三井三池炭鉱で栄えた鄙びた港町の赤線地帯…「大牟田市三川町」を歩く (全2ページ)

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福岡県の最南端、西鉄天神大牟田線に乗って行く所まで行くと熊本県との境目にある街が大牟田市であり、この街は県境を接する南隣の熊本県荒尾市と並んで、江戸時代に始まり1997年に閉山した「三井三池炭鉱」を中心に栄えた炭鉱町であった。

福岡県 大牟田市 三川町

大牟田と荒尾の両市街地の中間くらいにある「三池港」が、かつて三井三池炭鉱で採れた石炭の積み出し港であり、この三池港に程近い「三川町」という一帯には荒くれた港湾労働者のおっさん達を癒やす赤線地帯とやらがあったとか何とか、そう聞きつけてわざわざやって参りましたよ。

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三池港も今来てみると、有明海に面した寂れた港町の一つという印象しかしないのだが、現在もこの土地に残る上級船員用の宿泊施設「旧三井港倶楽部」の建物がそのまんま残っていたりして、石炭積出港としての威容を誇っている。明治41(1908)年8月に三井財閥によって建てられたとある由緒ある洋館だが、どうも休業日だったらしく見学できずじまいだった。中は洋食レストランらしいんですけどね。

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三池炭鉱は1997年に閉山し、その後15年以上が経過しているが、見ての通り「三井石炭鉱業株式会社三池鉱業所」とプレートが残る、かつての鉱業所は取り壊されもせずに置かれている。三池炭鉱関連の観光可能な施設は荒尾市側にある「万田坑」みたいな場所もあるが、こっち側はまだそんな感じではなさそう。

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どうにもオワコンな感じしかせず気乗りしないし早く大牟田のクソ寂れた中心市街地が見たくて仕方が無かったのだが、ともかく当方のレッドライト・ディストリクト・センサーが「ここは匂う」と判断しているので、歩かざるを得ない。国道389号の西側に並行する通りが、かつてのメインストリートのようだ。とりあえずこの道を軸にをふらふらと歩いてみる。

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するといきなりビンゴかよと唸ってしまいそうになる怪しげに豪奢な木造建築の成れの果てがそびえているのだ。既に空き家と化しているようだが、建物の左半分を覆っていた緑色と白の巨大なテント看板は、長年の直射日光によって緑色の部分だけ劣化して剥げ落ち、「麻雀クラブ ミ○ス」と一部欠けた屋号が読める程度になっている。「ミ○ス」…何だろう、ミセスか?いやぁ…

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開けっ放しになった二階の窓から、何者かが覗きこんでいるかのような、なんとも奇妙な気配を感じる建物である。大牟田の遊郭というのは、ここ三川町でなく新地町にあったというので、少し事情が違うのだろうが、とにかくそのへんの情報が出てこない。

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すぐ隣にある肉屋兼レストラン「肉の山本」さんもお隣に負けない建物の立派さが気になる。そして「すきやき」とだけ書かれた暖簾がさらに気になる。どうでもいいけど店の玄関ドアに共産党のポスターを張りすぎている。元赤線地帯の赤旗なお肉屋さんはきっと赤身が旨いのだろうと勝手に決めつけておく。どうやら大正時代創業の肉屋で、同じ建物で営業している隣のレストランも相当な老舗らしい。なんで素通りしてしまったのかが悔やまれる。

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もはや人通りも無くなり、役目を終えたような街になっているのは大牟田の中心市街地同様の傾向なのだが、それでもやたらと「スナック」が多いのが気掛かりだ。元盛り場であることは現地の様子から見ても間違いはない。

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「スナックみちこ」とその背後にそびえる三池発電所の巨大煙突のコラボレーション。スナックにしてはやけにでかい建物だと思う訳だが、これぞ工業都市の盛り場の風格というやつでしょうか。こういう曰くありげな建物か、解体されて空き地になった寂しい土地のどちらかしかない。

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こんな普通の寿司屋としか思えない店舗ですら蔦が絡まりまくっていて、ある種の威厳のようなものを携えている。三池炭鉱がこの街にもたらした「富」とはいかほどのものだったのであろうか。

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そしてどう考えてもレッドライト・ディストリクト的な使われ方をしてきたに違いない元飲食店の建物も、大牟田市三川町には生々しく残されているのである。斜めに取り付けられたスナックの扉は、もう開く事はないのであろうか。

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このへんも昔はかなりの規模の盛り場だったのだろうと想像するが、さっきのすきやきレストランの「山本」以外、本当に開いている店が一軒もない。

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これだけ寂れた港町ながらも「だいちゃん湯」という随分所帯染みた佇まいの銭湯が一軒ぽつんと営業していました。こんな場末も場末な街で銭湯が現役なのは奇跡的ではないだろうか。大牟田市内に4軒残る銭湯の1つで、営業時間は午後4時から10時半。

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地図を見ると「大牟田市三川町」にあたる部分はこの旧メインストリート沿いに一丁目から五丁目まで南北に長く1.5キロ以上伸びている。その北端は三池港入口交差点からさらに北側の諏訪川で、南端は県境を跨いで熊本県荒尾市四ツ山町に隣接する。

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そして見つけた一軒の旅館。屋号が書かれた古びた看板が掛かっているだけで、パッと見は旅館には思えないしトタンがサビサビの外観だけで「あーあ」と思ってしまったのだが、実は最近まで現役で「営業」しているらしく、それもネット上で不穏な情報が色々と出てくる。リメンバー久留米花畑。筑後地方って奥が深すぎますよね本当に…

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。
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