あまりにボロボロな展示が悲壮感漂わせる本気の落人村!湯西川温泉「平家狩人村」 (全3ページ)

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現在は市町村合併で栃木県日光市の一部となってしまったが、栃木県北西部の山奥にある旧塩谷郡栗山村は県内屈指の秘境で、鬼怒川、川治を抜けてさらに山奥、県都宇都宮市から片道1時間半近く掛かる。この旧栗山村で有名な温泉地「湯西川温泉」があるこの一帯は「平家の落人伝説」が今に伝わる土地で、隔絶された山の中に集落が形成されていて、地図を見ても明らかに秘境・僻地の言葉がぴったりの場所である。

日光市 湯西川温泉

平重盛の六男、平忠実(忠房)が逃げ延び以後800年間当地に代々隠れ住んできた平家の落人の末裔という湯西川の住民。現在もこの土地には平家集落というものがあり重厚な屋根を持った特徴的な民家が連なっていたりとかなり見た目にも独特。湯西川沿いに温泉旅館や共同浴場、無料の露天風呂なんかがひと塊になっている。国道121号線(会津西街道)から分岐して湯西川温泉に至る道もダム沿いのバイパスが整備されてかなり来やすくなっている。

日光市 湯西川温泉

平忠実から二十五代目という平家の子孫が経営している「本家伴久」が湯西川温泉ではとりわけ名の知れた温泉旅館となっている。温泉自体も天正年間に平家の子孫が発見されたものと伝えられているそうですが、なかなかの高級旅館な訳でして今回ここには泊まらなかったのですが…

日光市 湯西川温泉

平家の落人伝説がある集落は日本全国に点在している訳だが、湯西川温泉は平家アピールが特に積極的な場所になっていて、昭和60(1985)年に開設された「平家の里」という観光施設があり、当地で800年隠れ住んだ平家の末裔の暮らしぶりなどが展示されていたりする。湯西川には「平家の里」「平家落人民俗資料館」…そしてこれから向かう「平家狩人(またぎ)村」の3つの平家関連観光施設が存在している。この平家狩人村というのがボロボロ過ぎて随分ヤバいという噂を聞いていて、気になっていたのだ。

日光市 湯西川温泉

ちなみに湯西川における超A級観光地「平家の里」も一応ながら見ておきましょう。当時の旧栗山村長の主導でしっかり観光施設として整備されただけあって、再現された茅葺屋根の民家もなかなか立派である。白川郷とか五箇山の合掌集落の小型バージョンみたいな雰囲気ですな。

日光市 湯西川温泉

中には金屏風なんかも飾られていたり、キリッとした面構えの平清盛像などもあって、隠れて逃げ延びて800年間こそこそ山の中で暮らしてきました的悲壮感が微塵も感じられないのである。観光客の感覚でだいたい「こんな感じだったのかな」と雰囲気だけ感じるだけにはいいかも知れませんが、これだけでは平家の落人村の何たるかを知るには浅いですね。 今回あくまでメインディッシュは「平家狩人村」です。

日光市 湯西川温泉

平家の里からさらに山側に向けて車を走らせて行きましょう。2キロくらい登っていくと集落も途切れ、土呂部経由で川俣温泉方向に抜けられる山道に至る。その道中に現れる一軒の廃屋。どうやら元食堂のようですが…

日光市 湯西川温泉

すっかり荒廃しきっているが、「秘境奥湯西川 あつもりやかた ちょんまげ支店」と書かれた看板がかつての店の玄関に掛かっている。どうやらここはマタギ料理が食える店だったらしい。湯西川では鹿肉、熊肉、山椒魚などの珍しい食材を頂ける食堂がまだ何軒かある。平家の落人は代々マタギなどで生計を立てていたのだ。

日光市 湯西川温泉

どうもこの場所に「平家狩人村」があると聞いていたのだが、廃屋食堂の向かいの駐車スペースらしき所からその入口が見えた。え…ここを行けという事ですかね。雑草まみれで蛇でも出そうな程なんですが…アプローチから既にワイルド感満載ですね。一体どうなっているのでしょう。

日光市 湯西川温泉

駐車スペースから階段を登ると確かに「平家落人村」の正面玄関が現れた。どうも車は下の草ボーボーの空き地ではなくここに停めれば良かったらしい。単に土呂部方面からの峠越えで来たので気付かなかったのだ。それにしてもとてつもなく終末的な佇まいですね…そもそも他に客居ないしだな。入口横の窓口で1人500円払って入りましょう。おじさん達も暇そうなので凄く歓迎されました。

日光市 湯西川温泉

この「平家狩人村」…都築響一氏の「珍日本紀行」で紹介されていたのを見て存在を知り、ネット上でも荒川聡子氏のレポートで事前情報を掴んでいたのだが、荒川さんがやってきた2002年の時点で既に「閉鎖寸前の雰囲気」と評されていたので、果たして今でもやっているのか半信半疑なままだったのだ。

2014年5月現在、まだ生きてました。ミニ動物園は無くなったけどな。この案内図もいつのものか判別不能で、あちこち無くなっていたりするのでかなり正しくない。当初は1000円だった入場料も展示が減る度に値下げされて、今の価格に落ち着いたらしい。

日光市 湯西川温泉

とりあえず場内案内のエンドレステープも相当使い切っているせいかして不気味な不協和音と増幅音が混じり幻聴のように耳に訴えかけてくるし内容の半分も聞き取り不可能になっている。職員の爺さんが順路はそちらですと教えてくれたので入ると「鳥獣資料館」と書かれた建物の中だった。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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