「ふれあい地蔵通り」という呑気な別名があるとは露知らず、その名の通りの地蔵尊を前に横丁の路地はさらに続く。元青線の名残りのようなものは、やはりどこにも見当たらない。
Y字に走る横丁を全て見て回ったが、スナック居酒屋の密集度はこの辺りが一番高い。やっぱり普通の健全な飲食街にしか見えない訳だが、それでも夜中遅くなるとソッチ系の店が開きだし、呼びこみのオバハンが出没するらしい。
新天地内の建物は全て2階建ての長屋になっている。ちょんの間だったら2階に上がってお仕事に励む訳だがどの店が該当するのか昼間訪れてみても全く区別が付かない。
そして何故か居酒屋横丁だとばかり思っていた場所に一軒だけポツンと「御宿加賀屋敷」と看板が掲げられた玄関口がある。整体院やらお見合い業者なども入居しているようだが、どうやらビジネスホテルらしい。
もし「現役」だったら客引きのババアがいるかも知れないというので、念のために夜に出直してみた。しかしもんのすごい大雪である。相変わらず居酒屋横丁っぷりは変わらない訳だが。
聞いていた話ではこの新天地周辺に夜遅くになると4~5人くらいの客引きのババアが徘徊しているという。石坂と並ぶ金沢における裏名所でもあるとの話。
しかし今回もこの天気に祟られてしまった形だ。立ちんぼババアなんてどこにも居やしない。雪かきに追われる居酒屋の主人が忙しそうにしていただけだった。
お地蔵さんの祠もどっしり雪を被ってしまいさぞかし重そうだ。日本海側の金沢で冬の雪は当たり前だが、さすがに金沢市街地で60センチ以上積もったこの夜は10年ぶりの事で、かなり珍しいそうだ。
それはそうと新天地商店街の裏側に怪しげな巨大木造建築が隠れるように残っているのを発見した。裏の駐車場越しに建物を眺めると見た目は2階建てなのだが、大屋根のてっぺんは4階くらいの高さがある。
この建物が一体何なのか気になって調べたがさっぱり意味が分からない。事情に詳しい方からのタレコミお待ちしております。歌舞練場か、妓楼か、それとも旅館か何かか…
最近じゃ金沢でもババアの立ちんぼより中国人の立ちんぼの方が多いらしく中国語で「客引き禁止」を意味する警告看板が貼りつけられているのを目にした。どこにでも増殖しまくるよなぁ。ある意味感心する。