これぞバブルの遺産!北海道に君臨していた巨大レジャーランド「旧北の京・芦別」と北海道大観音 

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バブルの殿堂を見下ろす「北海道大観音」胎内巡り

最後はバブル期の無駄にゴージャスな空間を今に残す「北海道大観音」の中を胎内巡りしていきましょう。高さ88メートルの大観音像の内部はこのような構成になっております。まずエレベーターで20階に上がると「祈りの広場」と展望台、そこから階段を順に下っていくと色んな観音様がおられるという非常に有難い参拝路となっている訳だ。

そして20階で黄金の観音像にご対面。あまりに金ピカ過ぎて眩しいぞ。傍らの案内板には大観音の建立計画から内訳まで細かい説明がなされている。1989年11月の開眼法要はインドのマハボディ寺院から僧侶を招いて盛大に行われたとある。

観音像の足元を見るとこれまた大量のプチ黄金観音像がずらりと並んでいる。ここに来るまでは廃墟同然と勝手に思っていたが今もなお信仰の地として多くの参拝客が訪れる場所なのである。

さらに壁や天井に至るまで様々な模様の天井画やレリーフが施されていてその豪華さたるや抜け目がない。この北海道大観音の総工費は約36億円との事。

観音様に手を合わせてきたら今度は展望台に出てみよう。ホテル五重の塔の10階よりもさらに開放的な眺望、空知川を挟んだ向こうに広がる芦別の街並みと手前の旧「北の京・芦別」の敷地、足元のタージマハル庭園までもをひと目で見渡す事が出来る。素晴らしすぎます。

そして目の前には巨大な大観音の左手が。いやースケールデカいわこりゃ。牛久大仏や加賀の郷の観音像あたりと違って完全に屋外に出られるというのも良い。

展望台の入口近くには謎の遮光カーテンで区切られた真っ暗闇の道。邪念を捨てて願い事を唱えながらここを通るとご利益があるらしい。しかしどうも何だか場末の秘宝館のアトラクションとそんなに変わらんノリがして…中に入るとよく分からないカーペットに囲まれた変な通路が奥へ続いていた。

あとはどんどん螺旋階段を下って胎内巡りを続けていきましょう。階段の壁には夥しい数の奉納者名が刻まれたプレートが張り付けられている。この辺の風景は旧「ユートピア加賀の郷」の観音像と激しくデジャヴである。

続けて18階、二番札所の「白衣観音像」。観音像だけではなく周囲の派手派手しい装飾にも注目して欲しい。どれだけ手間暇掛けて作られたかを想像するとウキウキワクワクである。

さらに16階、三番札所の「龍頭観音像」。龍に姿を変える観音様らしい。周囲のイカツイ格好をした四体の像は仏教の四天王ですね。

14階、四番札所「如意輪観音像」。こんな感じで2フロアーごとに観音様に出会う事ができるのだ。しかしこれだけのものを入場料500円だけで維持する事など無理なのではなかろうか。

12階の「延命南海観音」、10階の「慈母観音」と続くと次が8階の「身代聖観音」となる。いやはや有り難すぎてぐうの音も出ません。

8階まで降りてみたらいっぺん観音様の前で真上を向いてみよう。全部吹き抜けになっているのだ。これまた壮観過ぎて神々し過ぎ。あまりの豪華さに身を乗り出したくもなるが落下してあの世行きにならぬよう気をつけたい。

6階まで降りると吹き抜けの空間は無くなり今度は第八札所「癌封じ観音」のある部屋に出る事になる。「北の京芦別役員一同」と書かれた巨大な線香鉢が何よりも目を引く。案内板には奈良の新薬師寺貫主の名前もある。

ここも干支ごとに鎮座する12体分の観音像が。自分の生まれ年の干支の前でお参りするらしい。

この6階にももう一つ外に出られる展望台があるのだが「虫の異常発生の為」という理由で封鎖されたままになっていた。なんか北海道らしい理由だよね。そのうちヒグマの異常発生とか起こりそうな気配すらある。試される大地で観音像を維持するのも楽な仕事ではない。

あとは階段を降りて4階の仏教資料室まで見たら拝観終了という事になる。いやあ、最後の最後まで飽きさせない素晴らしい場所だった。

2011年に一旦は閉鎖されてしまい大観音像も一時期どうなるかと心配だったが「ライフステージホテル天都」として再復活できたのは奇跡的な出来事である。地元では「北海道裏観光ガイド」著者らが中心となって北の京芦別再生のイベント企画なども行なっているそうで、本物の廃墟にならずに昭和の生臭さを残す文化遺産的施設を是非とも生き長らえて頂きたく思う次第。

<※注意>このページで紹介されている「北の京・芦別」レポートは2011年7月の訪問時のものです。2012年8月に所有会社が代わり「ライフステージホテル天都」という名称で再オープンしましたが、2013年8月には撤退。現在は宗教法人「天徳育成会」の所有になっており、一般公開はされていません。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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