【うどん県なのに泡の国】高松港近くの怪しい半島「城東町・旧八重垣遊郭」を歩く

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高松市城東町という場所はJR高松駅の東1キロ程の場所にあり大きく半島状に突き出た特異な地形となっている。元々は高松港の一部で埠頭となっているのだが明治時代から「八重垣遊郭」が整備され、戦時中に遊郭は空襲で焼失するも戦後は赤線地帯を経て吉原のような特殊な店舗ばかりが密集する色街の典型的な歴史を歩んでいる。

高松市 高松

高松駅からとぼとぼ歩いてくると岸壁の対岸の北浜町から高松港一帯が眺められる。遠目には造船場やその向こうに見える屋島の山並み、近年は北浜alleyなんぞという倉庫を改装したお洒落スポットまで出来ていて東西格差が激しい訳でありますが、そんな場所に隣り合って元遊郭があるんですよ。

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船着場の向こうに見えるは高松の裏名所「城東町」。それっぽい店のビルが対岸からもよく見える。三方を海に囲まれた半島である。日本各地にこうした街はあちこちあるけど、こんなに海に近いロケーションなのは高松以外にあまり見た事がない。

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川一つ挟むと中国丹東の中朝国境から鴨緑江を挟んで新義州を見るかのような心境になるが別に一般人でも入れない場所ではない。見るからにただソッチ系の店ばかりなので用事もなければ近づかないだけなのだが、パツキン姉さんがこっち見てますよ。

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あそこに見えるは朝鮮人民軍の兵士、手前にあるのは不審船か…いや違う、単なる客引きのボーイである。まあ遠巻きに見るだけなら猿でも出来る。ここは一つ城東町に乗り込んでみよう。

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意を決して心の中の鴨緑江を跨ぎ城東町へ足を踏み入れるが、人民軍の兵士ならぬ無料案内所や風呂屋さんの客引きが手薬煉引いて狙っているぞ。その手の店ばかりかと思っていたが運送会社やら土建関係の事務所などといったオフィスもちらほら見られる。それを差し引いてもやっぱり男臭い街並みだわな。

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香川県高松市城東町は明治時代より八重垣遊郭が開かれ、瀬戸内海の寄港地として栄えた大正時代から昭和初期に掛けて大いに繁盛していた。戦災で壊滅するも赤線地帯を経て香川県随一の特殊な風呂屋の営業区域として現在に至る。おおまかな流れは吉原や福原と全く変わりません。

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城東町に入り岸壁沿いの道を進むと土地の歴史を大いに感じさせる「東濱恵比寿神社」が鳥居を西に向けて鎮座している。当然ながら八重垣遊郭が出来る以前から存在していた神社である。

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そもそもこんな土地柄で鳥居の柱にでかでかと「萬民快楽」などと書かれているのでおおっぴら過ぎやろと笑えてしまうのだが、街の今の性質を考えれば至極真っ当な四文字だと思われます。よかったですね。

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東濱恵比寿神社の玉垣には八重垣遊郭時代から続く「新地睦會」に所属する戦後の特殊飲食店45軒の屋号が刻まれている。これらは昭和33(1958)年の売防法施行時にすべからく店を閉めたようだが一部は転業旅館として残っていたそうだ。玉垣に何度も「新地新地新地…」と書いてあるのがやけに興奮しますね。

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ちなみにこの城東町、旧東濱町一帯は高松港発祥の地として、こんな立派な銘板まで設置されている。つまり江戸時代の高松はここから開けていった訳である。

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そして現在の城東町にはこうした分かりやすい佇まいの店舗がずらりと密集する一画がある。店舗数は約12。どの店も結構立派なビルをこしらえていてそれなりに景気は良さそうだ。四国全部に言えるけど、こういう系の街が妙に元気なんですよね…

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ちなみに瀬戸内海を挟んだ岡山県側からも客がわざわざフェリーに乗ってやってくるというのが高松城東町の特徴である。何故なら岡山は教育県で、県庁所在地で政令指定都市であるはずの岡山市すらろくにそういった街が存在しない。岡山市内ならまだしも、玉野や児島あたりなら宇高航路ですぐ来れますからね。

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とは言え我々は旧八重垣遊郭の建物を見たかったので、ソッチ系店舗の黒塗りの送迎車やイカツイ客引きが多数スタンバイしていてどこを見回しても落ち着かない。たまたま通行人を気取るようなロケーションでもないですからね。独特のやさぐれた雰囲気は滋賀県雄琴のそれに近いものを感じる。

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それでも未だこの土地に残る戦後の赤線時代の妓楼を目にしたい訳でグルグル歩き回ってはみるが、どこに行っても現役店舗のボーイの視線を浴びながらの見物になってしまうので、正直なかなかカメラは出しづらいのである。それに城東町界隈は空襲で焼けてしまっているので、残っている建物も戦後の赤線地帯だった時のものと思われる。

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そうした店に限らずホテルなんかも、まあこの一軒だけのようですが有るには有るんですね。夜の城東町の様子が見たいならここに泊まるのもアリではないだろうか。

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城東町6~10番地の指定区域を外れると、半島の先っぽの方には普通の民家や倉庫街などもあって、一応住人の存在もある。ちなみに当初の八重垣遊郭(新地)は東濱恵比寿神社北側一帯を埋め立てて出来たもので、八重の石垣を積んで海中より生まれた新地という事で八重垣の名が付いたとか。

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廃墟同然の佇まいを残す古い妓楼の塀。せいぜい撮れたのはこの程度で、遊郭跡探訪レポートとしては中途半端な形になってしまった。次に来る機会はいつになるのか、それまで老朽化した妓楼の建物が残っているかどうか分かりませんしねえ。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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