オンボロバラック市場が再開発計画で見納め間近…沖縄一朝が早い「農連市場」再訪

那覇市

深夜2時半を過ぎた那覇市街…さすがの夜更かし好きな県民性である沖縄でもこの時間になると街から人通りも消えるものだが、我々はある目的の為に無理矢理早起きした。「早朝の農連市場の様子を見に行く」という前回の農連市場訪問で果たせなかった目的を完遂する為だった。その為だけにわざわざ農連市場に近い所に宿を取って、クソ眠い中、寝ぼけ眼をこすりながら農連市場の近くにある開南バス停前まで歩いてきた。

那覇市 樋川

そう言えばこの近くには神里原という古く怪しげな飲食街があり、普段はオジイオバア率が高いこの界隈でも、夜中になると怪しい灯りを点したスナックの軒先にオバハンが座っていたりまあ色々とカオスなのである。妙に24時間営業の食い物屋も多いし、良くも悪くも東南アジア的なんですよこのへんは。

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開南バス停前にある24時間営業の「丸安そば」も開放的な外カウンター席に何人もお客が座っている。この界隈は夜中も眠る事はない。呑みのハシゴの末の締めの一杯なんだろうか知りませんけど、沖縄そば一杯300円は物価の安い沖縄でもかなりの底値です。タクシー運転手御用達店。

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真夜中に漂う沖縄そばだしの匂いに後ろ髪を引かれながら農連市場前までやってきた。ただいまの時刻、午前2時50分…周りは夜明けとは程遠い深夜の真っ只中、市場の入口は煌々と灯りが照っている…いくら朝が早い市場だと言っても、本当にこんな時間から開いてるんですかね…

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バラック建ての農連市場の中に入ってみた。確かにこの時間から既にオバーがぽつぽつ現れて、路上に売り物の野菜を並べ始めている。早ければ午前1時から支度を始めている人がいると聞いていたが、この様子から見て間違いないようだ。この時間は早朝とは呼ばない。深夜である。

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採れたてホヤホヤのゴーヤやネギなどが袋に詰められて大量に並べられていた。このへんの食堂とかスーパーとかの業務用にどっさり買われて行くんでしょうか。もっとも那覇市内の食堂は24時間営業の所もアホみたいに多いので、うちなータイムに慣れると時間の感覚がだんだん分からなくなってくる。

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午前3時から6時くらいが農連市場が一番活気付く時間帯だと聞いていたのだが、まだ微妙に早いのか、野菜が並べきられていない店も多い。かなり寝ぼけてしまっていて記憶があやふやなのだが、市場のオバー達はピンピンしている。我々とは生命力が根源的にどこか違う気がする。

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昭和28(1953)年に開設され60年の歴史を刻んだ沖縄屈指の老舗市場、台風被害が厳しい沖縄の特異な気象状況とは裏腹に粗末なオンボロバラック状態で生き長らえてきた貫禄は現地でしか味わえない。台風で建物が壊れる度にこまめに修理を続けてきたのだろう。

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農連市場と言えば「相対売り」と呼ばれ、値札を付けず店主と客が話し合って値段を決めて買う昔からの独自ルールで品物が取引されているのが有名。現在ではすっかり時代の波に取り残されて地元民も便利なスーパーで買い物するようになったので、売る側も買う側も高齢者が殆どなのである。

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まあ、でも午前3時前はさすがに早すぎましたかね…あんまり野菜とか並んでないし、見るところはと言えば古びた木造掘っ立て小屋状態の市場の風景くらいか…

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…と思ったら唐突にダンボールに警告文を貼り付けている光景が…「防犯カメラ作動中」「ドロボー」「見ている」と怒り心頭っぽいんですが、さらに「人参代14000円もってこい!」「アホ・バカ・カバ」と付け加えられていて緊張感ゼロで笑える。アホ・バカ・カバの三連コンボは見た事がない。大阪人なら「アホ・ボケ・カス」となるところですが。

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人参代14000円とは一体どのくらいの量だと思ったんですが「100kg」と具体的な目方が書かれておりました。100キロ分もいっぺんに盗むとは相当大胆な犯行ですな…アホ・バカ・カバくらいなら可愛らしいもんですがここで急に「警告×す○ね!」と凶暴な文言が入っていて力の加減がよく分かりません。

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農連市場でのドロボー被害は深刻なようであちこちこんな汚い手書きの張り紙やダンボールが貼り付けられてるのだが、後から後から小さく文言が付け加えられていってしまいには落書きとの見分けが付かなくなる。

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