有名観光地ですがやっぱりDEEPでした「那覇のマチグヮー」端から端まで

那覇市

新天地市場・太平通り

戦後の闇市から始まった那覇のマチグヮー、沢山の商店が建ち並ぶ沖縄最大の繁華街の地下を通る暗渠のガーブ川に沿って建てられた水上店舗と並行するアーケード街をひたすら突き進んでいくと、農連市場の手前に「新天地市場」と「太平通り商店街」が連なっている。

30-79.jpg

これらもまた地元民が集まる商店街の一つで、観光臭はこれっぽっちも漂っていない。国際通りに近い側から新天地市場本通、太平通りと続き、アーケードの左側はガーブ川を暗渠化して作られた水上店舗の第三街区、第四街区となる。

30-105.jpg

のっけからカツラ屋が並んでいたりと気取った感じが皆無な下町商店街でございます。かつらのイタズラはスルナ!との事です。人によっては隠したい事実もありますからねえ。

30-78.jpg

隣は米軍放出品のミリタリーグッズ専門店。さすが米軍基地を一手に押し付けられている沖縄ならではの店だ。米軍関連は那覇市街よりもむしろ本島中部のコザとかの方が凄いのだが、そのへんはまた後ほど。

30-80.jpg

勝手に露店が並べてあったり朝っぱらには飲み過ぎて路上でぶっ倒れている奴がいたり、沖縄人の素の生態が観察出来る素敵な商店街。やはりこちらも時代遅れなババ服屋が多く中高年向けな感じがする。

30-81.jpg

アーケードの中で微妙なカーブを描くのは、この下をガーブ川が流れているからなのだ。新天地市場本通りはその途中から食料品店が目立つようになり、農連市場に近づくにつれて雰囲気がどんどん所帯染みてくる。

30-82.jpg

水上店舗の古びたビルの向こう側が新天地市場となる。那覇のマチグヮー最奥部にあって観光客はおろか地元民でもそうそう近づかない秘境のような土地である。

30-83.jpg

次第に庶民向けな惣菜屋や沖縄そば屋が店を開けていたりして、いよいよ食欲をそそられる危険地帯が迫ってきた。

30-85.jpg

水上店舗側に残る古い美容室の看板。かすれかかった「BEAUTY SALON」の英字に米軍統治時代の名残りが見受けられる。

30-84.jpg

途中でアーケード街はサンライズなは商店街と交差して、さらに先の太平通りへと続く。むしろ賑やかなのはここから向こう側だ。

30-86.jpg

水上店舗側にはビリヤード場の看板や「町小健康センター」という、いかにもおじいおばあ向けな施設の看板が見られる。

市場の事をマチグヮーと言うのが沖縄方言だが「町小」と書かれると内地の人にはとてもマチグヮーとは読めません。ともかく「小」の読みはグヮーで、東北訛りの人が「◯◯っ子」と名称のケツにつけるのと似た感覚で使われる接尾辞の一種であるという事だけは知った。

30-89.jpg

太平通りに入っても相変わらず水上店舗の建物はオンボロっぷりが凄いし入っている店舗も戦後からそのまんまじゃないかと思えるような雰囲気。

30-90.jpg

そしてやたら食堂やら沖縄そば屋やら惣菜屋が多いので、アーケード中に旨そうな匂いが立ち込めてヤバイ。よっぽど寄り道して食ってやろうかと思ったか分からんが限りある日程では取材予定の店をすっぽかす訳にもいかず、泣く泣く素通り。

30-91.jpg

まず太平通りと言えば過剰なくらいに多いお惣菜ストリートっぷり。低所得者が多い沖縄だけに安く飯が手に入る惣菜屋は非常に重宝する。弁当も250円、惣菜各種も100円とかで買えるぜ。東京じゃせいぜい浅草や亀戸くらいだこんな土地は。

30-92.jpg

沖縄庶民の腹を満たす250円弁当は俗に「うちなー弁当」と呼ばれる代物で、揚げ物メインでおかずの数々が白飯の上にデーンと乗って見た目にゴチャゴチャ感が物凄い独特のお弁当だ。コレステロール過多でも気にしない!

30-93.jpg

うちなー弁当は店によって具材も入れ物も微妙に違っているがとにかく揚げ物メインなのには変わりがない。

30-94.jpg

戦後のアメリカ文化の流入でスパムといった食い物も食文化にチャンプルーされてしまったので、沖縄の食事は想像以上にオイリーで肥満の要因となりやすい。でも旨いし安けりゃ毎日食っちゃうわな。

内地でイメージされている沖縄料理イコールヘルシーという定説は、現地では通用しない。沖縄県はダントツで日本一の肥満県だというデータもあるのだ(→詳細

30-95.jpg

そんなオイリーで魅力的なお惣菜がプンプン匂いを放っている危険な商店街がここ太平通りなのである。美味しそうだけど食べるものには気を付けないとな。

30-96.jpg

そんな太平通り商店街を抜けるとアーケード街は途切れて農連市場の間を横切る車道に出てくる。この向かいにもスタンド式沖縄そば屋などがあって絶えず食欲を刺激してくる。沖縄人の食生活の実態がよく観察出来る界隈だ。

沖縄大衆食堂―オキナワ流儀のカルチャーショックなご飯たち
仲村 清司 腹ぺこチャンブラーズ
双葉社
売り上げランキング: 167969
新・沖縄のそばと食堂 (メディアパルムック)
メディア・パル
売り上げランキング: 460806
タイトルとURLをコピーしました