ハニベ巌窟院の地下世界のさらに奥へと足を踏み入れる。元石切場の洞窟の中は戦後間近から彫像製作のために篭り続けていた初代院主都賀田勇馬氏の独壇場となっている。ハニベ巌窟院と言えば水子供養、水子地蔵堂のお地蔵様だが、洞窟の中には少年の姿をした少年地蔵尊がいた。傍らに貼りつけられている説明書きを読んだが意味がよく分からなかった。
今までの彫像は何となく無難なゾーンでしかなかった訳だがここから奥に入るといよいよ都賀田親子の個人プレイが炸裂するコアなゾーンに変わる。
次に現れたのは「インド古代彫刻館」。なぜ洞窟内なのに「彫刻館」なのかというツッコミはなしで。見ての通りインドの遺跡なんかにある有名なレリーフや彫像の数々が展示されている。
インドの女神、ヤクシニー像である。女神転生あたりで出てきますね。コンゴトモヨロシク。
かなりグラマラスなのは院主の趣味かどうかは知らんがおふざけでみんな同じ所ばかり触っていくようで、乳の部分だけすり減っている。作品に手を触れないで下さいって書いてるじゃん。
さらに愛しあう男女をモチーフにしたエロティックなミトゥナ像。インドの彫刻って別にこんなんばっかじゃないと思うのだが、チョイスがエロいのはやっぱり院主の趣味ですか。
しまいにはあられもなく結合しちゃった人と人が描かれたレリーフまで…インドのカジュラホ寺院という有名な場所があって、そこにはカーマ・スートラという性愛の経典を元に創り上げたとっても恥ずかしい彫刻群が寺院の壁にびっしり張り巡らされている訳だ。
日本の石川県にあるハニベ巌窟院のインド古代彫刻館は言うなればセック…いやいや石窟寺院ですね、はいはい。
これらの性愛彫刻群を作ったのは初代か二代目か結局分からなかった。エロオヤジな二代目がやった臭いと完全に偏見で決め付けちゃうけど。
こちらのレリーフは完全に壁に埋めこまれている。恐らく院主がたった一人で暗い洞窟の中何日も掛けて創り上げたものだ。成せるのは執念の力だろうか。
ぶつくさ言いながら洞窟巡りを楽しんでいる訳だが、さらにこの先に真打ちの「地獄めぐり」が控えている。ハニベ巌窟院の真骨頂はこれから。