え…日本にもミイラが…山形名物「即身仏」とおくりびとロケ地を観るため酒田に行ってきた (全2ページ)

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「即身仏」…その言葉の響きに、何とも言えない感情を覚える。ミイラと聞くと古代エジプトや南米のアンデス文明なんぞを想像しそうになるが、この日本にもミイラが存在するという事実。それは仏教の中でも真言密教系の寺院における究極の修行の形であり、僅かな空気穴だけを残し全て土中に埋められ、食事を絶ち読経を続け生きながらにしてミイラと化す。現世に生まれた身体のまま究極の悟りを開き成仏をする事。これらのプロセスを入定と言う。

酒田市 酒田港

「即身仏」は明治時代に入ってから禁止された。現在では自殺幇助罪に問われる行為となっており当然ながら行われていない。日本には18体の即身仏が存在し、そのうち8体は山形県にある。特に真言宗の聖地「湯殿山」がある庄内地方では、即身仏を直接拝観できる寺院が実際にあると聞いていたので、東京から片道500キロ近く掛けて山形県酒田市にやってきた。北前船の寄港地で古くから栄えていた日本海側の街だ。

酒田市 酒田港

この酒田という街、山形県の北西部に位置していて隣の秋田県にも近い土地柄なのだが、大阪と北海道の間を行き来していた北前船が寄港する酒田は山形で取れた米を運ぶ為の「西廻り航路」の起点となり、大阪は天下の台所として栄え、また酒田も発展し、北前船を通じて上方文化を受けて現在も花街の名残りが見られる場所もあったり色々歴史があった訳ですな。「西の堺、東の酒田」などとも呼ばれていたそうで。

酒田市 酒田港

酒田に来て即身仏も見たかったのだが、せっかくなので歴史のある町並みも堪能しておきたい。千石船や灯台などが置かれた日和山公園の北東側に日枝神社があるのでそこまで移動する。

酒田市 酒田港

この日枝神社の前に広がる酒田市日吉町が旧花街で、この辺は現在も飲食街が開けていて、特に日枝神社の正面の道はご丁寧に石畳が敷かれていたりして雰囲気がよろしい。

酒田市 酒田港

その石畳に沿って歩いて行くと赤壁が映える立派な料亭の建物が。江戸時代からの歴史ある料亭「相馬樓」。建物は再建されたものだが国の有形文化財らしいですよ。竹久夢二美術館とか舞妓(酒田では舞娘と書く)さんの踊りと料理を楽しめる観光施設になっているそうで、ちょっと我々の出る幕でもなさそうなので外観だけ堪能してさっさと次に行きましょう。

酒田市 酒田港

相馬樓から少し離れた所にもこれまたご立派な料亭の建物がそびえる。「山王くらぶ」という市の観光施設になっていて、明治28(1895)年建造の料亭「宇八樓」が前身。戦後から1999年まで料亭だったが廃業した後、建物が国登録有形文化財指定を受けて酒田市に寄贈されている。

酒田市 酒田港

「山王くらぶ」の中にも入ってみる。上方文化の影響を受けたみちのくの雅やかな花街の栄華。大阪や京都からは相当離れた場所だが海の上で文化が繋がっていたんだなあ…という事を考えさせられるが、まあそれ以上感想は出ません。普通に観光してばかりでも何なのでそろそろ出ます。

酒田市 酒田港

むしろ「山王くらぶ」より真向かいにあるこの建物の方が気になって気になってしょうがないのですが。これぞ昭和の色街の栄華を匂わせる時代遅れ感満載のナイトスポット。その名も「白ばら」。東京銀座の「白いばら」とは関係なさそうだが見た目の古臭さでは負けていない。

酒田市 酒田港

店の玄関口に掲げられたオツ過ぎる看板も見逃せない。この「白ばら」、北海道・東北地方でも唯一ここにしか残っていない「現役のキャバレー」らしい。昭和33(1958)年創業というタイミングを考えると遊郭廃止後の流れで出来たのだろうか、それともたまたまなのか。現在も地元向けの盛り場として細く長く営業中らしい。酒田には夜まで居られず中に入る機会が得られなかったので、心残りである。

キャバレーの灯、山形で守る 東北・北海道で唯一現役

酒田市 酒田港

「白ばら」の系列店なのか「ニューサカタ」と書かれた古めかしいネオン看板も建物に取りついている。

酒田市 酒田港

「白ばら」だけではなく他にもキャバレーと名乗る店舗がありますけどもこれはお馴染みキャバレーロンドンでした。恐らく「ロンドン」は現役ではなさそうですが同じビルに入居している店がどうにも怪しげで匂います。長じゅばんさろん…

酒田市 酒田港

人口11万人の酒田市、山形県北部では屈指の盛り場になっているようです。夜はそれなりに賑やかそうである。

酒田市 酒田港

日吉町の盛り場には映画館まで存在する。酒田港座の建物だ。シネコンの台頭で客足を奪われ2002年に一度閉鎖しているが、2008年に映画「おくりびと」のロケ舞台に使われファンが「聖地巡礼」にやってきて再オープンしたとかいうが、我々が行った日は開いてませんでした。不定期で映画上映やライブ会場に使われてるらしいです。

酒田市 酒田港

そういえばこの日吉町付近、映画「おくりびと」のロケ地になっていて町中の至る所に「おくりびと」のロゴが記された案内看板が上がっている。一度見たのだがその時はロケ地が酒田だとは気づかず、どのシーンにどの場所が使われていたのか思い出せない。もう一度映画見るか…

酒田市 酒田港

一方では路地裏に打ち捨てられたようなスナック街の廃墟などもあったりしてなかなか見所の多い色街だった酒田市日吉町なのでした。

酒田市 酒田港

色街にはありがちな野良猫さん(遊女の生まれ変わり説)も目撃。「即身仏」と「おくりびと」の故郷の盛り場とはこれまた因縁めいたものを感じさせる訳である。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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