この一枚の写真だけだと、穴あきブロックを多用しているあたり「沖縄の社交街か？」と勘違いしそうになるが、あっちは台風の影響を考えると店のファサードにテント屋根は使わないので、やはり本土の風景なのだ。
見るからに風通し良すぎそうな建物。御殿場は標高450メートルの高さにあって富士山からの吹き下ろしの風もあって冬はとても冷えます。なんでこんな穴あきブロックを多用してしまったのか。お洒落だと思ったのかいな。
そんな新天地には「OK横丁」なる一画もあり、まるでノリが赤羽みたいだが、米兵にオーケーオーケー言ってたからそういう名前になったのかしら。OK横丁はかなり昔からあるみたいでググると昭和53年に火事で15店舗と旅館1軒が全焼したという情報が出てくる。
艶かしさ全開の新天地スナック街を抜けると、その先には旅館と一体化した乙なスナックがまた一軒。まあ見るからに商売っ気がないのが気掛かりですが、自家用車が置かれているあたり廃墟ではないと思われる…「スナックメトロ」というネーミングの語感がまた昭和っぽい。
東京メトロならぬ御殿場メトロはどこかしらレトロなメトロでございました。
さらにそのスナックとは別にある旅館の玄関口…もう明らかに廃屋ですね。はい。御殿場なのに「旅館博多」。しかも英語併記の看板というのが時代を感じさせる。
そして極めつけにきたのがこれだ！「キャバレーグランドアイドル御殿場店」。なんてったってアイドルですよ。いろんな意味で素晴らしすぎる。「キャバレー」も「グランド」も「アイドル」も、全部昭和っぽい単語ばかりなのがイイ。まあこれもどう見たって現役じゃなさそうですけどね。
この過剰な4列構造の電球で縁取られたド派手な看板がかつての御殿場新天地の夜を盛り立ててくれていたのだろう。やっぱり昔からの自衛隊員御用達店だったのかなあ。今となっては新天地に遊びに来る自衛隊員もめっきり少なくなったそうである。
看板に取り付けられている電球は経年劣化で一部外れていてコードで辛うじてぶらぶら繋がっているものも。中には落ちてしまったのか無くなってる電球もある。実に危なっかしい。
「アイドルはやめられない」とキョンキョンも歌っていたのに御殿場のアイドルはすっかり辞めてしまってました。小泉今日子は現役でアイドルですけどね。なんですか潮騒のメモリーって本当。
潰れてしまったフィリピンパブの看板が道端に落ちていた。そういえばこの街も結構外国人の姿をよく見るのだ。東京から割と近いし、夜の様子も見に来た方がいいかも知れんね。という訳で軍都御殿場の素敵な盛り場「新天地」の街並みでした。
