寂れててもやっぱり温泉観光地の王道を行く「熱海温泉」旅行記2010 

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中央町飲食街・後編

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やはり雰囲気が素晴らしいのは糸川の西側に走る熱海街道に沿った一帯の風景だろう。特にタクシー会社「熱海第一交通」の車庫に使われている建物が目に付く。2階部分の外壁の装飾を見てもここが元赤線建築である事は言うまでもない。熱海はこうした赤線時代の建物が現役で使われている事が当たり前のようである。

この通り沿いも街のほったらかしっぷりが凄いのだが、店の看板の一つ一つも古いままなのが凄い。レトロ好きにとっては一日居ても飽きないような街である。

そして気になってしょうがないのがタクシー会社の斜向かいにある飲食街の一角だ。入口に今でも残っているのが、とっくに錆びきって骨組みだけになったゲートの存在。きっと赤線時代の名残りを留めるものだ。

その怪しげな路地に入った途端、ハイレベルなバラック建築が現れ、思わず息を呑む。

この路地にあるバラック建築の一つがジャズ喫茶「ゆしま」の建物だ。旧赤線で廃墟となっていた物件を現在のオーナーが買い取って営業している。それも、この地で50年近くやっているという街の生き字引のような存在だ。赤線廃止から間もない時期に店を開いた事になる。

訪れたのが早朝だったので、当然開いていなかった。

どこかしら中央線チックな外観のジャズ喫茶、だが50年近くも営業しているという所はそうそう多くはないだろう。次回は是非入ってみたいと思う。こんな佇まいでも、バーではなく喫茶店なので、営業時間は正午から夜7時くらいまでだそうです。

ジャズ喫茶ゆしまのある飲食街全景。さほど道幅も広くないのが、適度な濃密感をもたらしている。

ゆしまの隣の建物も旧赤線時代のそれを思わせる小さな丸窓が特徴的。

そこには「静岡県社交飲食業生活衛生同業組合熱海支部 熱海社交業組合事務所」と、まるで犯行声明文のような独特のフォントで書かれた紙が貼られていた。

日が暮れるとこんな感じになります。素敵です。

夥しい数の熱海の飲食街を見ていると、やたら変な名前の店がある。「パブスナック不美人」とか、本当にブス揃いだったりしないか気になる店もあったり。

「スナックちょん」って…そのまんまド直球過ぎるネーミングでぐうの音も出ません。

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寂れててもやっぱり温泉観光地の王道を行く「熱海温泉」旅行記2010

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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