那覇市首里大中町、住宅地のど真ん中に生き続ける裏文化遺産な映画館「首里劇場」を見に来た

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戦後長らく鉄道がなかった沖縄に出来た沖縄都市モノレール「ゆいレール」に乗って終点の首里駅まで向かう。

言うまでもなく沖縄の超有名観光地である首里城への最寄り駅となる訳だが、駅から首里城へは1キロくらい歩かなければならず微妙な場所に駅があるというオチ。浦添方面に延伸するような話も聞いているが車社会の沖縄じゃ採算取れるのかどうか微妙な所。

琉球王国の王府があった首里城から那覇の街を見下ろす。かなり内陸のはずなのにすぐ向こうには海が見える。そして那覇市街地は思った以上に狭い土地の上に形成されている事を思い知らされよう。

で、まあお約束と言わんばかりに首里城観光に訪れたりもした訳であるがざっと首里城周辺の観光スポットを普通に回った後で、どうしても行きたい場所があったのだ。

それは首里城から北側に入った首里大中町の一角にある住宅街の中。儀保駅方面へと抜ける道すがらにある。普通に保育園とかがあったりする、何の変哲もない那覇郊外の住宅地だ。

そんな住宅地の外れの路地に入っていくと、相変わらずただの住宅地なのだが、奥の方から何やら異様な外観の建物が姿を現す。

それは首里劇場という名の古い映画館だ。ボロボロになったコンクリート塗装の外壁、申し訳程度の玄関周り、そしてまばらな客の車…全てが場末の空間の中にあるタイムスリップゾーン。

そして首里劇場と言えば那覇市随一の成人映画専門館として現役で活躍している映画館なのである。「只今上映豪華二本立て」の手書きのポスターがただでさえ酷い場末感をより強く演出している。那覇には久茂地とおもろまちにそれぞれシネコンが2ヶ所、あとは桜坂劇場があるくらいで、オールドスタイルの映画館はここ首里劇場くらいしか無くなった。

あられもない出演女優の姿が映しだされた成人映画のポスターも、場所柄に合わず存在感を発揮する。適度に微妙なポジションを狙って上映日程が書かれた白い紙がポスターの上から貼られているのもポイント。幼稚園のそばなのにこんなポスターは教育上云々と野暮な事を言うものではない。

首里劇場は終戦間近の昭和25(1950)年に建設され、大衆演劇に加え映画の上映も行っていた那覇市内最古の映画館である。映画が斜陽化しだした1970年代後半あたりから成人映画館としてシフトし始め現在に至る。建物はもちろん内部も当時のままだ。

一日どれだけいても入場料800円というゆるゆるな価格設定もあるが商売っ気もない感じで、この日も客の車は軽自動車2台だけ。地元のオッサン軍団が3人くらいで車に乗り込んでやってきた。あんたも好きね。

建物の脇も物凄く年代を感じさせる作りだ。老朽化も激しくいつまで現役でいられるか不透明だが、ちゃんと公式ホームページもあって更新情報もあるのでバリバリ頑張ってる感じでございます。

で、結局中には入らなかったのかという話になるが、旅のスケジュールの都合云々で時間が取れず、玄関周りだけ見て泣く泣く引き返した次第。中途半端になって申し訳ないが映画館内部の写真を掲載しているブログは腐る程あるので、そちらを参照して頂ければ幸いだ。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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