九州の試される大地・筑豊…福岡県直方市「ふるまち通り」が寂れ過ぎて廃墟ビルが壁崩落して危険極まりない件

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九州を代表する福岡県にも様々な地方があり、福岡市や北九州市のような都市部はともかく、元炭鉱町ばかりで昭和の重苦しい歴史と貧しさを背負ったまま寂れた街並みを見せる「筑豊」の各都市は他地方では見られない哀愁を漂わせている。我々は2012年夏に筑豊各所を回って、元炭鉱町の商店街や寂れた街並みをあちこち見聞してきた。

直方市 直方

…で、やってきたのは直方(のおがた)という街。飯塚や田川と並んで筑豊三都市の一つに数えられ、北九州市の南西端と隣接している。北九州市の若松駅から折尾駅を経て伸びるJR筑豊本線に乗ると直方市の玄関口である直方駅に来られる。のっけから駅前にヤンキーがたむろしている…

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JR直方駅前にはかなり古びた佇まいの西鉄の高速バス乗り場が…九州北部、特に筑豊地方の街にはでかい高速バス乗り場がある。小倉に行くにも福岡に行くにも高速バスの方が早いし安いので、もっぱら高速バスが地域の足になっている感はある。

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駅前にある駐車場もやる気のなさそうなパンダがいて脱力しそうになるんですが、今回紹介したいのは直方駅前にある商店街が寂れ過ぎていてヤバイというお話です。駅からちょっと歩いた所に商店街があるので見に行こう。

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直方駅前から「明治町商店街」というアーケード街が伸びているが、そこから東側に少し歩くと「ふるまち通り」(古町商店街)というアーケード街が南北に伸びている。ここが筑豊直方を代表する商店街で、旧長崎街道沿いに連なる歴史あるメインストリートのはずなのだが、見ての通りのシャッター街ぶりで泣ける。

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直方もまた筑豊炭田を主とした炭鉱産業で栄えた町であった。昭和51(1976)年に最後の炭鉱が閉山となった後は鉄工業などが主力産業となっているが、人口は減少傾向にあり、ふるまち通りのやたら立派なアーケードが逆に痛々しく思える。一応この時は夕方あたりに通りがかったんですが、買い物客が全然居ないんだもん。

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そんなアーケード沿いにやたら重厚なモダン建築が現れて、これは何だと思ったら大正時代に建てられた旧十七銀行直方支店で、その後は旧福岡銀行直方南支店だった建物。現在はアートスペース谷尾と書かれている通り、直方市美術館別館として使われている。

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重厚な銀行の建物がある町は昔しっかりした産業があった事を示すバロメーターみたいなものだと思っているので、こういう建物を眺めながらかつての直方の繁栄を偲ぶ訳ですが、そこから視点をずらしてみるととんでもないものが目に飛び込む。

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え…なにこれ…何か崩落してますけど…ビルの外壁がそのまんま歩道に落下して、周囲には規制線が張られて通行止になっているではないか。

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ちょっと引いて見てみましょう。豪快にビル一個がまるごと廃墟と化していたのである。一階部分は以前はサーティーワンアイスクリームやらライブハウスなんかが辛うじて入居していたらしいが、全て撤退済みで、かなり長期間放置されたビルである事が分かる。街一番の目抜き通りがこれですよ?さあ筑豊の現実を直視せよ。

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元々この廃墟ビル、「丸寿」というローカル百貨店みたいなロゴが入った商業ビルで、レジャービルのような外観だが、ともかくこんなでかいビルがまるごと廃墟になっていて、外壁が落下したまま放置されているのだから凄い。運悪く下に歩行者がいたら死人出てもおかしくないですよね。ちなみに崩落があったのは我々が直方を訪問したちょうど2012年6月の事で、1年3ヶ月放置されて通行止めが続いていたが、その後建物解体の見通しが立ったと報じられている。

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また奇しくも直方では1990年にビル外壁落下事故が発生し直撃の被害を受けた通行人3人が死亡する惨劇を経験している。ゴーストタウン化が進む筑豊に住む限り付いて回るリスクの因縁ですかね…

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どんな寂れた街でも地元のオッサンの溜まり場たるパチンコ屋くらいは開いているものだが、直方のふるまち通りにあるパチンコ屋も郊外の大型店に押されて見ての通りの廃墟状態。「MAINICHI PACHINKO」と書いてあっても毎日どころか二度とパチンコで遊べませんね…

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アーケード街の途中の車道に設けられた車両止め看板の広告も非常に古めかしい。直方ショッピングと書かれてますが、地元のサラ金業者のものでしょうかね。

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ふるまち通りのアーケード街は南側に連なる「とのまち通り」と併せて全長500メートルあり、さらに直方駅前に分岐する明治町商店街と、ふるまち通りの北側からさらに伸びる「須崎町商店街」の計4つのアーケード街がひしめいている。アーケード街天国の九州では別に珍しくもないのだろうが、東京だとこんな規模のアーケード街は武蔵小山とか大山くらいしか知らん。

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せっかくオツそうな佇まいのレトロな洋食屋っぽい看板を見つけてテンションが上がりそうになるも、軒並み廃業してシャッターを降ろしたままになってるので、泣けてくる。結局食うものがないので駅前の「もち吉」(筑豊直方発祥で全国チェーン展開する米菓店)でおかき買って飢えをしのぎましたよ…

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滋賀県のピエリ守山が「生ける廃墟」だと騒ぎになったのも記憶に新しいけど結局別会社の手によって復活できたし、郊外型ショッピングモールが全盛のこの時期に古い産業構造に依存してきた街の中心市街地なんて悲惨な事になるだけで、ここ直方だけではなく飯塚や田川あたりのそれもかなり衝撃的だった。ピエリ守山を笑えません。

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ようやく開いている店があると思って入った和洋菓子屋さん、しかし様子が変で、店員は誰も居ないし店の中央にはテーブルと椅子が置いてあって喫煙所状態になっている。これはどういう事だと店内を見回すと…

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なんと和洋菓子屋がコインランドリーと化していたのである。「成金饅頭 バウムクーヘン」などと書かれた看板とコインランドリーの洗濯機や乾燥機が同居するこのミスマッチな風景も筑豊直方だからこそ見られるもの。ちなみに成金饅頭というのも有名な直方銘菓です。「もち吉」と一緒に覚えておいて下さい。

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直方の伝統銘菓「四宮成金饅頭本舗」の店舗を兼ねたコインランドリー、一応まだ和洋菓子屋としては機能しているようで、ガラスの陳列ケースも置かれたままになっている。「すみませーん」とか声を掛ければ中から店主が出てくる仕組みにでもなっているのだろうか。

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こんなに立派なアーケード街なのにどこ一つ店が開いていないし誰も歩いていない。念の為にしつこく言いますが、早朝に撮ったんじゃないですよ、夕方5時台に撮ったんですよ?どうしようもなく寂れた光景を嫌になる程拝みたいなら筑豊の旅は欠かせません。直方のアーケード街も、是非お勧めします。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。
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