仙台市地下鉄東西線開通で便利になった「八木山」のベニーランドと朝鮮学校

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青葉山・仙台城を抜け、都心にあるとはにわかに信じがたい断崖絶壁の竜の口渓谷を跨ぐ、自殺の名所とも言われる八木山橋(橋の下は高さ70メートル)を抜けた先には、仙台市民の遊び場として昔から馴染み深い八木山動物公園と遊園地「八木山ベニーランド」がある。

仙台市 八木山

2015年12月6日に仙台市地下鉄東西線が華々しくオープンしたそうで、この新路線は八木山動物公園駅と荒井駅の間の13駅を13.9キロの区間結ぶ、仙台の新たな交通網として整備されたものだが、開業以来利用者が伸び悩んでいるらしいので、是非当サイトからも仙台市地下鉄東西線を使って便利になった八木山に行ってもらいたい次第である。

仙台市 八木山

八木山ベニーランドは、既に関東や関西の都市圏ではとっくに絶滅してしまったかのような昭和の前時代的な遊園地がそのまま残っている、一見すると子供の頃にやってきた遊園地の思い出がかすかによみがえるような感情を覚える、非常に懐かしい空間だ。

仙台市 八木山

遊園地の入口横に掲げられた手書きの園内案内図もアナログ的で素敵過ぎる。首都圏のみならず地方の遊園地は続々廃業の方向にあるが、連休中ということもあってかベニーランドの中は非常に賑わっていた。時間があれば寄ろうかと思ったが、今回の仙台訪問では時間の余裕がなく諦めた。

仙台市 八木山

今回我々の目当ては残念ながらこの遊園地ではない。仙台市民の憩いの場であるこの八木山ベニーランドの近くに、東北地方で数少ない朝鮮学校があるという事を知り、一度見ておこうと思いやってきたのだ。

しかも、その場所が街から外れた山の中に孤立しているというのだ。

仙台市 八木山

ベニーランドや動物公園などがある八木山の市街地から北側の横道に入り、急坂を登っていくとマンションや人家が無くなり完全に森の中に入り込む。1.5車線分しかない山道をおよそ1キロ近くはくねくねと進んで行く。わからずに迷い込むとかなり怖い道だ。

仙台市 八木山

しばらく森の中を進むと、その途中にぽつんと一軒だけ建っている民家が現れる。ここは仙台でもかなり都心に位置するはずなのに、まるで隠れ里のような風情だ。

仙台市 八木山

民家の脇から下り坂が続いているが、この先は行き止まり。どうやら私有地となっているようだがその旨を示す立て札もない。

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航空写真で見る限り、廃屋と化した工場のような建物が数棟と、大量の廃自動車が置かれているのが見える。恐らくはスクラップ工場か何かであろうか。

仙台市 八木山

さらに山道を抜けた先にあるのが「東北朝鮮初中高級学校」の敷地である。ここが東北地方における中心的な朝鮮学校で、他に東北地方で学校があるのは郡山くらいしかない。

仙台市 八木山

来た山道をそのまま進むと右手側に朝鮮学校の校舎が見える。かなりの広さがあるものの、くすんだ鉄筋コンクリート築の建物のボロさはまるで廃墟と見紛うかのようだ。

仙台市 八木山

なぜこんな山の中に朝鮮学校を作ったのだろうか、そのいきさつはよく分からないが、この道中の林道もかつて在日朝鮮人が開墾したものという。

ちなみに近くの遊園地ベニーランドの正面に宮城朝鮮会館(固定資産税の滞納で敷地が仙台市に差し押さえられている)もあり、昔から何らかのきっかけで八木山付近に朝鮮人の移住があったものと思われる。

他にも同様に山の中にぽつんと学校がそびえているような場所は、京都の銀閣寺裏に校舎を構える京都朝鮮中高級学校などがある。

仙台市 八木山

東北朝鮮初中高級学校は現在の場所に1965年に設立(高校にあたる高級部は1970年)東北地方全域からやってくる学生が敷地内にある寄宿舎で生活しながら所謂小1から高3まで一貫教育を行う学校だったというが、近年は入学者の減少で高級部を廃校したという。

拉致問題を皮切りにした北朝鮮への世論の高まりで朝鮮学校への入学者がどんどん減っているのは全国的な傾向にあるが、そんな朝鮮学校の存在も時代の流れに取り残されたものの一つである。

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東北朝鮮初中高級学校の校舎は東日本大震災で全壊していた

2011年3月11日に発生した東日本大震災の揺れは、老朽化著しい東北朝鮮初中級学校の校舎が全壊する被害を及ぼしている。同年に宮城県からの補助金が打ち切られ、校舎の再建は未だに目処が立っていない状態で、朝鮮学校の生徒はこれまで宿舎に使っていた建物で授業を行っている状態だという。

我々が当地を訪問したのは震災前の2010年5月で、この当時は校舎が残っていたが、見るからに著しい老朽化が分かる状態だった。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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