財政破綻の街「夕張」を歩く 愛の始発駅

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我々日本DEEP案内取材班が今回の北海道旅行で一番見たかった場所、それが日本最悪の破綻自治体の一つとして全国的に名高い「夕張市」であった。有名な映画「幸福の黄色いハンカチ」で広く知られるように炭鉱町としてかつて隆盛を誇った街はその主幹産業の終息とともに没落、その後「炭鉱から観光へ」をキーワードに無駄な箱物を建設しまくりたちまち財政再建団体転落という道を辿り、今なお人口が減り続けている。
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という訳で我々は札幌から車を走らせて、夕張市の中心市街地までやってきた。この中心市街地は最寄りの道東道夕張インターなどがある場所から谷あいを登って20キロ近い最も奥まった位置に存在している。距離的にはかなり遠く感じるのだが、一応鉄道路線が残されていて石勝線夕張支線の終着駅となる夕張駅がある。


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この夕張駅自体も2度も駅舎が移転されてきて、石炭の運搬が盛んだった昔はもっと奥地にある「石炭の歴史村」付近に初代駅舎があり、その後は路線が短縮される形で手前へと駅が移転、夕張市役所前に2代目駅舎が移されるも、さらに1990年、現在のホテルマウントレースイ前に3代目の駅が設置され、2009年に小樽市のログハウスメーカーの援助によって無償で駅舎が全面改修されている。
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日本随一の破綻自治体と言う事ですっかり開き直ってしまった夕張市、夫妻と負債をかけたマスコットキャラクター「夕張夫妻」の顔ハメ看板を置いて自虐感たっぷりに訪問者を待ち受けていた。ここが噂の終着駅、そして愛の始発駅。
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なんでも夕張市は全国一離婚率が少ない市らしく「金はないけど愛はある」をキーワードに夫婦円満の街という事を売りにしているようだが、単に高齢化が激しい余り離婚者が居ないだけである。最盛期で人口11万6千人居たのが今では1万人ちょい。ジジババ以外はみんな街を出て行ってしまった。

あまつさえ夕張夫妻については自虐ネタ満載な「愛の始発駅」PVが公開されている。やること突き抜けてますなあ。もはや自治体の再建すらどうにもならないので関係者もやけを起こすしかないようだ。
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夕張駅の駅舎に入ると案の定誰も人が居ない。冬場だとスキー客がある程度訪れるようだが、わざわざ不便な鉄道を使って訪れるような事もないだろう。2006年には夕張市の財政再建問題の一環で紙代と水道代を削る為にトイレまで閉鎖された時期もあったが、その後に岐阜県のIT関連会社から維持費の援助を受けて再開している。
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「愛の始発駅」らしき夕張駅のホーム。昔はここから石炭の歴史村あたりまで線路が伸びていて、毎日大量の石炭を運んでいたのだ。さらに周辺には夥しい数の炭鉱住宅が並び、さぞかし栄えていた事だろう。今では嘘のように静まり返っているだけだが。夕張駅の駅舎にはイタリアンレストランが併設されていてにんにくの香ばしい匂いが漂ってくる。
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この夕張駅よりも何倍も巨大で立派な建物が背後に建っているのだが、これがバブル期に建設された「ホテルマウントレースイ」。小屋のような佇まいの駅との対比が凄い事になってますが。
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元は夕張市の第三セクターが建設したスキー場に隣接する形で昭和63(1988)年に大阪の松下興産(現存せず)がまるごと施設を買い取り100億円以上の費用を掛けて新たにホテルを建設したものだ。これも松下興産の経営難によって再度夕張市に買い戻され、夕張市の破綻後に指定管理者制度による応募で受託した別の企業が経営を引き継いでいる。
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恐らくスキーシーズン以外は来る客もいないのだろう、ひたすら閑散としていてホテルの壁も殺風景なので無意味に映画看板などが貼り付けられていたりする。夕張は「映画の街」をアピールしている事もあって市内各所にこうした看板がある。
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乗り換えに不便な鉄道よりも高速バスが夕張市民の足になっているようで、今でも夕張から札幌方面に行く高速バスが走っている。これも1日3本しか走っていないようだ。ちなみに鉄道だと夕張から新千歳空港まで約2時間掛かる。
ひとまず駅前に居てもあまり見るものもないので、とっとと中心市街地の方へ移動する事にする。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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