高知が誇る唯一無二のセルフビルド建築「沢田マンション」に泊まってきた (全4ページ)

【キュレーションメディア等、他サイトへの記事中の文章・画像無断転載厳禁】

東日本大震災の被害などでも思い知らされたように日本が地震国家で昨今の耐震偽装事件で知られる某姉歯物件などを見てもマンション業界やデベロッパーへの不信感が際立つ今日この頃ですが、四国の高知には建築基準法を無視して一個人が自分の脳内設計図だけで創りあげてしまった物凄いマンションが存在する。

それが沢マンこと「沢田マンション」。今更説明の必要もないくらい有名な物件である。通称軍艦マンションと呼ばれる通り間近に見ると軍艦そのものの佇まいである。昭和46(1971)年着工以来、創造主である沢田嘉農氏とその妻や子孫が一家総出で創りあげてきた日本でも稀に見る「手づくりマンション」だ。

建物を正面から見るとその独特なマンションの全景を窺い知る事ができよう。地上6階地下1階、設計から建築まで全て個人プレイというやりたい放題パラダイスの極致、ナイトスクープで紹介され桂小枝探偵もぶったまげた程の超有名物件。残念ながら創造主である沢田嘉農氏は2003年に他界されていて現在はその子孫の方々が住まわれている。

その後増築工事は行われていないが、予定では10階建てになるはずだったらしい。言わば一世一代で築き上げた夢の城である。この沢田マンションが出来たのは今から40年前、創造主である沢田嘉農氏が昭和46(1971)年に着工、44歳の時にこの土地を購入し「自力でマンションを作る」という自身の夢を叶える為に工事を始めた。設計図は全て「嘉農氏の頭の中」。2年後に第一期工事を終えて4階建て24戸のマンションが完成し入居が始まる。

沢田マンション内部には「沢マンの噂」と書かれたポスターが残されている。昔は釣り堀やら卓球場、露天風呂まであったようだ。「違法建築のかたまりらしい」の問いに「そうです。はっはっは」と答えてしまっている。突き抜けとるなあ。

確かに建築基準法には違反していてそれは明白であっても建設当時から高知市の対応は大らかで、事実上黙認状態のまま「軍艦マンション」の異名を持つ高知のサグラダ・ファミリアは70世帯100人が住む大規模マンションとしてこの地に君臨する事となった。

そして建物は「百年はもつ」と自称していた通り、個人プレイとは思えない程重厚かつ頑丈に作られている。某姉歯物件や商売のうまい大手デベロッパーのマンションなど屁でもない。

沢田マンションの所在地は「高知市薊野(あぞうの)北町」。高知駅北東2キロにあり、最寄りに土讃線薊野駅があるが高知駅から頑張って歩いて来れなくもない。地名の薊の字は「あざみ」であり読み方が違うだけで田園都市線の「あざみ野」と同じなんですね。なんだ高級住宅地じゃん。

現在も沢田マンションは空き部屋多数につき入居者募集中。不動産会社を通さず家主と直接交渉できるので入居費用もお安く済みます。だいたい3万円から4万円台なんですね。土地の安い高知ならではだが、東京じゃ同じ広さで家賃3倍取られますわな。

沢田マンションで生活してみたいけど高知に住むのは無理…旅行中ちょっとだけ…という微妙な需要にも応えておられるようで、ウィークリー用の部屋がいくつか用意されているので電話予約して一泊だけ泊まってみる事にした。

それではお部屋にお邪魔しますかね。5階の沢田さん宅で料金を支払ってから鍵をもらって来る事になる。ベランダから家に入るみたいな感覚だがこれが沢田マンションでは普通。

中はまあまあそれなりの広さである。ウィークリー利用を前提としているのでベッドや家財道具一式が置かれていてすぐ生活できます。いやあ有難いですね。ちなみに一泊からでも宿泊可能。一室一泊3500円。

台所の横には謎の囲炉裏的スペースが。所々に創造主のご趣味がちょいちょいと反映されている。ここで炭焼きとかやれるんでしょうか…いや、やめといた方がいいですよね。

間取りもヘンチクリンで、ベッドが置かれた先の細い廊下を進んで奥のトイレと浴室に行く羽目になる。そこにクローゼットも置かれていて、確かに使いづらいわなこれは。でもあの沢田マンションなのだから多少の不便は気にならない、という事で全て済ませてしまいましょう。

トイレは昔ながらの和式でした。ウォシュレット付きじゃないと嫌とか贅沢な事は言わないの。

気になる浴室は縦長サイズ。正直五右衛門風呂級の狭さであるがこれだけのものを一人で作ってしまう創造主の偉大さを感じながらお湯に浸かっていれば多少狭くとも気にならんだろう。

裏の勝手口を開けるとそこはベランダ…ではなく車の通り道に設計されたコンクリート剥き出しの通路となる。物干し台の残骸が置かれているが、基本的にここで洗濯物は干さないらしい。

ウィークリー部屋のテーブルには「沢田マンション物語」の書籍とノートが置かれていた。ノートのページをめくると全国各地から旅行者が記念カキコしているのが見られた。

何故か部屋の真ん前には「コインランドリー」があるという…洗濯機と乾燥機が一個ずつ置いてますな。旅行者には優しい心遣いである。高知にご旅行の際は沢田マンションマジオススメであります。

>2ページ目を読む


The following two tabs change content below.
新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
タグクラウドから記事を探す
スポンサーリンク
DEEP案内編集部のnote

知ってました?DEEP案内編集部のnote

ネット上で大っぴらにするのはちょっと憚られる内容の記事は「DEEP案内編集部のnote」で書く事もたまにございます。全て100円からの有料記事となっておりますので興味のある方のみご利用下さい。

スポンサーリンク
トップへ戻る