信州を代表する大温泉地「戸倉上山田温泉」のレトロな風景と謎の郷土食「おしぼりうどん」を求めて

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信州屈指の温泉郷「戸倉上山田温泉」。戸倉は明治26(1893)年、上山田は明治36(1903)年で、共に善光寺詣の帰りの「精進落としの湯」として賑わった温泉街という歴史を持っていたが、長野が首都圏からの日帰り圏になった事で一部の「歓楽的な一画」を除けばすこぶる寂れまくっている。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

ところでこの戸倉上山田温泉、厳密には「戸倉温泉」「上山田温泉」の二つの温泉郷の総称でもあり、さらに千曲川向かいにも「新戸倉温泉」というものがある。先の記事の通り、上山田温泉は外国人が夜の街に流入し如何わしい温泉街を形成するに至ったが、戸倉温泉に近い側の温泉街の北側は大型旅館が数多く立ち並ぶ一方でなんとも末枯れた佇まいとなっている。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

戸倉温泉側の路地へと入る。とはいえ上山田温泉とは目と鼻の先に隣接しているので、どちらが上山田でどちらが戸倉か、よそ者には全然見分けがつかないのだ。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

2003年に合併して千曲市になるまでは、埴科郡戸倉町、更級郡上山田町と、全く別の自治体に分かれていた。ちなみに合併前の「更埴市」というのも更級郡・埴科郡を合わせた合成地名だ。つまり旧戸倉町と旧上山田町のどちらに属しているかの違いでしかない。戸倉と上山田の境界も千曲川ではなく、温泉街のど真ん中に複雑に引かれているのである。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

戸倉温泉側の温泉街の路地に入ると、上山田温泉側で見かけたような艶めかしいコリアンスナックの存在はなく、代わりに容赦なく廃墟と化した店舗が目立つ。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

「五区商店会」の看板が掛かっているエリアは、温泉街がかつて隆盛を誇っていたであろう昭和30年代のまま時を止めたように古びたスナックや店の建物が放置されまくっている。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

廃墟同然のバラック酒場ストリート。温泉旅行ブームに湧いた昭和の時代にはさぞかし団体旅行客の飲んだくれどもで賑わったに違いない。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

バラック酒場の廃墟に残る屋号の看板。ひらがなの「ぼ」一文字だけが残っていた。かつてここで営業していた店の名前は何だったのだろう。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

戸倉温泉側にわずかに残るスナック街も、上山田温泉の新世界通り~花町通り付近に密集するそれのような怪しげな気配は全く感じられない。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

この辺にも「上山田温泉観光協会・飲食店組合」の看板が吊るされていた。地理的には戸倉温泉側の飲食店街となっているが、地図上で見るとこの界隈の住所も「千曲市上山田温泉」になっている。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

「上山田町温泉二区」と書かれたこの付近は外国人スナック街に侵食されていない昔ながらの温泉街の風情を残している。あゆの甘露煮、おしぼりうどんといった郷土食を食わせる土産物屋、飲食店なんかが軒を連ねている。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

路地の先に入っていくと「ねづみや」と看板の掛かった古い旅館が現れる。上山田温泉が開かれた明治時代から続く老舗のうちの一軒である。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

「ねづみや」の裏の路地。半世紀以上前の風情がこびりついているかのような旅館の建物を横切る。向かいの民家の建物も適度に古びていて雰囲気が独特。

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

民家?の軒先の特徴的な開き窓。その下の足回りのタイル貼りもどこかしら戦後のカフェー建築を思わせる。昔は何かのお店だったのかも知れない。

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信州の知られざるうどん文化…戸倉上山田温泉名物「おしぼりうどん」とは

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

戸倉上山田温泉を離れる前に、温泉街で名物の「おしぼりうどん」を食って行く事にした。長野県の内外を問わず「信州と言えば蕎麦だろ!」と十中八九誰しもが思うイメージに180度抗った「信州名物のうどん」とは如何なるものか俄然気になる。温泉街の中には「八千草」など、おしぼりうどんの看板を掲げる食堂が何軒かあるわけですが…

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

しかし夜はギラギラなのに滅法朝が弱いのがこの温泉街の特徴で、朝からおしぼりうどんを食わせる食堂が全く開いていない。唯一朝から営業していた「温泉の駅 澄銀」にピットイン。土産物店がメインで、その傍らで立ち食いやってますよ的な庶民派なお店でございますが…

長野県千曲市 戸倉上山田温泉

おしぼりうどんは長野県の中でも当地を含めて主に埴科郡坂城町を中心とした地域で食されている郷土料理である。このおしぼりうどん、うどんよりもむしろ「つゆ」の方に特徴があり、ねずみ大根と呼ばれるこの地方特有の辛味の強い大根をすり下ろした上、布巾で絞った汁に信州味噌を溶かして作ったつゆを釜揚げうどんを浸けて食べるのが習わしである。しかしこれが手放しで絶賛する程旨いかどうかと言われると…うーん…辛い!辛すぎる!後からひりひり舌に来ますよこれ。

海から遠い信州だけに出汁となる昆布も鰹節も取れず醤油も高級品だった、あくまで昔の信州人の食べ物であり、やはりイマドキの観光客にはウケが悪そうである。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。
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