仙台城直下のゴーストタウン!川内追廻地区の引揚者住宅群を歩く (全3ページ)

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この記事で紹介されている仙台市追廻地区は現在立ち退きが完了し地区内に入る事が出来なくなっています。当レポートの取材は2010年5月当時のものです。ご了承下さい。

青葉城とも言われる、かつて伊達政宗公が築き上げ、代々伊達家の居城であった杜の都・仙台のシンボル「仙台城」。そのすぐ近くに、傍目から見ると目を疑うような不思議な街が存在する。そこは「川内追廻」(かわうちおいまわし)地区。追廻住宅と呼ばれる一帯だ。

仙台駅からも徒歩で来れそうな距離にある青葉城の真下、広瀬川沿いに開ける南北に長い平地には、戦後になって満州引揚者や戦災で家を失った市民の為に当時の住宅営団によって造成された「仮設住宅」の名残りが今に続いている。

戦後60年以上が過ぎ、仙台市側はあくまで仮設住宅として提供された土地であるとして、追廻住宅を更地にして青葉山公園として日本庭園などを整備する計画でいるが、一部住民が反発して立ち退かない事から交渉が長期化している。

追廻地区の入口には「追廻住宅案内図」と書かれた巨大な看板が置かれているが、かなりの規模のものであることが見て取れる。しかし2008年の時点で追廻地区の人口はわずか75世帯144人しか居ないそうだ。

現在はこの住宅地の殆どが立ち退きで更地となってしまっていて、立ち退きに応じない家だけがポツンポツンと草むらの中で佇んでいるという異様な光景が広がっている。

広瀬川を挟んだすぐ向かいは仙台の中心市街地だが、追廻地区に入るとのっけから「大草原の小さな家」状態になっていてそのギャップに驚いてしまう。

もともと国が建てた仮設住宅だった場所で、立ち退かずに不法占拠をしているという理由で仙台市は長年住民に立ち退き交渉を続けているが、道路や上下水道などのインフラ整備が滞っていて、住民の出費でそれらを整備した事、もしくは様々な既得権益から行政に反発し、立ち退きを拒み続けている。
仙台市と住民との確執はおよそ50年休まることなく続いているという。

追廻地区のメインストリートである大通り。郵便ポストがぽつんと建っているだけで、この場所には市営バスの乗り入れすらなく、もちろんコンビニの一軒もない非常に寂しい場所だ。
殆どの住居が立ち退いている為、地区のどこに居ても街並みの眺めが良い。

残っている家もだいたいは改装するなどしてまともな家が多いが、一軒だけぽつんとオンボロバラック家屋が残っていて生々しい。見るからに人が住んでいる様子が無さそうな感じだが、もし本当に誰も住んでいないなら仙台市に取り壊されるはずなので、やっぱり誰か住んでいるのだろう。

追廻地区にある掲示板には憲法9条がどうたら書かれたチラシだけが貼られていてやたら偏りまくっている。京都のウトロだったり、多少経緯は違うが同じように立ち退き問題を抱える不法占拠系物件を見てきたが、そういう街には得てして現れる左翼政党の存在。

そんな事を考えていたら本当に共産党のポスターだらけで笑ってしまったんですが。なるほど、合点が行く。

かつての住民の私物だったのか、使いもしないリアカーや猫車の残骸がバラックのそばに乱雑に捨てられている。そこかしこに感じられる戦後の痕跡。

徐々にではあるが立ち退き交渉にしぶしぶ応じる世帯がいるようで、残っている家の何割かは人が住んでいる様子のない家だったりする。
自家用車が多いのは仙台という土地柄もあるが、中心市街地に近いにも関わらず公共交通網からもハブられている追廻地区特有の事情もあるからだろうか。

アスファルトがデコボコになったまま周囲は草で覆われて、立ち退いた家の跡地には等間隔にコンクリートブロックが設置されている。遠目に見ると、大袈裟だがマチュピチュ遺跡に見えない事もない。本当に奇妙な場所だ。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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