青森県つがる市の遮光器土偶型駅舎「木造駅」のしゃこちゃんに会いに行きました

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ふるさと創生資金で作られた巨大土偶のJR五能線木造駅の駅舎を見に来た訳だが、巨大土偶駅があまりにインパクトがでかすぎて、他のものに目が行かないと少し勿体無いと思える光景に出くわした。それは木造駅前から続く道路の両側に並ぶ家々のあまりのレトロ具合である。

木造町(現・つがる市)は亀ヶ岡遺跡や遮光器土偶など縄文時代ネタで町おこししてはいるが、正直縄文時代という想像の斜め上を行く古代よりも、つい半世紀前くらいに建てられた店舗や民家の建物にむしろ親近感を覚えるのである。

建物自体が大きく傾いたスナックの廃墟もあれば、明治時代や大正時代に建てられたと思われる立派な商店の建物もある。

これらの家々は青森に住んでいる人間からは見慣れたもので別に珍しくもなんともないだろうが、街の移り変わりが激しい東京で生活する人間からすると「へぇーたまげだ!」となる訳だ。

木造駅から少し離れた場所にある、タバコ屋を兼ねた地元の古い商店の建物。2階建てのように見えるが屋根の部分がことごとく巨大だ。厳しい冬の降雪に耐える為にこれだけ巨大な屋根を作り上げたのだろうか。

地元では何て言う事もない普通の個人商店といった所だろうが、玄関口の引き戸、庇屋根、ビールメーカーのものや煙草小売所と書かれたホーロー看板、それに2階部分の装飾と、おそらく戦前から今まで何も変わらずに暮らしを営んできた空間が何気なく残っているということに驚きを得るのだ。

建物の軒下から出張った形のタバコ売場。全てがリアル戦前世代の建物なのにタバコの広告ポスターだけが真新しくてアンバランス。

巨大土偶駅の真ん前にある歯科医院跡の洋風建築もなかなか立派なものである。既に営業はしていないようだが、往時の姿は綺麗に留めている。

歯科医院2階部分の窓と装飾。

建物の横面はそのまま巨大土偶と向きあっていた。かなり奥行きがありでかい建物だと言う事が分かる。歯科医院というよりはちょっとした総合病院並みに大きい。

建物全景を見渡すと1階部分に勝手口のようなものが付いている。

ちなみにこの隣は「神武食堂」という老舗の大衆食堂があって、人っ気のない木造町の中でもここだけは昼飯を食べに来る客で賑わっていた。

再び歯科医院の2階部分を見るとやたら雨どいが並んでいるのが目に付く。それもパイプが複雑に曲がっていて、見るからに面白い。大量の残雪に備えた雪国仕様だろうか。

建物裏側は空き地と倉庫と思われる廃屋同然の小屋がちらほら見かけられる。巨大土偶駅の立派さとはまるで正反対の光景だ。

土偶駅以外はとりわけ観光地と言う訳でもない木造駅前のレトロ建築群。本州最果ての津軽地方に残る日本の原風景が見られる貴重な街並みがそこにはあった。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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