寂れててもやっぱり温泉観光地の王道を行く「熱海温泉」旅行記2010 

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坂道だらけの温泉街

熱海駅前を降りるとそこは山の中腹にあるため、中心市街地や海岸へは急な坂道を下って行かなければならない。商店街を抜けると田原本町交差点のT字路に出てきた。ここから海岸へそのまま降りる道と市役所や中心市街地へ下る道に分かれている。

交差点の角に古いボウリング場の建物がある。温泉旅館「志ほみや」の経営するボウリング場だった。ボウリングブームと言えばこれまた昭和の遺物の一つでもあり、建物の古臭さがこれまたいい味を出している。

熱海駅から中心市街地に下るメインストリートも商店街となっていて、数多くの土産物屋や干物屋が軒を連ねている。急峻な傾斜地に無理矢理作られた市街地は独特の風情を放つ。見た目よりも坂道が急な所もあるので徒歩での移動は結構大変。

駅徒歩圏内には古臭いビルに混じって、やけに巨大で豪華なマンションが建っているのが見える。廃業するホテル群に代わってここ数年で増えだした「リゾートマンション」の類の物件だ。各部屋に温泉を敷いているのがウリで、東京・横浜にも通勤できますよ、と言う触れ込みで販売されているものだ。熱海から東京までなら新幹線通勤なら余裕ですよ、などとセールストークを受ける訳である。

急な坂道のメインストリートから外れると、海岸方面にショートカットできる階段があちらこちらに整備されている。まさに階段だらけの街。

「熱海駅近道」なんてちゃっかり書かれていて、階段が交通手段になっている街だというのがよく分かる。

ひたすら昭和な香りのする市街地であるが、何気ない喫茶店にも今どきなら差別用語扱いな「くろんぼ」などと名前が付けられていてフリーダム。しかも黒人のイラスト付きだぜ。平成日本の世では殆どが言葉狩りされてしまい闇に葬られた存在。

傾斜地に無理矢理建物を建てまくっている街の構造が凄まじい立体感を生み出している。隣のビルが何階で手前のビルが何階なのか分からない。狭い市街地に密集しているせいで、東京の都心とはまた違った圧迫感をも作り出している。

メインストリートから外れて階段を降りた所に、物凄いオンボロ木造建築を発見する。

三階建てだが、今にも崩れそうな外観をしていて見た目にはヤバい。急な坂道の上に建っているのが原因なのか知らないが、目の前に立つと威圧感すら漂う。

どうやらクリーニング店の工場となっているようだが、店の看板には「洗濯店」と書かれているのだ。一体いつ頃に建てられたものだろうか。

年代物のクリーニング店のそばのY字路上に建つ古いマンション。近所のホテルの従業員でも住んでいるのだろうか。

その近くにももう一軒怪しげな建築物があった。ホテルでもマンションでもなく、かといって病院らしき建物でもない…

入口を見たらしょぼい字で「エコノミー」と書かれているのが見えて笑ってしまった。こいつは怪しいぜ。

旅館だったらネタになるから是非泊まりたいだなんて考えたが、どうやらこの近所にあるホテルの従業員寮として使われている建物らしい。夜に再度覗いたら、殆ど空き部屋のようになっているようで、真っ暗だった。幽霊でも住んでそうだな。

メインストリートは中心市街地へ降りるまで、ウネウネと道が蛇行している中を両側に4階建ての雑居ビルがまるで谷底にいるかのようにせり出している。その1階にはだいたい店が入っているが、2階以上の部分は殆ど使われていないのか、真っ暗だ。

昔は上の階も何らかのテナントで埋まっていたのだろうか。

かなり下の方まで降りてくると、東銀座と書かれたバス停があった。熱海の中心市街地には銀座町というもっともらしい地名が付けられている。しかし東京の銀座らしいギラギラしたネオンサインはどこにも見当たらない。

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寂れててもやっぱり温泉観光地の王道を行く「熱海温泉」旅行記2010

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。

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