昭和全開の温泉施設「大名古屋温泉」が閉館するというのでひとっ風呂浴びてきた

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名古屋市 八田

入口から左手の通路を進んでいくと男女別の大浴場がある。施設は古いが浴場は後から建てたもののようでそれほど古さはなく意外に綺麗だ。腰の高さくらいの水深があって泳げる程広い大浴槽があり、バイブラバス、電気風呂、露天風呂、水風呂とサウナがある。そして温泉ならではの硫黄臭が微かに香るのが印象的だった。

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だだっ広い割には客もさほど多くはなかった(男湯)が、常連客が十数人いたくらいで殆どが常連のご年配方ばかり。名古屋はスーパー銭湯激戦区で、ここ十数年であちこちスペックの良いスパ銭が周囲に出来て過当競争に耐えられなくなった事が閉館の理由の一つにあったのかも知れない。

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しかし大名古屋温泉の素晴らしさは大浴場が広々としているだけではない。同じくだだっ広い畳敷きの休憩室がありさほど混まずに広々と使える事や、貸し切り家族風呂も3室用意されている事、さらにホテルも併設していて宿泊も可能だったという事だ。

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今どきな方々にとっては旧時代的佇まいの大名古屋温泉はウケが悪いのかして客層は老人ばかりか、老人を連れてやってきた親子とかそんな感じの方々ばかりで、おじいちゃんおばあちゃんへの孝行に来ました的オーラが漂っていて何とも親類一同との繋がりが深い「大いなる田舎・名古屋」らしい休日風景が見られるのであります。

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天然温泉を満喫しご立派な日本庭園を眺めながら畳敷きの大部屋で思い思いの時間を過ごす。これがたったの750円で叶うとは、まさに名古屋人が誇る幸せの一つだったのではないだろうか。残念ながら大名古屋温泉の閉鎖後は用途もなく未だに売り手も見つかっていないので施設まるごと放置状態になる恐れがある。実にもったいない…

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せっかく最初で最後の機会なので併設する大食堂で何か食って帰る事にしましょう。こちらも片側全面ガラス張りで日本庭園が広がる開放感ある作りとなっていて客の8割が老人です。食堂内には甲冑が置かれていて「前田利家生誕の地」と書かれた赤い幟も掛かってます。センスのジジ臭さがたまりません。

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色々メニューはあるんだけど目の前の壁に画鋲で止めたでかい紙に大きく筆書きで「みそ煮込みうどん定食」と書かれているのが気になったので、今回は「天ぷらみそ煮込みきしめん定食」(1250円)にしてみよう。

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なぜかお茶が2つ付いてきたけどボリュームたっぷりで炭水化物多めな「天ぷらみそ煮込みきしめん定食」。いやー、どこから見ても名古屋めしですなあ。しっかり食ってきました。ごちそうさま。

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最後に受付右側にあるゲームコーナーも見てみる事にした。これぞ昭和のレジャーランド的佇まい。無駄にゲーム機やエアホッケーの筐体が揃っている辺りがツボ。しかしね、これ全部電源落とされてるんですよ…もう遊べない…

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懐かしのメダルゲーム「アヒルのヨーイドン」の筐体もあり。注意書きがベタベタ貼られまくっているがこれも電源が落とされていて動かない。

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これらのゲーム機も大名古屋温泉の閉鎖後は行く宛がないのか…そもそもここに来る客層の比率からしてもあまり稼働しているようには思えないのだが。

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しかしゲームコーナーの奥にあるカラオケルームは、元気良い歌声が鳴り響いていた。こちらは最後まで現役バリバリで動いているようですね。

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カラオケルームは2室あって1時間千円で利用可能だった。中で婆ちゃんが熱唱してました。さながら老人ホーム状態で横浜の綱島温泉東京園を彷彿とさせる光景。でもこの風景も見納めだし温泉も入り納めなのか…

現在名古屋市西部に残っている昭和な温泉施設は蟹江町の「尾張温泉東海センター」くらいか。以前は同じく蟹江町の「富吉温泉テルマ55」(2012年閉館)や飛島村の飛島温泉コーワレジャーランド(2004年閉館)なんてのもあったが、この地域からも昭和の趣深い温泉施設がじわじわ無くなりつつある。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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