ぼっけえ、きょうてえ…川の中州に双子の遊郭島…岡山市「中島遊郭」 (全4ページ)

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日本DEEP案内取材班もいよいよ中国地方まで遠征して参りました。今回は岡山市を訪問。2ch界隈では大都会岡山などと弄られているが、旅行者にとっては割と見過ごしやすい存在。岡山観光と言ったらみんな倉敷に行ってしまうし、瀬戸大橋線で四国に行く奴らには素通りされてしまう。桃太郎ランドはゲームの中だけで実在しない。それでも政令指定都市になれるんだから世の中分かったものじゃない。

そんな岡山の中心市街地に近い表町商店街の外れから今回の岡山街歩きは始まるのだ。まず訪問したかったのが川の中州に浮かぶ「中島遊郭」。岡山駅からここまでは徒歩30分、2キロくらいの距離がある。

岡山駅から中島までは岡電の路面電車も走っているが面倒臭いので近くまで車で来た。路面電車は表町商店街のアーケードが途切れた先のT字路から直角に曲がり、旭川を跨ぐ京橋を渡る。

道中には岡山土産として有名な備前銘菓、大手饅頭伊部屋のご立派な建物もある。かつてはこの界隈が岡山市の中心だったが、市街地は戦後から岡山駅のある西側にシフトしていった。老舗の饅頭屋だけが常に客で賑わっていたがその周囲は寂れて人が居なさすぎである。

そのまま岡電の線路沿いに進むと「京橋」。岡山の京橋にはええとこだっせと歌いたくなるような某総合レジャービルも歓楽街も存在しない。橋を渡った向かいが中島遊郭跡。

さすがに岡山を代表する橋だけあってかなりのレトロっぷりと貫禄を見せる京橋。大正6(1917)年に竣工しているので足掛け100年近い。架け替えも行われず昔のまんまです。

京橋南側には岡山県里程元標が立っている。つまりこれがあるという事は「ここが岡山の中心でした」という意味と同等。東京で言えば日本橋みたいなもの。

橋の北側にはこんな石標まで。以前はここに岡山市役所があったという事だ。鉄道網が発達していなかった昔は海運の都合が良い川沿いに街が開けていた名残りだ。それ故に川向かいの中島遊郭もこの場所で発展したのだろうな。

さらに京橋のたもとにある交番横には曰く有りげなお稲荷さんもある。今はもっぱら寂れているがこの界隈で有名なものと言えば毎月第一日曜日に行われる朝市らしい。

京橋の上を走る岡電の専用軌道。橋を渡る路面電車って味があっていいですねえ。遊郭を目前に昔はここが「行こか戻ろか思案橋」状態だった訳である。

そういえば気になるのが我々取材班が眺めている間にもひっきりなしに行き来する岡山電気軌道の路面電車。全面広告だらけの恥ずかしい車両も走るが、黒一色の怪しい車両もあってバラエティに富んでいる。

なぜか和歌山電鐵貴志川線の「たま電車」のデザイン車両まで走っているのだが、これは和歌山電鐵が岡山電気軌道の完全子会社だからという事らしい。まあ色々脱線気味なのでこのへんで話題を元に戻す。

これから向かう中島遊郭はその名の通り、市内を流れる旭川の中州地帯に島のように浮かぶ遊郭跡だ。島は東西2つに細長く並行し、それぞれ西中島町、東中島町という地名がついている。京橋を渡った先、突如として川沿いの陰気臭い街並みが飛び込んでくる。

遊郭はもちろん他と同じく昭和33(1958)年の売防法完全施行により消滅している。しかしその当時の面影を残す建物がかなり見られる。川沿いから見える料理屋跡の建物には「肉すき、水たき」と書かれている看板が今でもはっきり見える。

ちなみに1964年の松竹映画「拝啓天皇陛下様」(渥美清主演)では売防法施行直後の中島遊郭の建物をロケ地に使っているので、当時の様子を映画のシーンで見る事が出来る。

あと、タイトルからして岡山弁丸出しの有名なホラー小説「ぼっけえ、きょうてえ」(TOKYO MX『5時に夢中!』木曜日レギュラーのお下品なおばさんでお馴染み岩井志麻子さん原作!)も岡山の遊郭(多分中島遊郭の事)を舞台にした話。ソッチ方面では昔の方が「大都会岡山」だったみたいだが今となっては風俗不毛地帯の「教育県岡山」と言われて久しい。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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