レトロ自販機が並ぶ激渋ドライブイン&ホテル「公楽園」の特別室に泊まってみた (全2ページ)

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日本各地のロードサイドで見かけるドライブインの数々。それは昭和の高度経済成長期とともに普及してきたドライバー達のオアシス。今は高速道路網の発達で下道よりも高速と効率を追う時代となり、あまつさえ高速のサービスエリアまでやたら綺麗なスイーツ仕様に生まれ変わり旅情もへったくれもなくなったものだが、どっこい下道に降りると昭和の時代から受け継がれてきたドライブインがまだまだ地方のあちこちに残されている。

新潟県燕市の郊外、旧西蒲原郡分水町を走る国道116号は新潟市と柏崎市とを最短距離で結ぶバイパス道路。その道すがらに建つ妙に古びたドライブイン「公楽園」。ここが今回の目的地である。公の楽園と書かれた店舗の屋号も素敵で渋いセンスであるがこの建物も相当渋い。

国道116号とほぼ並行して北陸自動車道が走るものの、高速代をケチりたい長距離ドライバーが多く交通量は激しい。公楽園のある辺りは地味にホテル街になっている。

で、この公楽園というドライブインはホテルや自販機コーナー、それにゲームセンターも兼ね備えており至れり尽くせりの状態。近所のホテル街に負けるものかと「休憩・入浴お一人様1200円」という激安価格で勝負している。宿泊でも1人2800円ですよ。お安いです。

それにしても「創業25周年特別企画」と書かれた看板は一体いつが25周年だったのかと突っ込みたくなるのだが公楽園がこの土地に出来たのは昭和51(1976)年の事らしい。正しくは「36周年」だろう。それとも永遠の25周年というやつか。

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見た目以上に繁盛してます。そして完全にオヤジの溜まり場である

日が暮れると公楽園の駐車場には沢山の車が停まっている。長距離ドライバーというよりはしょぼい軽自動車ばかり。地元民の溜まり場になっているのだろうか。ただでさえ古ぼけた建物がより一層不気味に見える。少なくともドライブ中のラブラブカップルがデートに使うような代物には見えない。そりゃ迷わず近所のラブホに入るだろう。

しかし今回はこの公楽園の二階部分にあるホテルに宿泊するためにやってきたのだ。どうにも入りづらい雰囲気だが怖いのは最初だけ。さあ勇気を持って一歩踏み出そう。ちなみに一階のドライブインと二階のホテルは入口が別々になっていた。

北国ならではの風除室つき二重扉を開けて中に入るとまず見えるのが壁に並べられた自販機の数々、そして手前には土建屋か何かの現場作業員の飯場かと見紛うようなパイプ椅子とテーブルが並べられた空間。そして濃密なタバコ臭。壁一面ヤニだらけ、ヤバイ、これは本物だ。

テーブルの真正面に据え付けられた自販機では冷凍食品が販売されている。「新潟産こしひかり FOOD SHOP」とわざわざ書かれている所がローカル臭漂っていて素晴らしい。天井に吊り下げられた看板のセンスも昭和丸出し。もうたまらん。

そして売られているのは左上から順にビーフカレー430円、ピザパイ480円、カツ丼500円、ツインバーガー400円、エビピラフ480円、スパゲッティナポリタン500円、炊き込み御飯480円となる。結構な品揃えだ。

さらに左隣にはかなり年代物なトーストサンドの自販機やカップ麺の自販機も並んでいる。「愛あるスナック 明星カップリーナ」と書かれたこのタイプの自販機が残っているのは全国的にもかなり珍しいそうだ。そういえばうどんの自販機もあったと思うのだが見かける事は無かった。どうやら撤去されたらしい。

我々取材班も長旅で疲れたので公楽園の自販機で色々夕飯になるものを買ってみた。ビールやカップ麺はコンビニで買うよりやや割高。自販機のトーストサンドはアルミホイルでくるまれていて触るのも躊躇う程アツアツの状態で出てくる。カップ麺の熱湯はテーブルの上に置かれた電気ポットから供給可能。

冷凍食品の自販機は阿賀野市にあるワコー食品という業者のもの。バリバリ新潟ローカルです。自販機の隣に電子レンジが置かれているのでそれで温めてから食べる。スパゲッティナポリタンにしてみたが味の感想は想像にお任せします。

まるで土建屋の飯場にでも居るような気分で黙々と冷凍食品を食らう。テーブルや自販機の並ぶ向こうにゲームコーナーがある。地元のDQNの溜まり場になりそうな気配がするがそうでもなく客層は殆どオッサンばっかり。パイプ椅子の背もたれの裏側に公楽園の名前と昭和60年の日付がマジックペンで書かれているのが見えた。

お食事の前後できちんと手を洗いましょうねという事で一応ながら洗面台とタオルも置かれている親切設計。カップ麺の残りを捨てないで下さいとの注意書き。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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