鹿児島新港前、本土最南端のコリアンバラック集落「鹿児島市城南町」を歩く 

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城南通りを挟んで北側には朝鮮会館があるが、南側の方が規模がでかく廃墟化が進んでいる。廃屋だらけの狭苦しい路地を抜けるとやや広いめの舗装路に面した通りが現れた。狭小住宅ばかりでやはり密集率が高く、住民が残っている家も多いようだ。

そこからさらに枝分かれして別の路地がクランクを描いている。このバラック集落は軽く迷路のような様相を呈している。我々も果たしてここから生きて出られるのか不安になってきたぞ。

クランクの角を左に折れるとその先には空き地となった開けた空間が現れるが相変わらず狭苦しい住宅街の路地だ。

傍らの建物を見上げると二階へ伸びるこれまた狭い階段が見えている。この先もアパートか何か知らんが人家のようで、郵便ポストまで置かれていた。この階段の狭さを見ても分かるがとてもデブには住めそうにもないですね。

雑草伸び放題の空き地に立て掛けられた木柵の上には運動靴が干されていた。廃墟だらけにも拘わらずこのへん生活臭が濃ゆいです。

目の前には玄関周りがガラクタだらけの民家が一軒。ゴミ屋敷の一歩手前、隣近所に文句付けられそうなレベルだが場所柄だけに無問題なんでしょうな。

そこから隣のあばら屋に目をやると軒先にはなんだか白々しいマニフェストとやらが書かれた民主党ポスター。おなじみ公明共産じゃなかったのね。意外。この地区では年金改革より住環境の改善が優先課題だと思われます。

これだけ荒れ放題になっていても建物の取壊しが進まないのは土地関係が複雑だからであろうか。体感的には建っている家屋の7割程度が廃屋と化している感じがする。

最も南側の路地は清滝川に面しており道路に沿って一列に狭小住宅や物干し台が並んでいる。清滝川という言葉の響きは綺麗だが下流域はバラックや元遊郭のピンクゾーンがあってなかなか香ばしくなっておりますな。

よく見るとこのへんの家々も微妙に建物が傾いたお宅が見受けられるのである。写真右側にひと塊になっている家屋群は全て廃屋。

これらの家の主もいずこへ消えていったのだろうか…それはいいけど右の家の洗濯機がとんでもない向きで置かれている。このポジションだと窓から洗濯物を出し入れしていたのか?

バラック集落の中でも特に歯抜け率の高い一画。さっきからヤシ科の植物が多いのは南国仕様だからか。

二軒のバラック家屋が渡り廊下で結ばれているアクロバティックなお宅。こちらも板張りトタン張りで見た目にも昭和感濃ゆい物件である。

その隣には継ぎ接ぎトタン壁がこれ以上ない程に寂れ劣化しまくっている家屋。既に廃墟と化していて一部崩れ気味。

トタン小屋の脇の路地を入るとさらに壮絶な光景が飛び込んでくる。廃屋の建物側面がごっそり崩落してしまっているのだ。

それにも拘わらず路地は封鎖されておらず生活道路の通り道がきちんと確保されている。ここらの住民はこの廃屋を日常的に目にしながらどう生活しているのだろう。

もはや言葉も出ず、うわぁぁぁ…としか言い様が無い。いつ家屋が崩れて下敷きになるやも知れぬ。通行人にとってこの場所はロシアンルーレットだ。

とは言っても建物の大部分はかなり崩れてしまってるんですけどね。しかしそれを後片付けもせず放置というのが痛い。解体費用が出せないのか…

しかし物凄く廃クオリティな街並みである。全国のバラック建築マニアの皆さん、九州新幹線使ってでも鹿児島市城南町は見に来るべきですよ。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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