港のすぐ近くに、早朝から店をあけている所があった。花咲ガニを扱う「大八食堂」だ。まだ朝6時だったが既に店主のオジサンが忙しくカニを茹でまくっているのでお邪魔させて頂いた。
店先には真っ赤に茹で上がった花咲ガニが籠に積まれて置かれていた。水蒸気に混じる磯とカニの出汁の匂いがたまりません。やはり花咲ガニと言うくらいあってここ花咲港を含めて2ヶ所の港でしか水揚げされない珍しいカニでもあるのだ。
店の裏手の調理場まで見せてもらったりしてすみません本当に。水槽にはこれでもかとカニが入っとります。ちなみに花咲ガニはヤドカリの仲間らしい。
次々店先に陳列されていく花咲ガニ達。真っ赤に茹で上がり、まさしく花が咲いたような派手な色となる。根室では7月から9月が花咲ガニ漁の時期で、我々はちょうどいいタイミングに来た訳だ。カニと言えば冬のイメージがあるけど、花咲ガニの場合は違う。
食欲に負けて結局花咲ガニを食って帰る事にした。さすがに朝6時台では早すぎると断られたので、店の営業時間である朝8時に出直してきた。大八食堂の店内、街の中華料理屋のような佇まいで、カニの他にもラーメンや豚丼などが食えたりする。
一匹2500円の大きめのカニをご指名しました。外子と内子をたっぷり腹に抱えた年頃のメスでございます。東京で食ったらいくら取られるんだろう…と考えるのだが、収穫時期が限定される食材なのでよその地域で出回る事は殆どなく、東京ではカニ専門店で見かけたらラッキー、という程度だそうだ。土産物として宅配で送る事は可能だけども。
茹でたてで香りも味も濃厚過ぎ、蟹味噌から外子内子から食えるだけ食ってきた。それはもう至福の時間だが、食べる際に常にハサミが必要で最後まで食べきるまで30分掛かった。付け合わせの鉄砲汁も旨かった。日本の最果てに来たからこそのささやかな贅沢でした。
大八食堂
営業時間 08:00~18:00 不定休
北海道根室市花咲港68
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