【7人死亡】連れ込み旅館火災の悲劇!福山市西桜町「ホテルプリンス」の現場を見てきた

昭和の場末感極まる連れ込み旅館を見ると胸キュン状態になる我々取材班からすれば冗談にならない火災が2012年5月に福山市で起きてしまった。宿泊客7名死亡という悲惨な結果となったこのホテル火災は奇しくも戦後最悪の火災と言われた大阪の「千日デパート火災」と同日5月13日に発生した。

福山市 福山

その現場は福山駅南口から南西に1キロ程の西桜町にある「ホテルプリンス」である。火災から半年が経過していたが、広島県警の捜査のためホテルの建物がまだ解体されていなかったので、福山を訪れたついでに見に来た。

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肝心のホテルの場所が駅から結構遠いのだが駐車場を完備しているので車での利用客が多かったのだろう。2階建ての木造棟が丸焼けになり無残な姿を晒していた。

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このホテルプリンス、昭和35(1960)年に開業という老舗ホテルでもあった。まだ「連れ込み宿」と呼んでいた時代からあったものだ。元々は東側にあった木造二階建てが当初開業した旅館で、西側の3階建てコンクリート建築が昭和42(1967)年に増築された別館になる。この2棟は内部で連結されている。

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木造棟、コンクリート棟ともに1階部分がガレージ。当初は1階部分も客室だったものがガレージにするためにぶち抜いてしまったらしい。火元は客室ではなく両棟のガレージに挟まれた1階事務所で、火災当時は「75歳の女性従業員」が一人だけしか居なかった。従業員の火の不始末という事か。

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ガレージの入口部分は完全にベニヤ板で塞がれており警察捜査員と関係者以外は入れなくなっていた。建物は築40年以上が経過していて違法な増改築が繰り返されているのに消防法、建築基準法の両方とも違反状態が放置されたままで消防署の指導も長年入っていなかった。

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ホテルの玄関に置かれた料金表の看板には「ご休憩」の欄まできちんと用意されている。これを見ても完全にラブホ以外の何者にも思えないが、風営法に基づいた「ラブホテル」として業態転換したのは昭和60(1985)年以降となる。

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確かに形態は完全にソレなんですが「福山一の格安ホテルを目指します」と銘打って貧乏旅行者やビジネス客を受け入れていたそうだ。死亡した宿泊客のうち男女4人は造船所勤務の「中国人研修生」、2人は福山に観光に来た母娘、という事らしい。

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建物裏手に回ってみると連結された木造棟とコンクリート棟が比較的形を留めている事が分かる。だが内部は複雑にベニヤ板で仕切られており通路や窓を塞いでいた。これが避難やその後の消火活動を妨げる結果となった。実際避難した宿泊客の中には自力で窓のベニヤ板を破壊して外へ逃げ出した人も居たという。

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ちなみに逃げ遅れた犠牲者は全てコンクリート棟の客室内で一酸化炭素中毒で逝ってしまっている。一見外観からするとガラスが割れた以外は何も変わりないかと思えるのだが…

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我々取材班が訪れた時には既に解体工事の業者が現場を訪れていた中であった。2013年2月中にはホテルプリンスの解体が終了し、現場は更地となる予定である。昭和な場末ラブホが好きな皆様もその建物が消防法と建築基準法に適合しているかちゃんとチェックしてから入った方が良さそうですね。明日は我が身。

<おまけ>ホテルプリンスを案内していたどこかのサイトからの拾い物画像。ホテル客室内、なかなか香ばしい佇まいだったようですね。我々も知ってたらうっかり入っていたかもな…


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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