石炭積出港だった北九州「若松」の寂れた街並み、連歌町遊郭跡と赤線跡を求めて

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若松本町銀座商店街「エスト本町」とバラック廃墟横丁

若戸渡船乗り場から徒歩5分くらい歩いた所に、若松駅方面に伸びるアーケード街「エスト本町」がある。正式名称「若松本町銀座商店街」というくらいでそのものズバリ若松における中心的な商店街だが案の定空き店舗ばかりで老人しか居ません。

寂れきったとは言えせっかくの商店街でのお買物にと地元ではオリジナルのクレジットカード「わかまつカード」を発行して商売に励んでいらっしゃるようです。セブンシールが貯まるお得なカードらしいです。ようわかりませんが。

クレカが使える店どころか商店街で昼飯を食おうと思っていたのに一向に開いている食堂が見当たらずエスト本町をうろうろ歩いていたらアーケードを外れた先にこんな路地が…商店街もあまりネタが無さそうだし、このまま寄り道してしまえ。

直感的に「これは何かがある」と思って誘われるように路地に入るとドンピシャだった。何だこのオンボロ長屋は。市場の成れの果てか、それとも…

住居兼店舗として作られたと思しき粗末な板張りの二階建て長屋。張り付けられている板張りには薄い青色の塗料、果たして戦後のドサクサの名残りなのか今ひとつ正体が掴めない。

しかし現在でも生活の匂いが充分感じ取れる空間。やたら植木鉢とかが道の両側に置かれていてただでさえ狭い路地をさらに狭く怪しい雰囲気に変えている。

玄関前をプランターに占領された一画。ガラスの嵌めこまれた開き戸には薄い黄色の塗料が塗られていた。

またある玄関先は酒屋の倉庫のように使われていた。玄関横に出窓がある所を見ても何かの店舗だったのかも知れない。かつては居酒屋横丁だったのかもね。

エスト本町のアーケード街から入って振り返るとこんな感じ。この一画だけが昭和三十年代。横丁の名前があったとしたら知りたいのだが、ご存知の方いますか?

オンボロ長屋の路地は途中で不自然に左に折れていた。角にある店はベニヤ板で塞がれて廃屋と化している。相当建物の劣化が進んでいるようで見るからに危険そうだ。

今にも上から何か落ちてきそうで怖い…と思ったら「頭上きけん通行止」とベニヤ板に書かれているのが見えた。ベニヤ板で塞がれていたのはかつてあった飲食街か市場の玄関口だ。長年放置されたせいで建物が駄目になったのだろう。

危なっかしげなオンボロ長屋の路地裏を出てきた。周囲は普通の民家で、うっかり素通りしそうな目立たない入口となっている。街の人々にも忘れ去られてしまったかのような一画。

そして路地の入口を見ると足元には現役で使われていそうな古い井戸のポンプ。原始的な暮らしぶりが伺えます。

真向かいには二軒並んで古風な安呑み酒場が並んでいた。「ちどり横丁」に「紀の國屋」…この立地から考えるとやっぱりさっきの路地裏オンボロ長屋は呑んだくれ横丁の成れの果てだったのだろうか…

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石炭積出港だった北九州「若松」の寂れた街並み

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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