【過疎化・高齢化】鳥取県若桜町で見つけた地元のご老人の厭世観たっぷりな川柳に泣く

【キュレーションメディア等、他サイトへの記事中の文章・画像無断転載厳禁】

鳥取・兵庫両県の境を走る国道29号線に沿って山陰から関西方面に抜ける途中に若桜という町がある。鳥取県南東端に位置しておりあとひと山超えれば兵庫県という土地で、大阪や神戸などの大都市圏からもそこそこ近い。平家の落人伝説がある落折集落が見たかったついでにこの町に寄ったのだが、駅前で目にしたものがちょっと地味に壮絶だったので、ここでレポートしたい。

鳥取県若桜町

若桜町の玄関口、若桜鉄道の若桜駅にやってきました。日本の原風景的なこじんまりとした駅舎である。この若桜鉄道というのは、大阪と鳥取を結ぶ特急スーパーはくと号も走るJR因美線の郡家駅から分岐して若桜駅に至る三セク鉄道。

鳥取県若桜町

ちなみに若桜鉄道の名物といえばSLで、鉄道施設の数多くが国指定文化財になっている。沿線には同名のバイク愛好家が集まる隼駅なんかがある。鉄ヲタとバイクマニアには知られた所だが、一般的にはマイナー過ぎるなここ…読みも「わかさ」で福井県の原発銀座がある若狭とどうも被る。

鳥取県若桜町

若桜という地名とは裏腹に駅前の人通りも少なく老人しか居なくて寂しい訳だが、駅からちょっと歩いた所に観光名所らしいものがある。蔵通りとか寺通りと案内標識があるのでせっかくだから行ってみよう。

鳥取県若桜町

若桜町は鎌倉時代から江戸時代までは城下町で、それ以後は宿場町だった事もあり、元宿場町だったメインストリートはなかなかそれらしい昔ながらの佇まいを残している。

鳥取県若桜町

長い庇のついた家屋が立ち並ぶ。「カリヤ通り」と呼ばれているそうで、冬の積雪時には庇の下を人が雪を避けて通り抜けられるようにという豪雪地帯特有の私設アーケード街。新潟に行くとこれが「雁木」青森に行くと「こみせ」と呼び方は変わるけど似たような仕組みになっとるんですね。

鳥取県若桜町

一方ではこのような乙な飲食店街の抜け道なども民家の軒下から連なっておりました。スナックと焼肉屋があるくらいだけど。

鳥取県若桜町

最初の案内標識にあった蔵通りというのはカリヤ通りの裏手にあって、回りこんでみるとこのような雰囲気の良い蔵造りの道が続いている。しかし…

鳥取県若桜町

そこには土蔵の所有者らしき方の怒りの言葉が刻まれていた。
「貧しく維持出来ない土蔵群を豊かな自治労は喰いものにするな!」とたいそうお怒りの様子。
貧しいとか豊かなとかいう単語が出てくるのがちょっとアレな気がしますが、せっかくの貴重な観光資源、利益を独り占めされてるのか知らんけど色々面倒な事になってるのかね。

鳥取県若桜町

だがそれ以上に呆気に取られたのが若桜駅前に並べられていた川柳集。「若桜町さくら吟社作品集」という名目で町内外からの川柳作品の数々を展示しているのだが、その一句一句がやけにズシリと重いのだ…

鳥取県若桜町

「藁掴む 思いで暮らす 老いの坂」

鳥取県若桜町

「神仏に ピンピンコロリ 祈る歳」

鳥取県若桜町

「訃報欄 自分の名前 確かめる」

鳥取県若桜町

実に厭世観たっぷりで投げやり気味な川柳作品の数々。そもそも人口過少地域の鳥取だし、陰気な土地柄なのかも知れないし、こんな山村での老後の生活では人生にほとほと嫌気でも差してしまうのかも知れんが、この勢いだとみんな死ぬ事しか考えていないようにも思えて何だか切実だなあ。そんなに前向きになれないのか。

鳥取県若桜町

でも最後にこの一句を見て、ちょっとだけ救われた気分になった
「老いてなお 心は常に 若桜なれ」
いくら老いぼれても気持ちだけは若く居たいものですね。町内の人じゃなくて、何故かさいたま市の人の一句なんですけど。若桜町民、大丈夫か?!

鳥取県若桜町

いま日本社会で起きている少子高齢化が何たるか、この鳥取の外れの山村においてその一端を垣間見たような気分になった。人生の終わりまで、何があろうと出来る限り健やかに生きていきたいものであります。以上、人権尊重の町・若桜町からのレポートでした。



The following two tabs change content below.
新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
タグクラウドから記事を探す
スポンサーリンク
DEEP案内編集部のnote

知ってました?DEEP案内編集部のnote

ネット上で大っぴらにするのはちょっと憚られる内容の記事は「DEEP案内編集部のnote」で書く事もたまにございます。全て100円からの有料記事となっておりますので興味のある方のみご利用下さい。

スポンサーリンク
トップへ戻る