憂鬱な廃鉱山町・栗原市「細倉鉱山」でホソキュリアンに生まれ変わってきた

<1ページ目を読む

宮城県 栗原市

…という訳で細倉鉱山に来ればお約束らしい「細倉マインパーク」に足を運ぶ。夕張で言うところの「石炭の歴史村」に類する観光施設で、バブル末期の1990年に開業したという事もあり、その時代錯誤の感覚のズレっぷりは夕張のそれを見た後だと激しくデジャヴなのである。栗原市観光坑道という副題がある通りで、栗原市が出資し株主になっている「株式会社細倉マインパーク」が施設運営している。

宮城県 栗原市

やたらと巨大な駐車場にやってくると一部封鎖された箇所が目に付く。「ドームゾーン入口」と書かれているのがうっすら見えるが、通路入口がカラーコーンで通せんぼされ行く手を阻んでいる。この先には土日祝のみ営業と情報にあった「栗原市郷土資料展示室」とゴーカート場、それに屋内型ジェットコースターを備えた双子のドームがあるというが、ドームゾーンは休業している模様です。

宮城県 栗原市

このガラーンとした巨大駐車場に止まっている車は数える程しかなくのっけから寂寥感極まりない。最初に断りを入れておくが訪問したのは4月の日曜日の昼間である。平日だとどのような状況なのか、想像に難くない。

宮城県 栗原市

破綻自治体バリバリ夕張も顔負けの時代錯誤的「おやつハウス」の屋台もDr.スランプのペンギン村を髣髴とさせる四半世紀前に流行したファンシー感溢れるうんこ型ソフトクリームが載ったデザインが目につきワクワクドキドキが止まらない。もちろん3軒並んだ屋台のうちただの1軒も営業してません!

宮城県 栗原市

駐車場正面に立つのは細倉マインパークのマスコットキャラクター「マイン坊や」。どこかアメリカの幼児向けアニメで見たことがあるような無いような微妙なキャラである。特に対外的に印象も湧かない宮城の北端・栗原市を代表する「ゆるキャラ」として着ぐるみも活躍中。ここの人形とかイラストはぶっさいくな肥満児にしか思えないが着ぐるみのマイン坊やは妙に可愛げがある。

宮城県 栗原市

細倉マインパークにはメインの観光坑道だけに留まらず長大滑り台(スライダーパーク)やペアリフトといったサブ的アトラクションも豊富にあるようだが、こんな雨降りの日じゃ遊べませんよね。この看板に映ってるモデルがまさに1990年代の髪型と服のセンスで、四半世紀前の時代の流れを感じずにはいられない…

宮城県 栗原市

脱力オリジナル土産や昭和の細倉鉱山の写真などが見られるレストハウス内にあるレストランは「当分の間休業します」との事で、パーク内でのお食事スポットが絶滅しておりました。食事がまだの人は集落にあるお食事処だるま屋などでラーメンでも食べてから来ましょうね。

宮城県 栗原市

こんな宮城の外れの山の中にある寂れた鉱山町にある場末感半端ない終末テーマパークであるにも関わらず来訪する芸能人は多数。何故かアグネス・チャンさんもお越しになられてます。

宮城県 栗原市

震災復興支援特別価格ということでいつもなら920円もする入場料が半額の460円で済むので少し得した気分になりながら観光坑道にいざ入坑。「感天通洞坑」という正式名称があり、細倉鉱山稼働時は数あるうちのメインの坑道であったそうだ。「全長777メートル、観覧時間約40分、途中にトイレなし」という注意書きを事前に確認せずにうっかり入ってしまい後で困る事とならないように。

宮城県 栗原市

色々ツッコミどころの多い観光坑道の中は先人達が色々と弄り回して突っ込みまくって手垢まみれになっているので所々端折りながら解説する。夕張や足尾銅山のように、坑内の事務所の再現ジオラマあたりはかなり精巧に出来ていて実際の稼働時の炭坑夫達の出勤風景が見られたり、すごく真面目に作っている印象がある。そう感心するのも初めのうちだけだが。

宮城県 栗原市

他の鉱山ど同じくこの細倉鉱山もまた朝鮮人徴用や戦時中の捕虜の強制労働といった暗い歴史を孕んでいる。淡々と坑夫達の作業風景を時代と共に再現したジオラマはお約束だが、ソッチ方面のダークな展示物が無い辺りが少し残念か。

宮城県 栗原市

さらに観光坑道は奥に伸びてゆくが、ここから階段を降りた先の展示物が妙なものばかりになっていく。真面目に見物しにきた系のお客さんは恐らくここまでしかついていけない。

宮城県 栗原市

またしても廃鉱山案内役の肥満児「マイン坊や」が登場、それはいいとして、すぐ真横の看板には…

宮城県 栗原市

「宇宙の世界へようこそ
ふりむいて友達の顔を見て!!
あなたはだぁ~れ・・・宇宙人。」

!?!?!?!?

宮城県 栗原市

そして謎の生命体「ホソキュリアン」に関する説明書きなどが現れて、真面目に観光坑道を見に来ただけの観光客をおちょくる気マンマンの妙なテンションに突入する。これらのふざけた展示物、リニューアル後はどうなるんでしょうね…

宮城県 栗原市

全国の珍スポット愛好家ご一同様が泣いて縋る「ホソキュリアン遺伝子受胎空間」までやってくれば、もうあなたは強制的に「ホソキュリアンになっていただきます」なのだから、もうたまったものではない。運営サイドに宗教家でも混じってたんですかね…

宮城県 栗原市

やたらと重低音を響かせた「ホソキュリアン遺伝子受胎空間」に辿り着くやいなや、中央に鎮座する受胎空間から心臓音がバクバクバクバク…真・女神転生の悪魔合体のようなノリですねこのへん。

ギュイーンギュイーンギュイーン。ビビビビビ、ガガガガガ、ズドーン!!!!みたいな感じの効果音が五臓六腑に響き渡ります。これで受胎完了のようです。コンゴトモヨロシク…

宮城県 栗原市

え、これでネットの向こう側にいるあなた方も「ホソキュリアン」になっていただきましたでしょうか。つーか、鉱山の歴史とは何の関係もないんですが、これ見て喜んでるの珍スポ愛好家だけですよ…

宮城県 栗原市

他にも観光坑道内には有料の砂金採り体験なんかもあり、残念にも雨降りで外のスライダーパークなんぞで子供を遊ばせられない子供連れファミリーが数組粘っておられました。

宮城県 栗原市

その後、「大自然を形作っている太陽・大気・水・大地」をテーマにした四つの泉とやらを抜けて地球誕生の神秘を体験していく事になるらしい。生まれたてのホソキュリアンになって、宇宙の摂理に目覚めて頂ける事請け合いのようです。ここから宗教家の道に目覚めたお客様もおられるかも知れませんね。

宮城県 栗原市

「四つの泉」の壁に描かれた神々のレリーフ。相変わらず細倉鉱山の歴史とは何の関係もない宗教臭全開のノリである。

宮城県 栗原市

ただ単に観光坑道を見物しに来ただけなのに最後は宇宙の法則と平和で幸福な理想社会について問題提起させられてしまうトンデモな論理の飛躍ぶりに呆気にとられるのが細倉マインパーク最大の見所になっているようです。この土地で宗教家ホソキュリアンとして覚醒して、それこそ帰り道にあちこちのバラック小屋にキリスト看板でも貼り付けて帰りたくなりますよね…って、ならねーよ。

観光坑道のラストはまるでエデンの園を再現したかのような神々しい世界…というか大量の造花で覆われた謎演出。エンドレスで流れているBGMのチョイスも激しく新興宗教の洗脳ソングとしては上出来である。リニューアル後の細倉マインパークは果たしてどうなることやら、ますます電波具合が加速するのか、それとも…


The following two tabs change content below.
新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
トップへ戻る
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.