絶海の孤島・南大東島唯一の集落「在所」で食べる幻の下痢魚インガンダルマの味 (全2ページ)

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南大東島 在所

在所集落のメインストリート北側に所謂大人の盛り場的エリアが広がっている。昼間見ると全然人通りもなく寂しい限り。逆に言えばここしか羽目を外せる場所がない訳で、あとはたまの長期休暇の機会に那覇までフェリーに乗って遊びに行くくらいしかない。泊ふ頭に近い前島界隈が怪しい店ばかりというのも、こういう離島の人達の遊び場所になってるからだろうな。

南大東島 在所

こんな太平洋のど真ん中の離れ小島だけどギャンブルする所も一応あるんですな。パチスロ専門店パシフィック。島の街並みは終始男臭いばかりで、観光客ウケしそうな甘ったるい土産物屋などは皆無だ。

南大東島 在所

その向かいにある「ショークラブウェーブ」が南大東島でも有名な社交場で夜には島の男どもで賑わっていました。昔はフィリピンパブも何軒かあったが入管法改正で島で働くフィリピン人女性の数は少なくなったようだ。現在も島の男と結婚したフィリピン妻が20人くらいひっそり過ごしているらしい。出会いの機会も乏しい絶海の孤島特有の事情か。

南大東島 在所

島で唯一っぽいカフェらしき店も「CLOSED」となっており様子を確かめる事も出来なかった。先にも書いた通り昼間は大東そばの食堂かその周辺の何軒かくらいしか外食出来る場所がない。意外と若い住民も多くて、与那国あたりの過疎化っぷりとは対照的な島なのだが、島外からの移住者がカフェを経営するとか、あまり新しい事をやろうという雰囲気は感じられない。

南大東島 在所

ただ本当にスナックの類は多くて、これは島に来て最も意外に思った事の一つ。人口規模では与那国島と殆ど変わらんのだが、向こうの集落はこのような派手さはなかった。

南大東島 在所 割烹喜作

島にやってきた日の晩、南大東島での食事は在所地区の盛り場の入口にある「割烹喜作」にて済ませた。ここは島の名物深海魚インガンダルマの刺身が食える店として有名。身は大トロより旨いがケツから脂が漏れてえらい目に合うため市場には出回らないという禁断の魚。そのお味は如何なものか。まあこの店、那覇の泊ふ頭の近くにも系列店があって、結構繁盛してるんですけどね…我々が今回南大東島に来た目的の3割くらいはこのインガンダルマを食する為だった。

ちなみにこのインガンダルマ(インガンダルミとも)は南大東の方言名で「犬がダレる」を意味しており、通称ダルマ。正式名称はアブラソコムツだとかバラムツという種類のもの。食品衛生法により販売禁止指定魚類になっているため市場には一切出回らない。なお韓国では「白マグロ」の名称で売ってたらしいですがね。

南大東島 在所 割烹喜作

那覇の喜作はここの弟さんが経営されてるそうですが、あっちは繁盛しまくりで那覇空港にもここの大東寿司が売られている程。しかしさすがにこちらは絶海の孤島の酒場、客も少なく、近所の常連の婆さんが店主のおじさんに自分の夫が先立たれた後の生活の侘しさを厭世観いっぱいに愚痴っておられたのが印象的だった。南大東島に来て何度も思ったのだが、この島にはステレオタイプな沖縄的な明るさというものが全くないのだ。

南大東島 在所 割烹喜作

まずは大東諸島の名物である大東寿司から軽く頂きましょう。保存が効くように寿司種をたれに漬け込んで作った島寿司の一種でこれも八丈島など伊豆諸島から持ち込まれた食文化の一つである。寿司飯もかなり甘酸っぱいのが特徴。泡盛にも合う。ちなみに那覇泊ふ頭の喜作やボロジノ食堂あたりでも食えるんですがここが本場ですからね。

南大東島 在所 割烹喜作

そして南大東島名物の真打ち、インガンダルマの刺身がやってきましたよ。添えられたわさびの玉が無駄にでかいのは何故だろうか一瞬気になったが、この特徴的な真っ白な身には人間の消化器官では捌き切れないワックス成分を多く含んでいる。食べ過ぎると前述の通りの悲惨な事態となり翌日はオムツを履かなければ観光出来なくなる。これを一人四切れずつ頼んで食ってみた。危険ラインスレスレな量らしいけど我々は別に大丈夫でしたよ。なお、メニューには載ってないので店の人に「ダルマあります?」と直接聞く事になる。

南大東島 在所 割烹喜作

質感をお伝えしやすいよう拡大写真でもう一枚。このインガンダルマも一応那覇の喜作でも運が良ければ食えるけど、あっちは二切れでストップが掛けられるので、油漏れを覚悟して食うなら南大東島まで来ないとね。そして肝心の味は…歯ごたえの良い身にエンガワのような脂の風味が濃厚に舌に絡みつくといった所でしょうかね。いずれにしても那覇か南大東島でしか食えない魚なので貴重な体験には違いない。

南大東島 在所 割烹喜作

インガンダルマの他にも大東諸島で取れる深海魚がこれ。島で「ナワキリ」と呼ばれている魚。正式名称はクロシビカマスとかいうもので縄を切るくらい鋭い歯を持ってる深海魚だけど焼き魚になったら見た目分かりません。これも脂が乗ってて旨かった。深海魚って例外なく現物はグロテスクなクリーチャーなんですが、口に入れてしまうとどうって事ないですよね。

南大東島 在所

禁断の刺身で腹を満たした後は夜の街へ。夜の在所地区は意外にギラギラしまくっていた。人口に対してこれだけスナックや居酒屋が多いのに、経営とか成り立つもんなのでしょうか…と想像するが、他に行く場所もなければ娯楽もないしどうしてもそうなりますわな。島の外から働きにやってくる作業員風の人も妙に多かったし、こんな日本の最果ての島でもちゃっかり経済は回っているのである。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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