九州最後の炭鉱・長崎市「池島」 – 街から人が消えた…廃墟化した鉱員住宅群 (全3ページ)

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長崎市旧外海町の西彼杵半島沖に浮かぶ池島は2001年に閉山した池島炭鉱で栄え、最盛期には周囲4キロの島に7500人もの住民が居た島で、「第二の軍艦島」などと呼ばれている。今回「九州最後の鉱山」としてその歴史を閉じて13年目を迎えた池島に上陸してきた。この島もやはり先輩格の端島(軍艦島)と同じ運命を辿ろうとしているのか、島から人が消え、後に残ったのは無人化した鉱員住宅群の廃墟である。

長崎市 池島

我々のように観光目的で池島に渡って自由に歩き回る事は出来るが、島には炭鉱施設を中心に立入禁止箇所が多数あって、当然無断侵入はご法度だ。事前に島を管理する三井松島リソーシス株式会社(0959-26-0888)に予約を入れておけばこれらの鉱員住宅内の部屋も見学させてもらえる。池島総合食料品小売センターから程近い、旧松島炭鉱株式会社の社宅として使われていた建物の一画だ。普段は鍵が閉められていて入れない。

長崎市 池島

全国の公営団地でよく見かける1フロア2戸ごとに階段があるタイプの4階建て。家賃は月額2000~3000円程度だったという。相当ボロくなってしまったが、無人化した現在でも生活感がとても濃ゆい空間だ。

長崎市 池島

そして鉱員住宅につきものの「安眠中」の札。24時間操業で3交代だった池島炭鉱での勤務ではいつの時間も仕事が終わって就寝中のお父さんが沢山居た訳だ。ブザーはご遠慮下さい。離島の団地だけあって変な宗教やセールスの勧誘とかはあまり来なかったかもな。

長崎市 池島

未だに残る社宅の一室の表札。国勢調査やNHKのステッカーは分かるが大掃除検査済証とは一体何だと思ったら「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく役所の検査が通ったという表示らしい。わざわざ役所の人間が大掃除したかどうか見に来てOKならこれを貼って帰っていくという…東京や大阪みたいな大都市圏ではこんな事やらんよな。もしやってたらゴミ屋敷とか存在してられんし。ちなみにステッカーの自治体名は合併前の外海町だった。

長崎市 池島

元社宅の4階の一室が観光客向けに公開されていて、従業員家族の部屋が当時のインテリアで再現されているのだ。これはなんという昭和50年代。今は中年まっしぐらのオッサンオバハンがガチで子供の時の部屋ってこんな感じじゃなかったでしょうか。部屋にファミコンすらなかった時代のものだなこれは。

長崎市 池島

家電や衣類、家財道具一式、殆どが当時実際に使っていた従業員の私物だったものか?炭鉱現役当時の子供がいつか書いたと思われる保安週間のポスター群もいい仕上がりだ。きっとこのお茶の間のテレビで毎週「8時だョ!全員集合」でも見てたんでしょう。

長崎市 池島

居間と同じく昭和ムード全開な台所も、食器や鍋、それに食品類が並べられたまま無駄に所帯染みた佇まいが再現されていた。現代に生きる低所得者層世帯の台所でもこれとあんまり変わらんな。

長崎市 池島

シンク上の吊り棚に載せられた食品類がヤバイ。カップヌードルなんか賞味期限が昭和63年だし。見慣れない年代の商品ばかりだが九州らしく即席長崎ちゃんぽんやマルタイ棒ラーメンが飾られているのがご愛嬌か。

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ファミリー世帯にとっては間取り的にも決して広いとは言えないが、特に洗濯機置き場は窮屈そうだ。あくまで「再現した部屋」なので実際の暮らしぶりはどうだったかまでは分からないのだが。

長崎市 池島

トイレは当然の如く和式便器。しかし先輩格の端島のオンボロ鉱員住宅に比べたらこれでもかなり文化的水準が上がっているのは確かである。あっちは風呂どころか洗濯場やトイレまで共同でも珍しくなかったもんな。

長崎市 池島

そしてこの展示用ルーム、ベランダを開けると屋上に繋がっている外階段があって、団地の屋上にそのまま上がってしまえるのだ。これも見学用の展望台を整備したものだと思われるが、4階建て団地の屋上から眺める鉱員住宅群はなかなか見応えがあって良い。

長崎市 池島

あまつさえ団地群が高台の上にあるお陰で、鉱員住宅以外の周囲もこのように島が一望できる絶景スポットとなっておりました。これは素晴らしすぎる。殆ど草ボーボーだけど。

長崎市 池島

団地群のすぐ東側が炭鉱施設となっていて第一竪坑、それに様々な機械類が残されている。屋根付きのベルトコンベアーはそのまま高台の下の池島港の積み込み設備に続いている。

長崎市 池島

これが池島にある第一竪坑櫓。閉山後使われておらず錆びまくっているがその勇姿は健在のよう。竪坑櫓はこの島にもう一ヶ所ある。そちらには後で行く事にする。

長崎市 池島

屋上から見える隣の住宅棟のベランダ。窓枠が左側が近代的なアルミサッシ、右側が昔ながらの木製と違いがあるが長年の放置による耐久性の違いが一目瞭然に分かる。やはりアルミサッシは強いな。しかしいずれは軍艦島の住宅のようにベランダ自体がごっそり落ちてしまうかも。

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九州最後の炭鉱・長崎市「池島」シリーズ

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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