安倍首相の地元・長門市の俵山温泉にある「麻羅観音」にお参りしたら阿部さんがいた件

山口県

同じ山口県でも瀬戸内側と日本海側では随分趣きが異なる。瀬戸内側は岩国から下関までまんべんなく中規模工業都市が点在しているが日本海側に回ると鳥取島根と同じくひなびた街と田舎の風景が続いていて雰囲気的に変わらない。という訳でなかなか足が向かない訳だが、今回は長門市という所を訪れていた。安倍晋三首相の地盤で有名ですな。

長門市 俵山温泉

長門市の市街地から大きく南に外れ、長門湯本温泉を素通りしてそのまま山奥に入っていくと「俵山温泉」という温泉地が存在する。リウマチに効能があるとされる療養泉で、昔からの湯治宿が密集する風情の濃ゆい場所だ。ここに我々は一泊した。長門市街地からは車で30分くらい。観光客も少なくいい意味で落ち着いた雰囲気の温泉地だ。

この俵山温泉自体も相当鄙びまくっていて個人経営の湯治宿は経営難であちこち閉鎖してたりとなかなか大変そうなのだが、町並みは別の機会に紹介するとして今回はどうしても俵山温泉にある「麻羅観音」という場所を訪れたかったのだ。駐車場にも真新しい案内看板が置かれているのだが…

「地元市民がオススメする、俵山エリアの『いいね!』」と書かれている欄に注目。Cのところに麻羅観音の記述がある。まらかんのん…その言葉の響きからしてもうこの先の展開が読めてしまうのだが、つまりどう考えても男根がらみの神社という事である。愛知にある間々観音はおっぱい寺ですけどね。

長門市 俵山温泉

問題の麻羅観音は温泉街をやや外れた場所にひっそりと佇んでいる。隣の島根県にある玉造温泉の「珍宝石さん」もそうだが、やはり全年齢対象ではない陰陽物を温泉街の目につく所に置いておくのは問題があるとの認識か、温泉街から離して置いてあるというのがイカ臭…いや、いかにも臭い。「日本一 ココ」と強調してある所でなおさら笑いが漏れそうになるが、真面目に参拝してくださいね。

長門市 俵山温泉

目立つ看板の前に車を停めて向かいの山肌に目をやると鬱蒼とした雑木林の下ににょきにょき雨後の筍かきのこの山か、はたまた春先の土筆んぼうかと思わせるかのようなマーラ様の大群が現れる。

長門市 俵山温泉

現実社会と同じくマーラ様も十人十色、リアルに血管浮き立たせてるものまでチン座しておりますがいやはやご立派なもんです。立派なきのこの方がいいですと鈴木砂羽さんに色っぽく演じてもらいたいくらいです。CMに流すと一週間でアウトでしたが。

長門市 俵山温泉

境内に置かれた男根は石製のものがほとんどだが、中には金属製のものもありかなり錆がかっている。川崎市にある金山神社のかなまら様を彷彿とさせる一物であります。あっちは宿場町の飯盛女(遊女)の信仰を受けていたそうだが、麻羅観音に関してはそういったカテゴリーの話は見受けられない。まあ、温泉街は温泉街でもここは療養向けだからな…

長門市 俵山温泉

境内に由来を示した石碑が置いてあるので読んでみる。戦国時代の武将、大内義隆(男色で有名らしいんですがこの人)が天文20(1551)年に家臣の陶晴賢に攻められた末に大寧寺で自刃した後、末子の歓寿丸が「女装して」山中に匿われていたが結局追っ手に捉えられてこの場所で殺された。

長門市 俵山温泉

その際に男である証拠として歓寿丸の男根が切り取られて持ち去られたのだが、それを哀れんだ里人が建てたのがこの麻羅観音だという事らしい。それからこの場所は男根が祀られるようになりいつしか「子孫繁栄」「健康増強」の懇願に訪れる参拝者で賑わうようになったというのだ。

長門市 俵山温泉

立派なきのこが山の斜面に林立するその向こうにこじんまりとした社殿がそびえているのでお参りしていきましょう。子孫繁栄のために、日本の少子化問題解決の為に祈りましょう。いたって真面目ですよ。

ついでに社殿の中にも木彫りの縦型男根が据え付けられておりいやがうえにも麻羅観音のアイデンティティを放っているのである。一物を切断された哀れな歓寿丸さんに哀悼の意を示しつつなんとなく阿部定事件を思い出しそうになる。

長門市 俵山温泉

さらには社殿の隣に奉納品をチン列する祠があって、ここがまた凄い。夥しい数の男根型の置物が並べられていて視覚的に相当くるものがある。ビジュアル的には東京世田谷の豪徳寺にある大量の奉納招き猫がこれに近い感じがするのだが、ブツが違うとこうも見栄えが異様になるものなのか。

それぞれ願い事や氏名等が書かれた置物達。それらの願いの数々は、やはり殆どが子宝祈願ばかりとなっている。自分の尻も拭けないDQNが望まれない不幸な子をぽこぽこ産んでいく一方で、望んでいるにも関わらずいつまでも子宝に恵まれない家族もたくさんいる。神様も不公平なもんである。

長門市 俵山温泉

祠の敷地からはみ出してまだまだ置物が大量に並べられているという状況。決して交通便のいい場所ではない山奥の鄙びた温泉街の傍らにある麻羅観音だが、参拝者の信仰は非常に厚い。中国地方か九州北部の住所が書かれているのが殆どだが、中には東京の人とかもいましたよ。

置いてあるモノがモノだけにふざけたDQNの落書きも目立つ境内だが、記念カキコ用のノートなども置かれていて随分気配りが出来ている。せっかくノートがあるんだから床や柱に頭の悪そうな下手くそな文字で落書きしないでくださいね、DQNの皆さん。

長門市 俵山温泉

そしてこれも場所柄の問題なのか知らんが大量に陳列された奉納品の中に紛れ込んで、なぜか写真立ての中から微笑む自動車修理工の阿部高和さんがいるという斜め上の展開。ウホッ、いい男!いやちょっとそれはジャンルが違うだろ。どういう事だ。

「俺達にも子供が出来ますように!」

できねーよ



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