別海町・野付半島先端部の幻の町「キラク」伝説

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北方領土・国後島を眼前に控える北海道の東の果ての根室海峡を地図上で見るとオホーツク海に向けてビヨ~ンと伸びた不思議な地形が見える。総延長28キロもある日本最大級の砂嘴で、半島の根元は標津町だが、先端の4分の3は別海町の飛び地である。

まあなんでこんな場所までわざわざ来てしまったかと錯覚を起こしそうになるが、知床半島から根室に向かうとこのルート以外に選択肢がない訳で、妙ちくりんな野付半島の地形も気になったものだから寄り道ついでに見る事にしたのだ。江戸時代には千島列島への中継基地があり武家屋敷や遊郭もあった幻の町「キラク」の伝説がある。



野付半島に入るとその先20キロ近い区間、道道950号野付風蓮公園線という道が砂嘴に沿って伸びている。車をすっ飛ばすもすれ違う人や車も殆ど見かけず集落らしい集落も見当たらない。本当にここは日本の最果て、秘境とも呼べる場所だ。

そのうち「ナラワラ」や「トドワラ」と呼ばれる枯れた森が水辺の向こう側から姿を現してくる。年々地殻変動による砂嘴の水没が進んでいてそれまで生えていた森が塩水で枯れてしまいあのような姿になる。そのうち野付半島自体が地盤沈下で本当の島になってしまう可能性があるそうだ。

しまいにはバス停の名前までトドワラなんですが…トドとは言えどもトドマツという植物の事で、アシカ科トド属に分類される食肉類でもなくましてや別海町生まれの婚活殺人かなえキッチン被告の事でもない。

トドワラの反対側にはオホーツク海。もう目の前はロシアに支配された国後島が肉眼で拝めるという最果て状態。野付半島の最接近部で16キロという近さにある。

北方領土について、日本人でもサハリン経由で渡航できる方法はあるらしいが、ロシアの主権を認める事になるので日本政府としても自粛を要請しているし、ロシア側も日本との外交問題がややこしいので基本的にビザの発給が認められない。今も近くて遠い場所なのだ。

野付半島の入口から15キロほど進んだ場所に「野付半島ネイチャーセンター」がある。ぶっちゃけ自然しか見るもんがないですね。入ってみましょう。

ネイチャーセンターの中には野付半島の自然にまつわる事はもちろん幻の町「キラク」についての情報もある。江戸時代には千島列島の先まで松前藩が統治していた時代もあって、野付半島が中継基地になっていた、キラクの名は樺太の先住民族であるウィルタ(オロッコ)の言葉で「神」を意味する。

やはり北方領土が近いですからね。国後島についての資料や写真も盛り沢山。不定期で行われるビザなし交流の様子が紹介されている。有名なムネオハウスの建物の写真もあったな。

しかし北方領土問題だけは早くどうにかして欲しい。いつまでもロシアと日本の意地の張り合いになっていて旅行に行けないという現状だけはどうも煮え切らない。どこかで割り切れんのかね。

野付半島はラムサール条約湿地として保護されている。かつては幼少時のかなえキッチンも遊びに来た場所かも知れない。別海町がこんな最果ての土地だなんて来るまで知らなかった。

野付半島の地図にも「きらく通行所跡」と書かれている。この通行所自体がキラク集落だったとも言われているが現地は地殻変動でぬかるみが酷く歩いて行ける状態でもなく、それ以前に自然保護上の問題で立ち入りを禁じられている。

この先は車を置いて歩いて行くしかない。どのみち「キラク」跡までは行く事が出来ないので途中まで行ってもしょうがない。港町や交易拠点として栄えていたなら当然遊郭もあっただろうし、伝説に嘘はないとは思う。しかしこの目で見られないのはもどかしい。

傍らには観光幌馬車の幌だけが放置されていた。休日という訳ではなかったからか知らんが幌を引く馬自体どこかに行ってしまっている。

目の前には地平線まで広がる自然があるだけだ。街の痕跡など窺い知る事も出来ないが、かつては千島列島やその先にまで「日本」があった、という歴史だけは確かに存在していたのだ。…というわけで、何のオチも無かった。帰ろう。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。
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