宇都宮にある例の巨大地下空間「大谷石採掘場跡」を見物してきた

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宇都宮市街地の北西5キロくらいの位置に、宇都宮が誇る石材「大谷石」の採掘場がある。大谷石は大谷町という地名から来ている通り、この付近の岩場で取れる良質な凝灰岩である。東京にあった旧帝国ホテル(現在は愛知県犬山の明治村に移築展示中)をはじめ、建築物の外壁や土蔵など、様々な建材に使用されてきた。

特に栃木県内では民家の外塀や土蔵など至る所にふんだんに大谷石が使われているのが見かけられ、上質の大谷石であればあるほど富の象徴であるとされてきた。

宇都宮と言えば餃子しかイメージ出来ないのは非常にアレなので、せっかくだから「大谷資料館」でも見ていこうという事になった。駐車場を降りるとのっけから断崖絶壁がそそり立つ採掘場の風情が楽しめる。

「大谷資料館」は実際の大谷石採掘場跡の坑道に入り込んで内部を見学する事が出来るという施設。交通便の良い場所ではない上に地味な場所だが、訪れる客の姿は意外にも多い。

入館料600円を受付で払い順路に従って中に入ると、受付棟の先からひんやりと冷気の立ち込める坑内へと道が続く。

下り階段の通路を抜けていくと、突如として巨大な地下空間が姿を現す。これが大谷石採掘場跡である。見た目にはどこぞの地下帝国か何かかと思わせるような非現実的な空間に驚きを隠せない。

採掘場跡の巨大空間の下からエントランス側を見る。ちょうどよく入場者の姿が見えるのが分かるだろうか。人の大きさから比較して、この採掘場跡の巨大さが理解して頂ければ良い。

これだけの空間の存在は非常に珍しい上に音響効果も抜群という事なので、これまで数多もの有名バンドがPVのロケに使ってきた。GLAYにLUNA SEAにX JAPANにB’zに長渕剛に…多すぎて数え切れません。

あとは映画のロケ地として「20世紀少年最終章」にも使われたり。まあ、例のプールならぬ「例の採掘場跡」みたいなもんですね。

非現実的な空間も相まってか坑内にはよく分からないアート作品も置かれていて、珍スポット具合に拍車を掛けていた。

ライトアップされ青く塗られた三本の柱。何を意味しているのか結局分からなかったが、採掘場跡とは無関係な物体を置かれてもそれはどうなのかなと少し思ったりもする。

壁面に刻まれた横一直線の紋はかつて手掘りで採掘作業を行っていた時の跡だという。昭和35(1960)年頃まではツルハシによる手掘りが主流で、五十石とか六十石と呼ばれる人の運べるサイズ(約70~150キロ)に切って人力で坑外に運び出していた。

石一つ切り出すのにツルハシを振るう回数は約3600回。せいぜい1人で1日12本運び出すのが精一杯で気が遠くなるような物凄い重労働だ。当然、石は高価なものとなる。

この広大な地下空間は、大正8(1919)年から昭和61(1986)年までの期間に渡って延々と大谷石を切り出しまくって出来上がったものである。野球場まるごと一個分がすっぽり収まる広さ。そりゃ秘密の地下基地にしようと思ったらできない事もないよな。

それで、やはり戦時中は軍事工場として転用された歴史を持っている。中島飛行機の戦闘機「疾風」の機体工場だったというのだ。当時は埼玉の吉見百穴とかも軍事工場だった訳だが、終戦までこの大谷石採掘場に作られた秘密工場の存在は知られていなかったそうだ。

採掘場跡を離れると周囲には沢山の石材業者に混じって大谷観音などの寺院がある。本当はもっと色々見所があったのだが、スケジュールを端折ったので今回は大谷観音だけ。

特徴ある断崖絶壁の洞窟と融合するかのような本堂。この中には本尊である磨崖仏群があり有料で拝観する事が出来る。写真撮影不可なので、ここでは外観だけ。磨崖仏群は日本最古の石仏で弘法大師の作と言い伝えられているそうだが…

境内は大谷石の特性を活かして作られた磨崖仏群や洞穴などが各所に見られる。さらに宝物館には縄文時代の最古の人骨なるものが展示されていてかなり凄いのだが、これも撮影不可なので現物は自分の目でご確認を。

絶壁の下に広がる池の中には弁天堂。しばし一息ついて宇都宮の地を離れる。次は日光へ行こうか那須へ行こうか。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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