号をひたすら走る事になる訳だが、本当に何もない山の中を延々と走っているうちに何度も目にするものがある。

沖縄県 国頭村

それは「ヤンバルクイナ飛び出し注意」の注意看板の数々だ。絶滅危惧種に指定されているヤンバルクイナは個体数が1000を下回っているらしく、野生化した捨て猫やカラスといった他の生物や走る凶器である自動車などに追われて、年々減少している。

沖縄県 国頭村

という事で国頭村や東村といった山原エリアの自治体では村を挙げてヤンバルクイナの保護に全力を注いでいて、道端のあちこちにこのような看板を設置して通行人に注意を喚起している。

沖縄県 国頭村

怪我をしていたり死んでいるヤンバルクイナを発見した場合の連絡先が書かれた看板の数々。その名も「ヤンバルクイナ110番」。物凄い気合の入れようだ。そりゃ辺戸岬の近くに巨大なヤンバルクイナ展望台まで作るし、思い入れの熱さは半端なもんじゃない。

沖縄県 国頭村

しまいには東村の道の駅にはヤンバルクイナ交通事故件数が掲示されている始末。今年と昨年の事故数と死亡数が分かる。もはや人間並みのVIP対応である。よっぽど暇なんだな…と野暮な事は言わない。これを見ると結構車で轢き殺されている事が分かる。個体数1000未満という事情を考えると、否応なく絶滅の危機を身近に感じざるを得ない。

沖縄県 国頭村

そんなヤンバルクイナは「うちなーぬ宝」。絶滅させないようにと地元民の愛情が注ぎ込まれた施設が辺戸岬の展望台以外にもう一箇所あるらしいので見に行く事にした。

沖縄県 国頭村

奥集落から県道70号沿いに30分程車を走らせた安田(あだ)地区にあるヤンバルクイナ観察小屋である。どうやらここでは保護シェルター内に生息しているヤンバルクイナをその場で観察出来るという施設らしい。ここで現物が見れたらいいなと思ってやってきたのだが…

沖縄県 国頭村

…見れたのはヤンバルクイナ…の剥製だった。切ないね。やるせないね。

運が良ければヤンバルクイナの生体が観察小屋内に設置された3台のカメラ越しに見られる、という事のようで、肉眼で現物が見られるという訳ではない。うーん。

沖縄県 国頭村

ついでにヤンバルクイナの骨格標本バージョンまで。羽が退化した鳥だから飛べずにスタコラ走る訳で、それでも運悪く自動車に轢き殺されたり、カラスや野良猫に襲われて死ぬのだ。飛べない鳥は弱いって事か。

沖縄県 国頭村

ちなみにこの観察小屋、管理人さんもよっぽど暇そうに座っていたのだが、小屋に隣接して何故かゴルフ場が併設されている。よく分からないセンスだ。

沖縄県 国頭村

村民は1プレイ200円、そうでない場合は300円らしいです。案の定誰も遊んでなかった訳だが、実に寂寥感漂う観察小屋だった。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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